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女装と復讐 -躍動編-
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ナオさんは両手を腰に当て、細めた疑いの目で、アンナさんを見た。
『ねぇ…何かおかしくない?私と丹波彩乃ちゃんが繋がることで、何かアンナたちに不都合なことでもあるの?…それで、それは私には正直に言えないことなの…?』
アンナさんはふふっと笑った。
『そうね…ナオの言うとおり、それは私たちに不都合なのかもね』
…とは言ったけど、アンナさんはその詳細を語ることはなかった。
『んま、いいわ。別に言いたくないなら。私は今はもう、彩乃ちゃんよりも金魚ちゃんのほうに期待してるから』
ナオさんはそのあと…『ひゃあ!もうこんな時間!?…お得意様んとこに急がなきゃ!!』って…。
…慌てて帰って行かれました…。
『じゃあ…あの日の話の続きをするわね』
詩織も僕も、じっとナオさんに見入った。
『…まず、これは基本的なことだけど《G.F.》デビューを果たすためには《鵜鷹目》って称され呼ばれているスカウト視察特別スタッフに、誘われなきゃダメ…ってのは、もう解ってるわよね』
僕も詩織も、うんうんと頷く。
そういえば…誰かから聞いたんだったかなぁ…視察特別スタッフ《鵜鷹目》に遭遇するには、相当な《運》が必要だとか。
だけど、いかにも《取材スタッフ》らしく、こう…男性が一眼レフのカメラを手に持ってて、怪しいぐらいにキョロキョロしてて、女の子に声を掛けては名刺を差出してる…。
そんな《鵜鷹目》の想像イメージ。
だから実は一目で判る…というか、探し易いのかも?なんて思う…。
『ちなみにね…《鵜鷹目》ってのは、お洒落な女の子2人組だから』
…そんなのに《運》なんてさ、言うほど必要ないん…えっ?お…女の子2人組!?
『しかも毎週毎週、担当するスタッフは違うから。そこが難しいところなのよね
…』
いやいやいやいやいや…。
やっぱり《運》はめちゃくちゃ必要だ!!
だって瀬ヶ池は、右を向いても左を向いても、どっちを向いても女の子だらけだ!その中の誰が《鵜鷹目》なのか…とか、うん!探しにくい!!
『ナオさん、それで《鵜鷹目》って、結局はどういう子たちなの?』
率直な詩織の質問に、ナオさんは静かに頷いて応えた。
『《鵜鷹目》はね、街のどこかで《鵜鷹目》にスカウトされて、《G.F.》デビューして…専属モデルを務めて…専属モデルを卒業した女の子たちの《最後のお務め》なの』
…なるほど。そういうことなんだ…。
『…詩織ちゃんも金魚ちゃんも、アンナが私に「金魚を《G.F.》デビューさせてくれたら、専属モデル獲得を許してあげる」って言ったの、覚えてる?』
…うん。もちろん。
そして、それが一番知りたかったこと。
『だけど誤解しないでね。なにも私が《G.F.》デビューの女の子の、採用決定権を持ってる…なんてわけないから』
…じゃあ《デビューさせてくれたら》の意味の真実は…?
『モデル撮影のスタッフのなかに1人、若い女性がいたのは覚えてる?』
『あー。叶美さんですか?』
『うん、そう。松島叶美』
僕も女性カメラマンがいたのは見て覚えてたけど、名前まで言えるとか…さすが詩織。
『彼女ね…私より2こ歳下の、私の実妹なの』
……妹さん?
『ねぇ…何かおかしくない?私と丹波彩乃ちゃんが繋がることで、何かアンナたちに不都合なことでもあるの?…それで、それは私には正直に言えないことなの…?』
アンナさんはふふっと笑った。
『そうね…ナオの言うとおり、それは私たちに不都合なのかもね』
…とは言ったけど、アンナさんはその詳細を語ることはなかった。
『んま、いいわ。別に言いたくないなら。私は今はもう、彩乃ちゃんよりも金魚ちゃんのほうに期待してるから』
ナオさんはそのあと…『ひゃあ!もうこんな時間!?…お得意様んとこに急がなきゃ!!』って…。
…慌てて帰って行かれました…。
『じゃあ…あの日の話の続きをするわね』
詩織も僕も、じっとナオさんに見入った。
『…まず、これは基本的なことだけど《G.F.》デビューを果たすためには《鵜鷹目》って称され呼ばれているスカウト視察特別スタッフに、誘われなきゃダメ…ってのは、もう解ってるわよね』
僕も詩織も、うんうんと頷く。
そういえば…誰かから聞いたんだったかなぁ…視察特別スタッフ《鵜鷹目》に遭遇するには、相当な《運》が必要だとか。
だけど、いかにも《取材スタッフ》らしく、こう…男性が一眼レフのカメラを手に持ってて、怪しいぐらいにキョロキョロしてて、女の子に声を掛けては名刺を差出してる…。
そんな《鵜鷹目》の想像イメージ。
だから実は一目で判る…というか、探し易いのかも?なんて思う…。
『ちなみにね…《鵜鷹目》ってのは、お洒落な女の子2人組だから』
…そんなのに《運》なんてさ、言うほど必要ないん…えっ?お…女の子2人組!?
『しかも毎週毎週、担当するスタッフは違うから。そこが難しいところなのよね
…』
いやいやいやいやいや…。
やっぱり《運》はめちゃくちゃ必要だ!!
だって瀬ヶ池は、右を向いても左を向いても、どっちを向いても女の子だらけだ!その中の誰が《鵜鷹目》なのか…とか、うん!探しにくい!!
『ナオさん、それで《鵜鷹目》って、結局はどういう子たちなの?』
率直な詩織の質問に、ナオさんは静かに頷いて応えた。
『《鵜鷹目》はね、街のどこかで《鵜鷹目》にスカウトされて、《G.F.》デビューして…専属モデルを務めて…専属モデルを卒業した女の子たちの《最後のお務め》なの』
…なるほど。そういうことなんだ…。
『…詩織ちゃんも金魚ちゃんも、アンナが私に「金魚を《G.F.》デビューさせてくれたら、専属モデル獲得を許してあげる」って言ったの、覚えてる?』
…うん。もちろん。
そして、それが一番知りたかったこと。
『だけど誤解しないでね。なにも私が《G.F.》デビューの女の子の、採用決定権を持ってる…なんてわけないから』
…じゃあ《デビューさせてくれたら》の意味の真実は…?
『モデル撮影のスタッフのなかに1人、若い女性がいたのは覚えてる?』
『あー。叶美さんですか?』
『うん、そう。松島叶美』
僕も女性カメラマンがいたのは見て覚えてたけど、名前まで言えるとか…さすが詩織。
『彼女ね…私より2こ歳下の、私の実妹なの』
……妹さん?
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