女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -躍動編-

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3月第2週の土曜日…時刻は午前7時41分。今朝は空がやや曇り気味。僕は階段を上がり、ゆっくりと美容院の玄関扉を開けて入りながら挨拶。


『…おはようございます』

『おう、久しぶりだな』


その扉のすぐ横に立つ、中澤雄二さん。


『あ…お久しぶりです。雄二さん』


詩織は、いつもと変わらずロングソファーに座り、ノートパソコンを観ている。


『ほらぁ信吾!アンナさんがお待ちかねだってば!早く金魚に着替えてきなさいよ!』

『…。』


その詩織の隣には、秋良さんの彼女さん…小森春華さんが座ってる。久しぶりだ。






金魚に着替え終えた僕は…。


『金魚ちゃん、早くこっち来てッ♪』


…春華さんに手招きで呼ばれ、去年の12月のように…春華さんを挟むように右に詩織、左に金魚という配置でロングソファーに座った。

そして春華さんは『ほらぁ、もっと私にくっ付いて♪』と…また僕の腰に手を回して、ぐいっと引き寄せる…。


『あの…春華さん。最近、秋良さん見ないんですけど…また新しい衣装のデザインとかを…?』

『うぅん。最近、秋良くんはエレキギターの予行練習してるの。今日もお昼頃から…』

『えっ?ギターの予行練習!?』


秋良さんって、ギター弾けるんだ…凄いな。


『でも、練習…って?』

『毎年4月の第3土曜日と日曜日に開催される《藤浦市・スプリングフェスタ》は知ってるよね。その特設ステージでバンドライブするから』

『ライブするんですかぁ!秋良さん。それは楽しみですね!』


春華さんが、急に変な顔をする…?


『なーに他人事ひとごとみたいに言ってんのぉ?今の発言、秋良くんが聞いてたら金魚ちゃん、怒られちゃってたわよ?』

『ぇ?』


…怒られる…って?なんで?


『ってゆうか、春華さんも金魚もノートパソコン見てよぉ』

『あー…ごめんね。詩織ちゃん…』


…で、詩織が見てたサイトは…やっぱり瀬ヶ池女子たちがいつもチェックしてる情報交換サイト《★Colorful-Girlsカラフル・ガールズ★》だ。



【…ずうーっと迷ってたけど、髪を切った金魚ちゃんがちょー可愛かったから、私も髪短くしちゃったぁ…♪】



『あれほど《金魚の真似しないでね!》って私、瀬ヶ池の子たちに言ったのにね…きゃははは』



【つかさぁ、あの金魚のピアスって、どこで売ってんの?】

【ってか、金魚って本名だったらしいよね!】

【Σ(`口´)嘘ぉ!?】

【池川金魚っていうんだって!←ほんと】



…いつの間にか《池川金魚》が本名だったことになってる…。


『きゃはははは♪』

『……。』
























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