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女装と復讐 -躍動編-
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僕は詩織を見た。詩織だって僕を見る。
『詩織…行こう』
『うん。私だって頑張る』
『お二人さん、じゃあ頑張って行ってきてね…はい』
鈴ちゃんから僕と詩織にマイクが手渡された。
『私もここから応援しているよ~』
『はーい。鈴ちゃんも、みかなちゃんも、あとで宜しくね!』
『ちょっとみんな、落ち着いて聞いてー。私に代わって…私なんかより、もーっと凄い大物有名ガールズに登場してもらうから!…あと、もの凄ぉく可愛いお二人さんよッ♪…上がってきてー!』
春華さんがステージの階段で待つ僕らに手を振った。
『はーい。こんにちはー』
『いぇーい♪こんにちはー皆さーん♪』
観客側から《響めき》と《大歓声》と《驚きの声》と…それらが入り混じってステージ上まで、もうとにかく凄いのうるさいのなんの。
詩織が観客側へ、今日一番のハイテンションで手を振る。僕も詩織に負けじと元気に大きく手を振った。
ステージ上から見下ろしたら、観客数…1000人なんてどころか、その倍はいるんじゃないかってくらい…会場の向こうまで、もの凄いステージ観覧客の数。
『ちょっとすみません。いきなりで悪いんだけど、1分だけ作戦タイムをください』
えっ?なに?…作戦タイム!?
気配に気付き、振り向くと…僕の横でマイクを握って、そう宣言してたのは…秋良さんだった。
『とりあえず前座サンクス。春華』
『春華さん、お疲れさまでした』
『春華さんお疲れさまーぁ』
『ありがとねッ♪金魚ちゃん、詩織ちゃん』
ステージの真ん中に集合した僕ら…秋良さんと春華さんと詩織と僕。
そして僕らの周りに啓介さんとわっちさん、ヤマさん。
『お前ら、緊張なんかしてないよな?』
『はい。大丈夫です。秋良さん』
『私も全っ然平気ー』
…詩織は《緊張してない》どころか《ワクワク超楽しい♪》ってぐらい…。
『よし。今回は金魚と詩織を目立たせるのが目的だ。啓介、わっち、ヤマさん…いいか。頼んだぞ!』
頷いて応えて返す啓介さんたち3人。
『私がお客さん達の雰囲気を、上手に温めて盛り上げといたんだから、冷めちゃうようなパフォーマンスだけは止めてよねッ!』
嫌味とかじゃなく、笑顔を見せながら《いい意味》で僕らを煽ってくれる春華さん。
『絶っ対に大丈夫!だって私と金魚だもん!』
『うんうん。そっかそっかぁ。あと《タンバリン・マジック》にも期待してるねー。詩織ちゃん』
『うん。任せといて!春華さん!』
…タンバリン…マジック?
いつ手に持ったのか、詩織の左手には《半月型》と呼ばれる、革張り無しの黒いタンバリンが握られていた。
『詩織、それなに?』
『タンバリンよ』
そんなのは僕だって解ってる。そういうことじゃなくて…。
『よし!お前ら始めるぞー!』
『おー』
『おぉー♪』
秋良さん達は後ろへと下がる。春華さんは急いでステージを下りた。
詩織はマイクをぎゅっと握って口元へ…。
『皆さーん、私たちのこと知ってますかー?』
詩織のその問い掛けに、観客側からは「知ってるー」という声と「詩織ちゃんと金魚ちゃーん」とか「金魚ちゃんと詩織ちゃーん」っていう声が色々と混じって、ステージ上へと《声》となって戻ってきた。
『きゃははは…嬉しいなーぁ』
詩織がじゃれて、僕に寄りかかってきた。
『じゃあ…まず1曲目歌っちゃおーかなぁ♪』
詩織のそれに反応して、また波立つ観客から大砲のような声援が飛んできた。
僕と詩織は互いを見合って、確認し合うかのように頷いた。
そして僕は観客側から見てステージの左に、詩織は右に…離れて立つ。
1曲目はBENNIE Kさんの「サンライズ」。この歌は2人で歌う。
yukiさんパートは詩織が。cicoさんパート…激しいラップのほう…は僕が担当。
それが終わったら、次に詩織の歌うオリジナル曲「Sing You -彼女はBest Friend-」の出番。
…なんだけど、合うの?
