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女装と復讐 -躍動編-
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そして僕らは特設ステージ横に設営された、やっぱり《桜野区》と記された、たくさんの屋形テントの、その中の1つへと入った。
『お疲れさまでーぇす♪』
『お疲れさまです』
『おっ、来たなぁ。お二人とも今日は宜しく』
『あらー。可愛いわね。ステージ出演お願いね』
『はーい。宜しくお願いしまーす♪』
『宜しくお願いします…』
まずは《春フェス》運営スタッフさん達にご挨拶を済ませる。
そして…。
『啓介くーん、やっほー』
『啓介さん、お疲れ様です』
『やっと来た…お疲れ』
休憩用テーブルの前のパイプ椅子に座ってる啓介さん。急にハッとした顔で僕を見た。
『なぁ金魚…緊張とかしてないか?』
『はい。大丈夫です』
『そっか。あはは。それは良かった』
啓介さん越しに、向こうの《特設ステージ運営担当員専用屋形テント》のほうで、手招きする鈴ちゃんの姿が目に入った。詩織も僕と同じく、手を振る鈴ちゃんを確認したらしい。
『ごめん啓介くん、ちょっとあっち行ってくるねー』
『すみません。行ってきます』
『鈴ちゃん、こんにちは。お疲れさまー』
『こんにちは。わぁ…金魚ちゃんもカッコいい!男装だね。凄く似合ってる』
『うん…ありがとう』
…ん?鈴ちゃんの隣に…。
どこかで見たことあるような?可愛らしいハキハキ元気な可愛い子が…?
『えっ?木橋みかなちゃん…!?』
『こんにちは。そうそう!私ですよ~』
詩織は一目ですぐに解ったみたい。
…なるほど。
鈴ちゃんと同じ芸能事務所所属で、鈴ちゃんが長年毎週務めていた旅番組を、後輩の子に交代して引き継いでもらった…って鈴ちゃんが言ってたけど、その後輩って子がこの子なんだ。
この子もスタイル細いなぁ。
木橋みかなさんの髪型は…ミディアムの長さのボブヘアーの髪を、少しパーマさせてふわふわ…それで顔も相まって、凄くお似合いで凄く可愛く見える。髪色は明るい茶色。
服は締め付けの少ない、緩めの黒のノースリーブシャツ。胸元は広く開いてはいない。ただ、肩のブラ紐が見えてる…んだけど、本人は全然気にしてないっぽい。
そして、その下に白色灰色2色のストライプ柄のワイドパンツを穿いて、靴は素足にローヒールのサンダル。
両足の爪は綺麗な水色で塗られている…なぜか左足の人差し指だけオレンジ色。
パイプ椅子に座っている木橋さんの後ろ…長机には、彼女の物だろう大きなバッグと、綺麗に折り畳まれた真白いロングカーディガンが置いてある。
んまぁ…木橋さんが《座ってる》…ってより、サンダルを脱いで、パイプ椅子の座上で《体育座り》してるんだけど。
『ねぇ。お二人は何歳なの?』
僕も詩織も《19歳》であることを伝えた。
『へぇ。じゃあ私より2コ下かぁ…で?《池川金魚ちゃん》ってのは?どっち?』
…えっ??
僕と詩織は見合って…『はい』って…僕が胸元で小さく手を上げた。
『じゃあ、こっちの彼女が《岡本詩織ちゃん》ねぇ…あー、なるほど。二人とも聞いてたとおり可愛いね~』
…ん?聞いてたとおり??
