女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -躍動編-

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《春フェス》は午前9時から始まるんだけど、特設ステージは午後10時からのスタート。

そして出演する各グルーにステージ上での有効出演時間が、準備等も含めて30分または希望により短時15分が割り当てられる。

出演グループの殆どが、一般人や学生らのバンド演奏なんだけど、なかにはプロの手品師マジシャンが参加してたり、踊りをご披露するフラダンス教室の先生とママさん生徒さん達とか…そんなグループもあるらしい。

…で、つまり僕ら《Revival us》の出演予定は8番目だった。


「それがね、タイムテーブル担当の役員さんのお話によるとね…」


4組目…午前11時30分からギター演奏出演の予定だった男子中学生3人グループが、今朝の土壇場になって《緊張に耐えられない。出演をキャンセルしたい》と願い出たという。

僕らの出演予定時刻は午後1時30分からだったから…30分早く来てほしい、ってことは…。


『うん。じゃあ会場には、余裕をもって午後1時の20分前ぐらいには着くように行くね。鈴ちゃん』

「ごめんね。詩織ちゃん」

『ううん。鈴ちゃんが悪いんじゃないもの…』

「うん」

『…謝らないで』

「ありがとう。詩織ちゃん」






『信吾!今何時!?』


鈴ちゃんとの電話を終え、急に勢いよく慌てだす詩織。


『今、もうすぐ10時』

『ごめん!もう脱出ゲームはいいから、ノートパソコンを閉じて!』

『わかった』

『私はアンナさんに電話するから。あ!あと秋良くん達とにも!』






『ノート、シャットダウンさせたよ!』

『ありがとう!じゃあ、コンロの火を着けてお味噌汁を温めて!あと冷蔵庫の中のおにぎりも、軽くでいいから電子レンジで温めて!』


今、またアンナさんに電話中だった詩織。


『あ、アンナさんごめんなさい…うん…うん…じゃあ安全運転で…うん…アンナさん早めに帰ってきてね…』


秋良さんへの連絡の電話も終えた詩織は、一目散にダイニングに飛び入ってきた。


『どう!?お味噌汁温まった!?』

『もう少し!』


詩織は食洗機の中からマグカップを2つ持ってきて、テーブルに置いてお茶を入れた。


『お味噌汁温めるの代わるから、信吾は座っておにぎり食べ始めて!お茶は入れておいたし!』

『うん』

『てか、お味噌汁もういいや!あんまり熱くないほうが飲み易いし!はいっ!』

『おわっ!!』


詩織はテーブルにお味噌汁を入れたお椀を勢いよくトンッ!と置き、『男の子でしょ!お味噌汁飲み易くしたんだから、ゴクゴク飲んで!』って…それ、正しいお味噌汁の飲み方じゃない…。


『食べ終わったら食器はそのままでいいから、洗面所でお口ん中ゆすいで!それが終わったら、もうステージ衣装に着替えて!』

























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