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女装と復讐 -躍動編-
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少し時間を戻して…。
…新井早瀬駅の駅前通りで、僕が瀬ヶ池の女の子たちに、このショートヘアと金魚のピアスを自慢気に見せびらかしたあと…僕らは早瀬ヶ池の街の一角にある、小さなお洒落ケーキカフェ屋さんで、テイクアウトでチーズケーキやらフルーツタルトやショートケーキやらティラミスやら…詩織にお任せしてケーキ8個も買い込んだんだ。
『ねぇ金魚ぉ、今11時43分なんだけど…お昼どうしよう…』
ナオさんのお店に早く行かなきゃ…けど、もうすぐランチの時間だし…。そう迷ってる詩織に僕から提案。
『じゃあ、いつお店にお邪魔したら迷惑じゃないのか、とりあえず…ナオさんに電話で訊いてみる?』
『あー。なるほどね』
詩織が自分のiPhoneで、ナオさんのお店に電話する…その直前に。
『詩織、僕のスマホで電話する?通話料金…』
『ううん。いいよ。お気遣いありがとね。金魚』
『…あ、はい。わかりました。ナオさんがお店に戻ってくるのは午後1時半ごろ何ですね…』
…どうやら今すぐに、ナオさんのお店に行っても不在だったらしい。
電話を終え、詩織はiPhoneをバッグにしまった。
じゃあ一旦瀬ヶ池に戻って、美味っしいイタリアンパスタ屋さんで、ゆっくりとランチしましょう!…ってのは詩織の提案。
…僕は左手首内側に着けた、カルティエの腕時計を覗き込んだ…午後1時48分。
さっきのイタリアンパスタ屋さん…ほんとに美味しかったな。
目の前にはナオさんの化粧品店…外壁が乳白色の美しい大理石…3階建ての立派な建物がある。
アーチ型の玄関…壁面に並ぶ窓の上には、半円形の小窓…まるで本物のフランス・パリの建物みたいな、凄く落ち着いた雰囲気のお店。
そのアーチ型の玄関の硝子扉を両手で引いて開け、店内にはいる詩織…それに続いて僕も。
『ナオさーん、こんにちはー』
『いらっしゃい。2人とも。待ってたわ』
今日、ナオさんのお店に来た理由…それは…。
ほぼひと月ほど前になる1月第3週土曜日。あの《詩織と初めて口喧嘩した日》。
…ナオさんに迎えに来てもらい、このお店で詩織のメイクの手直しと、僕の羽織っていたコートに付着したメイクの汚れ落としを、丁寧に丁寧にしてくれたんだった…。
そのお礼をしに、今日はケーキを買って来たんだ。
僕は手に下げた、ケーキの入った白い紙箱をナオさんに渡す。すらと僕らは、来客用のお洒落なテーブル席へと案内された。
『ちょっと待っててね。今、紅茶を持ってくるから…』
いったん席を離れ、お店の奥へと消えたナオさん。
戻ってくるまでのあいだ、時間を持て余していた僕は、改めて店内を見回してみる…。
…新井早瀬駅の駅前通りで、僕が瀬ヶ池の女の子たちに、このショートヘアと金魚のピアスを自慢気に見せびらかしたあと…僕らは早瀬ヶ池の街の一角にある、小さなお洒落ケーキカフェ屋さんで、テイクアウトでチーズケーキやらフルーツタルトやショートケーキやらティラミスやら…詩織にお任せしてケーキ8個も買い込んだんだ。
『ねぇ金魚ぉ、今11時43分なんだけど…お昼どうしよう…』
ナオさんのお店に早く行かなきゃ…けど、もうすぐランチの時間だし…。そう迷ってる詩織に僕から提案。
『じゃあ、いつお店にお邪魔したら迷惑じゃないのか、とりあえず…ナオさんに電話で訊いてみる?』
『あー。なるほどね』
詩織が自分のiPhoneで、ナオさんのお店に電話する…その直前に。
『詩織、僕のスマホで電話する?通話料金…』
『ううん。いいよ。お気遣いありがとね。金魚』
『…あ、はい。わかりました。ナオさんがお店に戻ってくるのは午後1時半ごろ何ですね…』
…どうやら今すぐに、ナオさんのお店に行っても不在だったらしい。
電話を終え、詩織はiPhoneをバッグにしまった。
じゃあ一旦瀬ヶ池に戻って、美味っしいイタリアンパスタ屋さんで、ゆっくりとランチしましょう!…ってのは詩織の提案。
…僕は左手首内側に着けた、カルティエの腕時計を覗き込んだ…午後1時48分。
さっきのイタリアンパスタ屋さん…ほんとに美味しかったな。
目の前にはナオさんの化粧品店…外壁が乳白色の美しい大理石…3階建ての立派な建物がある。
アーチ型の玄関…壁面に並ぶ窓の上には、半円形の小窓…まるで本物のフランス・パリの建物みたいな、凄く落ち着いた雰囲気のお店。
そのアーチ型の玄関の硝子扉を両手で引いて開け、店内にはいる詩織…それに続いて僕も。
『ナオさーん、こんにちはー』
『いらっしゃい。2人とも。待ってたわ』
今日、ナオさんのお店に来た理由…それは…。
ほぼひと月ほど前になる1月第3週土曜日。あの《詩織と初めて口喧嘩した日》。
…ナオさんに迎えに来てもらい、このお店で詩織のメイクの手直しと、僕の羽織っていたコートに付着したメイクの汚れ落としを、丁寧に丁寧にしてくれたんだった…。
そのお礼をしに、今日はケーキを買って来たんだ。
僕は手に下げた、ケーキの入った白い紙箱をナオさんに渡す。すらと僕らは、来客用のお洒落なテーブル席へと案内された。
『ちょっと待っててね。今、紅茶を持ってくるから…』
いったん席を離れ、お店の奥へと消えたナオさん。
戻ってくるまでのあいだ、時間を持て余していた僕は、改めて店内を見回してみる…。
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