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女装と復讐 -街華編-
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…金魚姫さま…。
この声…聞き覚えがあるし、しかも金魚をそう呼ぶのは《あいつ》しかいない。
間違いない…。
『金魚姫さま…今日はお一人なの?詩織ちゃんは?』
『あ…うん。今日は私、一人なんだぁ』
僕は背中にくっ付く樋口絵里佳を、ちゃんと目視で確認しようと振り向こうとした。
『ダメ!!姫さま、まだ振り返らないで!!』
あ…えっ!?なんで!?
『じゃあ…あの、とりあえず痛いから、放してくれないかな…』
『嫌です…』
あぁもう…。
ほんとにこいつ…樋口って、人の言うことを絶対聞かない嫌な奴…。
顔だって大学内で一番ってほど可愛いんだから、この嫌悪な性格さえ無ければ良いのに…。
『私、先月…彩乃ちゃんと大喧嘩しちゃいました…それで彩乃ちゃんと、もう仲良くするのもやめました…』
えっ?大喧嘩?
しばらくして、樋口はやっと放してくれた。僕は改めて振り返り、樋口を正面から見る。
『原因は?…なんで大喧嘩になったの?』
さっきから、ずっと斜めに下を向いている樋口。
『あの…彩乃ちゃんに…彩乃ちゃんと姫さまと、どっちを選ぶのよ!?って…はっきりしなさいよ!って迫られて…』
『…。』
しばらくお互い沈黙したあと、樋口は顔を上げて僕を見た。
『あの…姫さまの好意を得たい…とか、点数稼ぎとかってわけじゃないんだけど…』
『えっ?…なに?』
『瀬ヶ池の女の子たちの集まるサイト《★Colorful-Girls★》の…《ごみ箱》って隠しコンテンツに書かれていた、姫さまを《排除してほしい》って依頼の書き込み…全部消してたの…私です…』
『えっ!?』
コンテンツに書かれた内容を消す…消せるってことはつまり、樋口があのサイトの《編集ができる》ってことだ!
『ねぇ、なんでそんなことができるの!?あのサイトを作ったのって…』
『私じゃないです』
僕はそこに《何かある!》と直感した。
『私は、あのサイトの管理passを教えてもらっただけです…』
『誰に?…誰から?』
『…。』
また黙る樋口。それには答えてくれなかった。
『あのサイトの管理人は誰なの?』
『…それを教えることは、私にとって凄くリスクが高いことなんです。だから…』
リスク…それは確かにあるかもしれない。
確実に樋口は、あのサイトの真の管理者を知ってる。絶対聞き出したい…絶対に何かある!
『だから…タダでは教えられません』
………えっ?
リスクはあるけど、お願いすれば教えてくれる気はあるんだ…。ただ《条件付き》ってだけで…。
この声…聞き覚えがあるし、しかも金魚をそう呼ぶのは《あいつ》しかいない。
間違いない…。
『金魚姫さま…今日はお一人なの?詩織ちゃんは?』
『あ…うん。今日は私、一人なんだぁ』
僕は背中にくっ付く樋口絵里佳を、ちゃんと目視で確認しようと振り向こうとした。
『ダメ!!姫さま、まだ振り返らないで!!』
あ…えっ!?なんで!?
『じゃあ…あの、とりあえず痛いから、放してくれないかな…』
『嫌です…』
あぁもう…。
ほんとにこいつ…樋口って、人の言うことを絶対聞かない嫌な奴…。
顔だって大学内で一番ってほど可愛いんだから、この嫌悪な性格さえ無ければ良いのに…。
『私、先月…彩乃ちゃんと大喧嘩しちゃいました…それで彩乃ちゃんと、もう仲良くするのもやめました…』
えっ?大喧嘩?
しばらくして、樋口はやっと放してくれた。僕は改めて振り返り、樋口を正面から見る。
『原因は?…なんで大喧嘩になったの?』
さっきから、ずっと斜めに下を向いている樋口。
『あの…彩乃ちゃんに…彩乃ちゃんと姫さまと、どっちを選ぶのよ!?って…はっきりしなさいよ!って迫られて…』
『…。』
しばらくお互い沈黙したあと、樋口は顔を上げて僕を見た。
『あの…姫さまの好意を得たい…とか、点数稼ぎとかってわけじゃないんだけど…』
『えっ?…なに?』
『瀬ヶ池の女の子たちの集まるサイト《★Colorful-Girls★》の…《ごみ箱》って隠しコンテンツに書かれていた、姫さまを《排除してほしい》って依頼の書き込み…全部消してたの…私です…』
『えっ!?』
コンテンツに書かれた内容を消す…消せるってことはつまり、樋口があのサイトの《編集ができる》ってことだ!
『ねぇ、なんでそんなことができるの!?あのサイトを作ったのって…』
『私じゃないです』
僕はそこに《何かある!》と直感した。
『私は、あのサイトの管理passを教えてもらっただけです…』
『誰に?…誰から?』
『…。』
また黙る樋口。それには答えてくれなかった。
『あのサイトの管理人は誰なの?』
『…それを教えることは、私にとって凄くリスクが高いことなんです。だから…』
リスク…それは確かにあるかもしれない。
確実に樋口は、あのサイトの真の管理者を知ってる。絶対聞き出したい…絶対に何かある!
『だから…タダでは教えられません』
………えっ?
リスクはあるけど、お願いすれば教えてくれる気はあるんだ…。ただ《条件付き》ってだけで…。
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