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女装と復讐 -躍動編-

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啓介さんが、もう一度ベースギターを肩に下げた。
逆にわっちさんはギターを下ろして、スタジオルームに置いてあった電子オルガンへと移動した。


『あー、あー。今のはマイクのテストね』


春華さんがみんなを見る。


『秋良くん…いい?』


マイク越しに秋良さんに訊いた春華さん。秋良さんは頷いた。
そして、わっちさんの電子オルガンの伴奏から曲が始まった。




♪熱くなった銀のマトリックハート
導火線に火をつけてあげる
不思議なほどハイな気分さ
砂埃を巻き上げて行こう…♪




この曲は僕ももちろん知ってる。僕のお母さんもL'Arc~en~Cielは大好きだったから、この曲を含めて色んなL'Arc~en~Cielの曲を、お母さんが運転する車の中で、何度も聞いたことがある。

もちろん、僕だって好き。


ギターを弾く秋良さん…いつもの雰囲気がまるで感じられないくらい、凄く演奏に真剣だ…やっぱり秋良さんって、カッコいいな……!
今、僕が秋良さんをじーっと見てたのを秋良さんに気付かれて…逆に秋良さんが僕を見て可笑そうに笑った。

啓介さんは…というと、やっぱり啓介さんも凄く演奏に集中して、まるでベースギターの感触?を確かめてるみたい。僕がじーっと見てるのにも、まるで気付いてないみたい。

生演奏で歌うって、カラオケのもっと凄いバージョン…みたいなイメージ?って思ってたけど…今見て解る。全然違う。これはテンションが上がると思う…。






…曲が終わり、僕はパチパチパチパチと拍手。


『そろそろ春フェスに演奏する曲の、本番練習始めないとな』


本番練習?…わぁ。秋良さん達《藤浦市スプリングフェスタ》で演奏するんだ…なにを演奏するんだろう。僕、今から凄く楽しみなん…。


『…つうことで金魚、お前これに着替えてこい』


…ですけ…ど…えっ!?
なに?えっ?…突然、秋良さんから手渡されたボストンバッグ…。


『この貸しスタに女子更衣室もあるけどな、お前はトイレで着替えたほうがいい…だろ?都合とか色々』


トイレ?で何?…き、着替えっ!?


『できるだけ早く着替えてこいよ。鞄ん中に一応《着替えメモ》入れておいたからな』


…そう僕に言う秋良さん。


『じゃあ私は、みんなの飲み物買ってくるね』


そう春華さんは言って一旦、僕もスタジオルームを出た。


『私は休憩所で飲み物買うから右へ。金魚ちゃんはお着替え…おトイレは左ね』


…着替え…なんで?
アンナさんのお店で渡されるのならまだしも…このタイミングで?



…解らないことだらけ。

























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