『あの…なんで私たちのことを知っ…』
『あははは。だってさ、鈴ちゃ先輩があなた達のことを…先月かな?この前話してくれたから…ね~。鈴ちゃ先輩!』
…鈴ちゃんは一度、ゆっくりと不安気に頷いてから『ついこの前、ちょっとだけ地元の友だちのことが話題になって…事務所でみかなちゃんや他の社員さん達と話してたときに…つい…』って、少し慌てたふうに僕らに説明した。
それを聞いて、詩織が少し安堵の表情を見せた。
このとき詩織は《もしかして…Twitterや他のSNSとかでも、私たちの情報が…拡散されてる?…ちょっと気になるんだけど??》って、そっちを思ったんだとか。
『お疲れさまでーぇす♪』
『お疲れさまです』
『おっ、来たなぁ。お二人とも今日は宜しく』
『あらー。可愛いわね。ステージ出演お願いね』
『はーい。宜しくお願いしまーす♪』
『宜しくお願いします…』
まずは《春フェス》運営スタッフさん達にご挨拶を済ませる。
そして…。
『啓介くーん、やっほー』
『啓介さん、お疲れ様です』
『やっと来た…お疲れ』
休憩用テーブルの前のパイプ椅子に座ってる啓介さん。急にハッとした顔で僕を見た。
『なぁ金魚…緊張とかしてないか?』
『はい。大丈夫です』
『そっか。あはは。それは良かった』
啓介さん越しに、向こうの《特設ステージ運営担当員専用屋形テント》のほうで、手招きする鈴ちゃんの姿が目に入った。詩織も僕と同じく、手を振る鈴ちゃんを確認したらしい。
『ごめん啓介くん、ちょっとあっち行ってくるねー』
『すみません。行ってきます』
『鈴ちゃん、こんにちは。お疲れさまー』
『こんにちは。わぁ…金魚ちゃんもカッコいい!男装だね。凄く似合ってる』
『うん…ありがとう』
…ん?鈴ちゃんの隣に…。
どこかで見たことあるような?可愛らしいハキハキ元気な可愛い子が…?
『えっ?木橋みかなちゃん…!?』
『こんにちは。そうそう!私ですよ~』
詩織は一目ですぐに解ったみたい。
…なるほど。
鈴ちゃんと同じ芸能事務所所属で、鈴ちゃんが長年毎週務めていた旅番組を、後輩の子に交代して引き継いでもらった…って鈴ちゃんが言ってたけど、その後輩って子がこの子なんだ。
この子もスタイル細いなぁ。
木橋みかなさんの髪型は…ミディアムの長さのボブヘアーの髪を、少しパーマさせてふわふわ…それで顔も相まって、凄くお似合いで凄く可愛く見える。髪色は明るい茶色。
服は締め付けの少ない、緩めの黒のノースリーブシャツ。胸元は広く開いてはいない。ただ、肩のブラ紐が見えてる…んだけど、本人は全然気にしてないっぽい。
そして、その下に白色灰色2色のストライプ柄のワイドパンツを穿いて、靴は素足にローヒールのサンダル。
両足の爪は綺麗な水色で塗られている…なぜか左足の人差し指だけオレンジ色。
パイプ椅子に座っている木橋さんの後ろ…長机には、彼女の物だろう大きなバッグと、綺麗に折り畳まれた真白いロングカーディガンが置いてある。
んまぁ…木橋さんが《座ってる》…ってより、サンダルを脱いで、パイプ椅子の座上で《体育座り》してるんだけど。
『ねぇ。お二人は何歳なの?』
僕も詩織も《19歳》であることを伝えた。
『へぇ。じゃあ私より2コ下かぁ…で?《池川金魚ちゃん》ってのは?どっち?』
…えっ??
僕と詩織は見合って…『はい』って…僕が胸元で小さく手を上げた。
『じゃあ、こっちの彼女が《岡本詩織ちゃん》ねぇ…あー、なるほど。二人とも聞いてたとおり可愛いね~』
…ん?聞いてたとおり??
『あの…なんで私たちのことを知っ…』
『あははは。だってさ、鈴ちゃ先輩があなた達のことを…先月かな?この前話してくれたから…ね~。鈴ちゃ先輩!』
…鈴ちゃんは一度、ゆっくりと不安気に頷いてから『ついこの前、ちょっとだけ地元の友だちのことが話題になって…事務所でみかなちゃんや他の社員さん達と話してたときに…つい…』って、少し慌てたふうに僕らに説明した。
それを聞いて、詩織が少し安堵の表情を見せた。
このとき詩織は《もしかして…Twitterや他のSNSとかでも、私たちの情報が…拡散されてる?…ちょっと気になるんだけど??》って、そっちを思ったんだとか。
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