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女装と復讐 -躍動編-
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僕も詩織もちょっと不思議そうに…鈴ちゃんと楽しく会話してる木橋みかなさんの横顔を、ほんの少しのあいだ見てただけ…なんだけど…。
『…ん~?君たち…なに?』
それに気付いた木橋さん。
まるで僕らの心を見通したように…。
『あ~。あはは。それにしても、なんで木橋がここに居るの?って今君たち、思ってたでしょ?』
『そ、そんな…別に私たち…』
『えっへへへ。だってお二人の顔に、そう書いてあるし』
《顔に書いてある》って、何も言わなくても表情を見れば何を今思ってるのかが解る、って意味だけど…ってか木橋さん笑ってるし。
『私、明日さぁ…愛知県の豊橋市ってところで旅番組のロケ撮影するんだけど、その豊橋市内で予約したホテルに行く前に、鈴ちゃ先輩が地元だっていうここの《春祭り》の進行役をしてるって…年に一度の大きなお祭りなんだよ、って鈴ちゃ先輩から聞いてたから、ちょっとだけ寄った…って、そういう理由』
『あーっ!!』
……ん?えっ?
声のした方を見ると…そこには《可愛い女の子大大大好き!…な、ちょっと変わった"看護師お姉さん"》が。
『えぇ…なになに…?可愛い女の子たちの集まる《地上の楽園》って…こんなところにあったのォ…?♡』
『おい、そこの芸能人のお二人さん。その《変なお姉》には気をつけろよ』
春華さんのあとに続いて、秋良さんがこのテントに入ってきた。
それで春華さんは?というと…僕らの輪の真ん中で、華麗に《喜びのダンス》をご披露してる…。
あ…ちなみに、春華さんと鈴ちゃんは24歳の同い年です。学校は全く違うけど。
『こんにちは。私です』
『知ってるよ。木橋みかなだろ。テレビで何度も観たことあるからな』
秋良さんは木橋さんに、ニコリと笑って見せた。
『あなたは、私を見てもあんまり驚きとかないんですね』
『悪ぃな。リアクションが薄くて』
『いえいえ~。いいことです』
秋良さんは、今度は鈴ちゃんを見た。
『いつも2人から話を聞いてる。世話になってるんだってな。ありがとう』
『ううん。私の方こそ、いつも詩織ちゃんと金魚ちゃんにお世話になってます』
秋良さんは、鈴ちゃんに大きくウンと頷いて見せた。
『よし。じゃ…ステージ出演10分前だから、詩織も金魚も準備…』
『待って!…えぇと』
鈴ちゃんが、秋良さんの会話を止めに入った…?
『ん?俺?…鈴木秋良』
『あ…すみません。鈴木秋良さん。ちょっとご出演の皆さんに、ご説明しなければならないことがありまして…』
秋良さんは、僕と詩織と…なんだか幸せそうな春華さんを見た。
『ご説明?…って?』
……ご説明…って、何だろう。
急に真面目な表情に変わった鈴ちゃん。
『実は…30分早く来てもらったのは…ただ30分繰り上がった、ってだけじゃないの…』
『えっ?』
『??』
『それは…どういうことだ…?』
鈴ちゃんは僕らに手のひらを小さく合わせて、まるで祈るような表情を見せた。
『詩織ちゃん、金魚ちゃん…ごめんなさい。もしできるなら…ステージでの出演者時間…延長してもらえない?…もう2人にしか、こんな無理なお願い…できないの…』
『えっ…延長!?』
『…ん~?君たち…なに?』
それに気付いた木橋さん。
まるで僕らの心を見通したように…。
『あ~。あはは。それにしても、なんで木橋がここに居るの?って今君たち、思ってたでしょ?』
『そ、そんな…別に私たち…』
『えっへへへ。だってお二人の顔に、そう書いてあるし』
《顔に書いてある》って、何も言わなくても表情を見れば何を今思ってるのかが解る、って意味だけど…ってか木橋さん笑ってるし。
『私、明日さぁ…愛知県の豊橋市ってところで旅番組のロケ撮影するんだけど、その豊橋市内で予約したホテルに行く前に、鈴ちゃ先輩が地元だっていうここの《春祭り》の進行役をしてるって…年に一度の大きなお祭りなんだよ、って鈴ちゃ先輩から聞いてたから、ちょっとだけ寄った…って、そういう理由』
『あーっ!!』
……ん?えっ?
声のした方を見ると…そこには《可愛い女の子大大大好き!…な、ちょっと変わった"看護師お姉さん"》が。
『えぇ…なになに…?可愛い女の子たちの集まる《地上の楽園》って…こんなところにあったのォ…?♡』
『おい、そこの芸能人のお二人さん。その《変なお姉》には気をつけろよ』
春華さんのあとに続いて、秋良さんがこのテントに入ってきた。
それで春華さんは?というと…僕らの輪の真ん中で、華麗に《喜びのダンス》をご披露してる…。
あ…ちなみに、春華さんと鈴ちゃんは24歳の同い年です。学校は全く違うけど。
『こんにちは。私です』
『知ってるよ。木橋みかなだろ。テレビで何度も観たことあるからな』
秋良さんは木橋さんに、ニコリと笑って見せた。
『あなたは、私を見てもあんまり驚きとかないんですね』
『悪ぃな。リアクションが薄くて』
『いえいえ~。いいことです』
秋良さんは、今度は鈴ちゃんを見た。
『いつも2人から話を聞いてる。世話になってるんだってな。ありがとう』
『ううん。私の方こそ、いつも詩織ちゃんと金魚ちゃんにお世話になってます』
秋良さんは、鈴ちゃんに大きくウンと頷いて見せた。
『よし。じゃ…ステージ出演10分前だから、詩織も金魚も準備…』
『待って!…えぇと』
鈴ちゃんが、秋良さんの会話を止めに入った…?
『ん?俺?…鈴木秋良』
『あ…すみません。鈴木秋良さん。ちょっとご出演の皆さんに、ご説明しなければならないことがありまして…』
秋良さんは、僕と詩織と…なんだか幸せそうな春華さんを見た。
『ご説明?…って?』
……ご説明…って、何だろう。
急に真面目な表情に変わった鈴ちゃん。
『実は…30分早く来てもらったのは…ただ30分繰り上がった、ってだけじゃないの…』
『えっ?』
『??』
『それは…どういうことだ…?』
鈴ちゃんは僕らに手のひらを小さく合わせて、まるで祈るような表情を見せた。
『詩織ちゃん、金魚ちゃん…ごめんなさい。もしできるなら…ステージでの出演者時間…延長してもらえない?…もう2人にしか、こんな無理なお願い…できないの…』
『えっ…延長!?』
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