このハイテンポの「サンライズ」の曲にタンバリンって…?
『詩織…行こう』
『うん。私だって頑張る』
『お二人さん、じゃあ頑張って行ってきてね…はい』
鈴ちゃんから僕と詩織にマイクが手渡された。
『私もここから応援しているよ~』
『はーい。鈴ちゃんも、みかなちゃんも、あとで宜しくね!』
『ちょっとみんな、落ち着いて聞いてー。私に代わって…私なんかより、もーっと凄い大物有名ガールズに登場してもらうから!…あと、もの凄ぉく可愛いお二人さんよッ♪…上がってきてー!』
春華さんがステージの階段で待つ僕らに手を振った。
『はーい。こんにちはー』
『いぇーい♪こんにちはー皆さーん♪』
観客側から《響めき》と《大歓声》と《驚きの声》と…それらが入り混じってステージ上まで、もうとにかく凄いのうるさいのなんの。
詩織が観客側へ、今日一番のハイテンションで手を振る。僕も詩織に負けじと元気に大きく手を振った。
ステージ上から見下ろしたら、観客数…1000人なんてどころか、その倍はいるんじゃないかってくらい…会場の向こうまで、もの凄いステージ観覧客の数。
『ちょっとすみません。いきなりで悪いんだけど、1分だけ作戦タイムをください』
えっ?なに?…作戦タイム!?
気配に気付き、振り向くと…僕の横でマイクを握って、そう宣言してたのは…秋良さんだった。
『とりあえず前座サンクス。春華』
『春華さん、お疲れさまでした』
『春華さんお疲れさまーぁ』
『ありがとねッ♪金魚ちゃん、詩織ちゃん』
ステージの真ん中に集合した僕ら…秋良さんと春華さんと詩織と僕。
そして僕らの周りに啓介さんとわっちさん、ヤマさん。
『お前ら、緊張なんかしてないよな?』
『はい。大丈夫です。秋良さん』
『私も全っ然平気ー』
…詩織は《緊張してない》どころか《ワクワク超楽しい♪》ってぐらい…。
『よし。今回は金魚と詩織を目立たせるのが目的だ。啓介、わっち、ヤマさん…いいか。頼んだぞ!』
頷いて応えて返す啓介さんたち3人。
『私がお客さん達の雰囲気を、上手に温めて盛り上げといたんだから、冷めちゃうようなパフォーマンスだけは止めてよねッ!』
嫌味とかじゃなく、笑顔を見せながら《いい意味》で僕らを煽ってくれる春華さん。
『絶っ対に大丈夫!だって私と金魚だもん!』
『うんうん。そっかそっかぁ。あと《タンバリン・マジック》にも期待してるねー。詩織ちゃん』
『うん。任せといて!春華さん!』
…タンバリン…マジック?
いつ手に持ったのか、詩織の左手には《半月型》と呼ばれる、革張り無しの黒いタンバリンが握られていた。
『詩織、それなに?』
『タンバリンよ』
そんなのは僕だって解ってる。そういうことじゃなくて…。
『よし!お前ら始めるぞー!』
『おー』
『おぉー♪』
秋良さん達は後ろへと下がる。春華さんは急いでステージを下りた。
詩織はマイクをぎゅっと握って口元へ…。
『皆さーん、私たちのこと知ってますかー?』
詩織のその問い掛けに、観客側からは「知ってるー」という声と「詩織ちゃんと金魚ちゃーん」とか「金魚ちゃんと詩織ちゃーん」っていう声が色々と混じって、ステージ上へと《声》となって戻ってきた。
『きゃははは…嬉しいなーぁ』
詩織がじゃれて、僕に寄りかかってきた。
『じゃあ…まず1曲目歌っちゃおーかなぁ♪』
詩織のそれに反応して、また波立つ観客から大砲のような声援が飛んできた。
僕と詩織は互いを見合って、確認し合うかのように頷いた。
そして僕は観客側から見てステージの左に、詩織は右に…離れて立つ。
1曲目はBENNIE Kさんの「サンライズ」。この歌は2人で歌う。
yukiさんパートは詩織が。cicoさんパート…激しいラップのほう…は僕が担当。
それが終わったら、次に詩織の歌うオリジナル曲「Sing You -彼女はBest Friend-」の出番。
…なんだけど、合うの?
このハイテンポの「サンライズ」の曲にタンバリンって…?
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