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女装と復讐 -街華編-
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まずは詩織の今のメイクを、クレンジングオイルとコットンで丁寧に丁寧に拭き取り、乳液を満遍なく顔全体に塗る。
…あ!
初めて見る詩織のすっぴん顔…なるほど。すっぴんでも全然悪くない。
可愛いし、何より肌が凄く綺麗。
黒ぶち眼鏡を取り払われ、アンナさんに初めてメイクされたあと『あなたのすっぴん顔のベースの破壊力ときたら凄かったわ!』なんて言われたことがあったけど…あの時のアンナさんも、僕みたいなこんな気持ちだったのかな…。
…詩織にファンデーションを施しながら、僕は感じてた。
んー…あれ?
僕の女装顔…つまり金魚以外の、他の女の子の顔をメイクするのが初めてのせいなのか…なんか凄くメイクに違和感…っていうか、なんだろう…普段と調子が違う…。
アンナさんは本当に黙って見てるだけ。アドバイスなし。
そのアンナさんが、ちらっと僕の顔を怪し気に見た…ドキッ!!
ヤバい…。
僕は冷静さを装って、メイクを続ける…。
なんだったかなぁ…アンナさんから教わった、上手にメイクするためのアドバイス…。
ほら…えぇと…あの…あの…あっ!思い出した!!
《信吾くんが、一目惚れして好きになってしまうようなメイクをしなさい》
…僕が最も可愛いと思えるメイク?
一目で恋できるようなメイク…かぁ。
僕はじーっと…詩織の顔をもう一度確認した…!
待てよ…僕のメイクの感覚が戻ってきたかも。
詩織を凄く可愛くメイクできる…今ならできそうな気がしてきた…!
これかも…たぶん。この感覚!
僕が僕の女装したメイク…金魚の顔が大好きだったように…このドキドキ感…!
僕が詩織に一目惚れしてしまうようなメイク…なるほど!
よし!やってみる!
詩織の特徴である、大きくてぱっちりとした目。
アイラインは、ほんの僅かに、目尻が厚めになるよう意識して線を引く…。
僕の好みな女の子のアイメイク…は…こんな感じ…っと。
上瞼のアイシャドウは…塗ったか塗ってないか分からないくらい…薄く。代わりにラメを…上下の瞼に…ちょっと入れる…。
チークは薄めが僕は好き。そして頬と目元辺りに、やや広めに散らすように…。
唇はどうしよう…。
艶があってプルンとしてて…カラーは…薄いピンクがいいかな…スタンダード過ぎるけど…。
…鏡に映る、完成した自分のメイク顔を、じっと動かずに見ている詩織。
『金魚…メイク始めてどれくらいだったっけ…?』
『3月の初めからだから…ちょうど2ヶ月だよ』
『だよね…』
詩織は椅子から立ち上がり、一歩進んで鏡の前に立った。
『信じられない…4年も前からメイクしてる私なんかより、ずっと上手…えぇ、なんで…?』
『…で、どう?僕のメイク…』
詩織は勢いよく振り返って僕を見た。
『ねぇなんで?…まだ始めて、たったの2ヶ月なのに…なんでこんなに凄く可愛く丁寧に、綺麗にメイクできちゃうの?…なんで?』
いやぁ…なんで?って訊かれてもなぁ…。
でも《始めてまだ2ヶ月》ではあるけど、メイクはもう100回以上はしてるからかな。ずっと自分のアパートで独り…だけど。
『あの…金魚、お願いがあるの』
『お願い?…って?』
ん?…あれ?
詩織の表情が急に一変し、僕を疑うかのような視線に…?
『てゆうかさ…金魚の顔、なんでそんなに真っ赤になってるわけ?』
えっ!?
そ…それは…あれだよ。
今、メイクした詩織に…ちょっとドキドキしちゃってるから…ですけど…。
…あ!
初めて見る詩織のすっぴん顔…なるほど。すっぴんでも全然悪くない。
可愛いし、何より肌が凄く綺麗。
黒ぶち眼鏡を取り払われ、アンナさんに初めてメイクされたあと『あなたのすっぴん顔のベースの破壊力ときたら凄かったわ!』なんて言われたことがあったけど…あの時のアンナさんも、僕みたいなこんな気持ちだったのかな…。
…詩織にファンデーションを施しながら、僕は感じてた。
んー…あれ?
僕の女装顔…つまり金魚以外の、他の女の子の顔をメイクするのが初めてのせいなのか…なんか凄くメイクに違和感…っていうか、なんだろう…普段と調子が違う…。
アンナさんは本当に黙って見てるだけ。アドバイスなし。
そのアンナさんが、ちらっと僕の顔を怪し気に見た…ドキッ!!
ヤバい…。
僕は冷静さを装って、メイクを続ける…。
なんだったかなぁ…アンナさんから教わった、上手にメイクするためのアドバイス…。
ほら…えぇと…あの…あの…あっ!思い出した!!
《信吾くんが、一目惚れして好きになってしまうようなメイクをしなさい》
…僕が最も可愛いと思えるメイク?
一目で恋できるようなメイク…かぁ。
僕はじーっと…詩織の顔をもう一度確認した…!
待てよ…僕のメイクの感覚が戻ってきたかも。
詩織を凄く可愛くメイクできる…今ならできそうな気がしてきた…!
これかも…たぶん。この感覚!
僕が僕の女装したメイク…金魚の顔が大好きだったように…このドキドキ感…!
僕が詩織に一目惚れしてしまうようなメイク…なるほど!
よし!やってみる!
詩織の特徴である、大きくてぱっちりとした目。
アイラインは、ほんの僅かに、目尻が厚めになるよう意識して線を引く…。
僕の好みな女の子のアイメイク…は…こんな感じ…っと。
上瞼のアイシャドウは…塗ったか塗ってないか分からないくらい…薄く。代わりにラメを…上下の瞼に…ちょっと入れる…。
チークは薄めが僕は好き。そして頬と目元辺りに、やや広めに散らすように…。
唇はどうしよう…。
艶があってプルンとしてて…カラーは…薄いピンクがいいかな…スタンダード過ぎるけど…。
…鏡に映る、完成した自分のメイク顔を、じっと動かずに見ている詩織。
『金魚…メイク始めてどれくらいだったっけ…?』
『3月の初めからだから…ちょうど2ヶ月だよ』
『だよね…』
詩織は椅子から立ち上がり、一歩進んで鏡の前に立った。
『信じられない…4年も前からメイクしてる私なんかより、ずっと上手…えぇ、なんで…?』
『…で、どう?僕のメイク…』
詩織は勢いよく振り返って僕を見た。
『ねぇなんで?…まだ始めて、たったの2ヶ月なのに…なんでこんなに凄く可愛く丁寧に、綺麗にメイクできちゃうの?…なんで?』
いやぁ…なんで?って訊かれてもなぁ…。
でも《始めてまだ2ヶ月》ではあるけど、メイクはもう100回以上はしてるからかな。ずっと自分のアパートで独り…だけど。
『あの…金魚、お願いがあるの』
『お願い?…って?』
ん?…あれ?
詩織の表情が急に一変し、僕を疑うかのような視線に…?
『てゆうかさ…金魚の顔、なんでそんなに真っ赤になってるわけ?』
えっ!?
そ…それは…あれだよ。
今、メイクした詩織に…ちょっとドキドキしちゃってるから…ですけど…。
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