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女装と復讐 -街華編-

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…そして、あの夜の件から一週間が過ぎて…今日は5月の第2土曜日。






『詩織、僕の着替えとメイク済んだよ。詩織のメイク始めようか』


美容院の特別客室から顔を出して、僕は詩織を呼んだ。


『うん…ちょ、ちょっと待って』


…あの夜のような《小悪魔の姿を現した詩織》は、すっかり封印されたように消えて《いつもの落ち着いた詩織》に…。

もう小悪魔化した詩織は…見たくも出会いたくもないなぁ…。
《詩織とお酒》には、ほんと気をつけよう。

そんな詩織はいつものようにロングソファーに座って、テーブルの上に置いたノートパソコンを真剣な眼差しで覗き込んでる…?


『なに見てるの?詩織』

『えっ?うん…今《カラフル》見てるんだけど…』


《カラフル》ねぇ…あっ、そうだ!!
このサイトの管理人とその秘密…詩織にも教えてあげないと!


『そういえば詩織!僕、その《カラフル》についての重要な情報、手に入れたんだけど!』

『ねぇねぇ…ってゆうかね、金魚…先週の5月3日は何してたの…?』

『えっ?』


不思議そうな可愛らしい表情で僕を見る詩織…。

…何してたの?…って…。


『だから…あの日は詩織の誕生日プレゼントを買いに、瀬ヶ池のPARCOに行ってたんだけど』


詩織はもう一度、ノートパソコンの画面を確認しながら…小さな手招きで僕を呼ぶ。


『だから何なんだって。詩織』

『いいから早く。ちょっとこっち来て』


もう何だよ。今から大切な情報を教えてあげようとしてたのに…。

仕方ないから僕は特別客室を出て、詩織の方へと歩き向かう。


『…で、3日は一人じゃなかったのよね?』

『はぁ?何言ってんの?詩織。一人だったに決まってんじゃん。僕』


あのさぁ…詩織が僕から何を訊きたがってるのか、何を探ろうとしてるのか…全く理解できない。

僕はポンとロングソファーの詩織の隣に座った。


『…じゃあ…金魚、これは何?』


えっ?…これは何…ってなに??
僕は詩織のノートパソコンを覗き込んだ…。


『これ…わかるでしょ?』

『?』


詩織のノートパソコンには、デカデカと拡大された…ん?なにかの写真?


『これ…完全にチュウしてるよね?絵里佳ちゃんと』


えっ…?

う…うわぁぁあぁー!!!

ノートパソコンの画面いっぱいに映し出された《金魚と絵里佳の超スクープ映像写真》…!!


『完全に金魚だよね…これ』

『あ、ほら!よ、よく見てよ!これ偽物じゃない!?き、金魚の…』

『嘘おっしゃい。だってほら。もん』


…うっ。

まるで重い鈍器で後頭部を殴られたように意識がグラッときて…急に心臓の鼓動が速まって…ひたいから汗が…。

誕生日プレゼント着てたの…バレてしまったぁぁ!!
でもこれ!本当は樋口のせいなんだ!!僕じゃないから!!

…だから助けてください…助けてぇぇ!神さま!仏さま!小悪魔さま!


『いや、あの…』


と、とりあえず…《誕プレ》を着てたことに関しては素直に認め、詩織に丁重に謝った…。


『だ、だけど聞いて!違うんだ!』

『違う?って…なにが?今更…』


僕は焦る自分を抑えつつ…詩織に弁解説明を始めた…。


『…僕は、とある《裏の情報屋》だとかいう謎の女学生から、樋口が…』
























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