238 / 490
女装と復讐 -躍動編-
page.227
しおりを挟む
写真1枚目は、写真の真ん中に姿勢良く立つ…偽?金魚の姿。
撮影は正面ってよりやや右側から撮られ、顔は少し左を向いている。
柔らかそうな膝丈の白のワンピースにモード系っぽい黒のジャケットを羽織り、股部を隠すように…んなわけないか…黒っぽいバッグを両手で持ち、下げている。履いてる靴は…見切れてて写ってない。
背景からして…確かに瀬ヶ池の街のどこか。そして、やっぱり多くの女の子たちに囲まれてるのも見て分かる。
2枚目は…あっ、これは間違いなく新井早瀬駅の構内だ。
颯爽と何処かへ向かって歩いているところを左手側から、チラッとこっちを振り向いたところで撮られた…って感じ。
今度は男物かと思わせるようなモスグリーンの、長丈のトレンチコートを羽織って左手をそのポケットに突っ込み、かなりスリムな紺色ジーパンを穿いている。足元は…これ何だろう…黒色のスニーカーっぽい?
それをさり気なくクールに着こなしてる雰囲気とその格好が《凄くお洒落でカッコいい!》大人なお姉さんって感じ。
金魚も、こういう格好も《あり》じゃん。へぇー。いいなぁ。
…偽物金魚さんから新しい服装スタイルを教えられ、影響を受ける本物金魚さん…ってどうなんだこれ。
改めてもう一度、偽物金魚さんをよく確認してみる…。
顔はもちろんのこと…この、痩せ加減といい、腕や脚の細さといい、見た目から推測する身長や雰囲気といい…本当に本物の金魚と区別がつかないほどそっくりだ…。
髪は詩織みたいな赤栗色で、肩に掛かるってくらいのロング。限りなく緩やかなパーマが掛かってるって感じ。
なんか、こんなによく見てると《えぇ…これ僕、いつ撮られた写真だっけ?》って、本当の記憶さえ書き換えられ間違えそうになるほど。
…そして遂に4月の第3土曜日。ようやく待ちに待った《藤浦市スプリングフェスタ》の当日を迎えた。
今、僕と詩織は美容院…ではなくて、アンナさんのマンションにいる。そしてナオさんも来てる。ただ今の時刻は午前8時23分。今日の藤浦市の天気は良好らしい。
そういえば昨夜…秋良さん達との本番前夜の《最後のバンド練習》に、なぜか菊江さんが観に来てて…そのうえ『ちょっと!歌ってる詩織ちゃん達が気持ち良さそうじゃない!ねぇ私にも歌わせなさいよ!』って…菊江さんがオリジナルで作ったっていう《伝説のオカマ!菊江の登場よォ!》って曲を…2回も歌ってたなぁ。
でも、演奏する秋良さん達は楽しそうだったし…2回目なんか詩織までノリノリで、僕まで巻き込まれて…菊江さんと僕と詩織の3人で《伝説のオカマ!菊江の登場よォ!》を歌ってた…。
何だったんだ…最後のあれ…。
『じゃあ、私とナオは《春フェス》の会場に行って、9時からの開会式の様子、見てくるわね』
『はぁーい♪』
『わかりました』
アンナさんとナオさんが、リビングを出て玄関へと向かう。
《藤浦市スプリングフェスタ》の会場は…もう何度も言ってるから解ってると思うけど…藤浦市桜野区の嘉久見大通り、通行封鎖した西側街道。
開会式…といえば、鈴ちゃんと妹の彩乃が開会式の司会を務めるんだ、って鈴ちゃん言ってたな…。
『お留守番よろしくね』
『はぁーい♪』
『ちゃんと留守番してます』
玄関で、お二人が忙しそうにヒールっぽい靴を履いてる音が聞こえる。
『くれぐれも《春フェス》の本番当日なんだし…2人きりになったからって…』
『きゃはははは。アンナさん、それはないない♪』
『…?』
それはないない…って何が?…ないない?
