上 下
274 / 490
女装と復讐 -街華編-

page.263

しおりを挟む
マキさんは広い広い広場の真ん中にある、石造りの変なオブジェの前を指定。

詩織は僕の肩を軽くポンと叩いて…。


『じゃあ私は地下鉄の改札口まで、鈴ちゃんを迎えに行ってくるねー』


…手を振りながら、ゆっくりと離れて行こうとした。


『ちょっと待って詩織ちゃん!行く前に金魚ちゃんとのツーショット、1枚ちょうだい!』

『えっ?…私もいいんですか?』

『うん。早くー!』


また駆けて戻ってきた詩織。ピースして金魚と並んでのツーショット撮影…凄くいい笑顔。
ぼ、僕はピースしてないから。

その撮影後、詩織は改めて地下鉄の改札口へと急ぐ。


『マキさん、佳奈さん。金魚の撮影の続き、宜しくお願いしますねー』

『任せてー詩織ちゃん。お迎えいってらっしゃーい』






…撮影は10分も掛からず無事終了。ちょうど詩織と鈴ちゃんも、タイミングよく駅構内から出てきた。


『金魚ちゃん、詩織ちゃんから聞いたの。凄いね!《G.F.》デビューおめでとう!』

『あ…うん。ありがとう鈴ちゃん』


僕の両手をぎゅっと握って、まるで自分事のように喜んでくれている鈴ちゃん。
詩織に負けないぐらい、凄くいい笑顔。

だけど気が早いっていうか…みんなから言われた『おめでとう!』って言葉は、ちゃんと《G.F.》に載ってるのを確認してから言うのが本当?…かも?

詩織は早速、その報告を電話でしてた…。






…駅前の某ファミレス店内。
6人のテーブル席の真ん中に僕、右に詩織、左に鈴ちゃん。僕の正面にマキさん、その右に佳奈さん、左に志乃さん。

他のお姉さん達も各テーブル席に分かれて、自由にお喋りしてる。


『じゃあ…注文したお料理を待つ時間を使って、インタビュー始めるね』


…インタビュー?
iPhoneを操作し、テーブルの上に置いたマキさん。


『iPhoneのボイスレコーダーで録声するね』


なるほど。メモじゃなくてボイスレコーダーか。






- インタビューの内容 -

《お名前は?》池川金魚です…《生年月日は?》2003年8月28日です…《血液型は?》O型です…《学生さん?》はい。大学生です。これ以上の詳細は言えません…《身長は?》160.0cmです…。


ま…また、見栄を張って…身長をサバ読みしてしまった…。
ほんとは158.6cmなのに…。


『あ…あと、体重は44.1kgです…』

『はぁぁっ!?ちょーっと金魚!ほんとに44kg!?…また痩せたの!?』


詩織はテーブルをトンと軽く叩いて、急に振り向いて僕を見た。


『あ…けど、ちょっとだけだし』

『いいなぁ…てゆうか、私のほうが金魚よりも1.5kgも重いなんて…逆転されちゃったぁ…』


…そして、また詩織はゆっくりと黙り込んだ。
けど1.5kgの差なんて、そんなに変わんない。




『あ、あのね…金魚ちゃん…』


『?』
『?』


僕らの会話に割り込んできたマキさん…っていうか、インタビューの途中に割り込んできたのは、詩織のほうなんだけど。

























しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

女ハッカーのコードネームは @takashi

一宮 沙耶
大衆娯楽
男の子に、子宮と女性の生殖器を移植するとどうなるのか? その後、かっこよく生きる女性ハッカーの物語です。 守護霊がよく喋るので、聞いてみてください。

TSしちゃった!

恋愛
朝起きたら突然銀髪美少女になってしまった高校生、宇佐美一輝。 性転換に悩みながら苦しみどういう選択をしていくのか。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

処理中です...