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女装と復讐 -街華編-
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『…僕は、とある《裏の情報屋》だという謎の女学生から、樋口が《カラフル》と彩乃を結び付ける《ある重要な情報》を握ってるという噂を耳にし、遂に先週の3日…こっそりと背後から樋口に近づいたんだ…』
…ほんとはあの日、あの試着室で…こっそりと背後から近づかれ、抱きしめられたのは…樋口じゃなくて金魚のほうだけど。
ちくしょっ!…誰がこんな超スキャンダラスな衝撃写真を撮影なんかして、《カラフル》にupしたんだよ!!
そのおかげで、僕がこんな作り話をしなきゃならなくなったじゃんか!!
『ふぅん…謎の女学生からの裏情報ねぇ…』
詩織が目を細め、疑いの視線でチラリと僕を見て微笑んだ…。
『ふふん♪…それでそれで?』
…何かを期待してるって感じの詩織の笑み…。
『…それて、僕は樋口を呼び止めた…振り向く樋口…そして僕は樋口を問い詰める…けれど、樋口は簡単には口を割ろうとはしなかった…』
どんなインチキ探偵物語だよ…こんなの。
『…僕は樋口が金魚の唇を狙ってるって情報も掴んでた。だから言ってやったんだ!』
『へぇ…なんて?』
『…絵里佳ちゃん。あなた、私とチュウしたいんでしょ?だったら《してあげても》いいけど…あなたの知ってる秘密の情報、全て教えてくれたらね!って…』
詩織がまた怪し気な笑みを見せる…怖。
『…なぁるほどね。チュウ《された》んじゃなくて《してあげた》のよね?どうなの?』
『えっ?…あ、はい。重要な情報を聞き出すために…』
…?
詩織がノートパソコンの画面を人差し指の爪の先で、トントンと優しく突ついた…?
『じゃあ訊きますけどぉ…なんで自分からチュウ《してあげにいった》のに、この写真の金魚の顔はビックリしちゃってるわけ?変じゃない…?上体も絵里佳ちゃんのチュウから、まるで逃げるように引いちゃってるし…ふふふん♪』
『…。』
ぅぁ…ぃゃ…ぁゎゎ…!!
ど、どどど…どうしよう!!
『ち、違うって!…この瞬間、スマホで隠し撮られてる!って素早く気付いて…』
『あらら?でも明らかに金魚の真ん円くなったこの目は、絵里佳ちゃんを見てるよね。カメラの方向じゃなくって…♪』
『…。』
詩織がうっとりと、勝ち誇った笑みを僕に見せる…。
『どうなの?ねぇ』
『…。』
『きゃはははは♪はーい。即興制作短編物語お疲れさまぁ♪…アンナさんに報告してこよおっと♪』
あぁぁ…ちょ、待って!…詩織ぃぃ…!!
ノートパソコンを両手で持ち、美容院の掃除と開店準備をしていたアンナさんのもとへと駆け寄ってゆく詩織…。
『アンナさーん♪金魚ねー、先週の3日、絵里佳ちゃんに襲われて、こーんなに激しくチュウしちゃってたんだってー♪きゃはははは♪見て見てー♪』
…終わった。マジで終わった…。
詩織…可愛い女の子の皮を被った本物の小悪魔だ…。
…ほんとはあの日、あの試着室で…こっそりと背後から近づかれ、抱きしめられたのは…樋口じゃなくて金魚のほうだけど。
ちくしょっ!…誰がこんな超スキャンダラスな衝撃写真を撮影なんかして、《カラフル》にupしたんだよ!!
そのおかげで、僕がこんな作り話をしなきゃならなくなったじゃんか!!
『ふぅん…謎の女学生からの裏情報ねぇ…』
詩織が目を細め、疑いの視線でチラリと僕を見て微笑んだ…。
『ふふん♪…それでそれで?』
…何かを期待してるって感じの詩織の笑み…。
『…それて、僕は樋口を呼び止めた…振り向く樋口…そして僕は樋口を問い詰める…けれど、樋口は簡単には口を割ろうとはしなかった…』
どんなインチキ探偵物語だよ…こんなの。
『…僕は樋口が金魚の唇を狙ってるって情報も掴んでた。だから言ってやったんだ!』
『へぇ…なんて?』
『…絵里佳ちゃん。あなた、私とチュウしたいんでしょ?だったら《してあげても》いいけど…あなたの知ってる秘密の情報、全て教えてくれたらね!って…』
詩織がまた怪し気な笑みを見せる…怖。
『…なぁるほどね。チュウ《された》んじゃなくて《してあげた》のよね?どうなの?』
『えっ?…あ、はい。重要な情報を聞き出すために…』
…?
詩織がノートパソコンの画面を人差し指の爪の先で、トントンと優しく突ついた…?
『じゃあ訊きますけどぉ…なんで自分からチュウ《してあげにいった》のに、この写真の金魚の顔はビックリしちゃってるわけ?変じゃない…?上体も絵里佳ちゃんのチュウから、まるで逃げるように引いちゃってるし…ふふふん♪』
『…。』
ぅぁ…ぃゃ…ぁゎゎ…!!
ど、どどど…どうしよう!!
『ち、違うって!…この瞬間、スマホで隠し撮られてる!って素早く気付いて…』
『あらら?でも明らかに金魚の真ん円くなったこの目は、絵里佳ちゃんを見てるよね。カメラの方向じゃなくって…♪』
『…。』
詩織がうっとりと、勝ち誇った笑みを僕に見せる…。
『どうなの?ねぇ』
『…。』
『きゃはははは♪はーい。即興制作短編物語お疲れさまぁ♪…アンナさんに報告してこよおっと♪』
あぁぁ…ちょ、待って!…詩織ぃぃ…!!
ノートパソコンを両手で持ち、美容院の掃除と開店準備をしていたアンナさんのもとへと駆け寄ってゆく詩織…。
『アンナさーん♪金魚ねー、先週の3日、絵里佳ちゃんに襲われて、こーんなに激しくチュウしちゃってたんだってー♪きゃはははは♪見て見てー♪』
…終わった。マジで終わった…。
詩織…可愛い女の子の皮を被った本物の小悪魔だ…。
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