…あれから約1時間が経過。僕と詩織は、詩織のノートパソコンで脱出ゲーム中。
撮影は正面ってよりやや右側から撮られ、顔は少し左を向いている。
柔らかそうな膝丈の白のワンピースにモード系っぽい黒のジャケットを羽織り、股部を隠すように…んなわけないか…黒っぽいバッグを両手で持ち、下げている。履いてる靴は…見切れてて写ってない。
背景からして…確かに瀬ヶ池の街のどこか。そして、やっぱり多くの女の子たちに囲まれてるのも見て分かる。
2枚目は…あっ、これは間違いなく新井早瀬駅の構内だ。
颯爽と何処かへ向かって歩いているところを左手側から、チラッとこっちを振り向いたところで撮られた…って感じ。
今度は男物かと思わせるようなモスグリーンの、長丈のトレンチコートを羽織って左手をそのポケットに突っ込み、かなりスリムな紺色ジーパンを穿いている。足元は…これ何だろう…黒色のスニーカーっぽい?
それをさり気なくクールに着こなしてる雰囲気とその格好が《凄くお洒落でカッコいい!》大人なお姉さんって感じ。
金魚も、こういう格好も《あり》じゃん。へぇー。いいなぁ。
…偽物金魚さんから新しい服装スタイルを教えられ、影響を受ける本物金魚さん…ってどうなんだこれ。
改めてもう一度、偽物金魚さんをよく確認してみる…。
顔はもちろんのこと…この、痩せ加減といい、腕や脚の細さといい、見た目から推測する身長や雰囲気といい…本当に本物の金魚と区別がつかないほどそっくりだ…。
髪は詩織みたいな赤栗色で、肩に掛かるってくらいのロング。限りなく緩やかなパーマが掛かってるって感じ。
なんか、こんなによく見てると《えぇ…これ僕、いつ撮られた写真だっけ?》って、本当の記憶さえ書き換えられ間違えそうになるほど。
…そして遂に4月の第3土曜日。ようやく待ちに待った《藤浦市スプリングフェスタ》の当日を迎えた。
今、僕と詩織は美容院…ではなくて、アンナさんのマンションにいる。そしてナオさんも来てる。ただ今の時刻は午前8時23分。今日の藤浦市の天気は良好らしい。
そういえば昨夜…秋良さん達との本番前夜の《最後のバンド練習》に、なぜか菊江さんが観に来てて…そのうえ『ちょっと!歌ってる詩織ちゃん達が気持ち良さそうじゃない!ねぇ私にも歌わせなさいよ!』って…菊江さんがオリジナルで作ったっていう《伝説のオカマ!菊江の登場よォ!》って曲を…2回も歌ってたなぁ。
でも、演奏する秋良さん達は楽しそうだったし…2回目なんか詩織までノリノリで、僕まで巻き込まれて…菊江さんと僕と詩織の3人で《伝説のオカマ!菊江の登場よォ!》を歌ってた…。
何だったんだ…最後のあれ…。
『じゃあ、私とナオは《春フェス》の会場に行って、9時からの開会式の様子、見てくるわね』
『はぁーい♪』
『わかりました』
アンナさんとナオさんが、リビングを出て玄関へと向かう。
《藤浦市スプリングフェスタ》の会場は…もう何度も言ってるから解ってると思うけど…藤浦市桜野区の嘉久見大通り、通行封鎖した西側街道。
開会式…といえば、鈴ちゃんと妹の彩乃が開会式の司会を務めるんだ、って鈴ちゃん言ってたな…。
『お留守番よろしくね』
『はぁーい♪』
『ちゃんと留守番してます』
玄関で、お二人が忙しそうにヒールっぽい靴を履いてる音が聞こえる。
『くれぐれも《春フェス》の本番当日なんだし…2人きりになったからって…』
『きゃはははは。アンナさん、それはないない♪』
『…?』
それはないない…って何が?…ないない?
…あれから約1時間が経過。僕と詩織は、詩織のノートパソコンで脱出ゲーム中。
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
女ハッカーのコードネームは @takashi
一宮 沙耶
大衆娯楽
男の子に、子宮と女性の生殖器を移植するとどうなるのか?
その後、かっこよく生きる女性ハッカーの物語です。
守護霊がよく喋るので、聞いてみてください。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる