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女装と復讐 -躍動編-
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バレンタインチョコの買い物を済ませ、僕ら4人は16階にある、あのカフェスイーツ店《フィユタージュ》で休憩中。
『…あのさ、詩織ちゃん』
『えっ?なに?』
泉美ちゃんの友達の真穂ちゃんが、ブルーベリーケーキを食べていた詩織に質問。
『さっき、抹茶のチョコ買わなかった?』
『うん。買ったよ』
『あれって…パパへのチョコ?』
『ううん。お父さんにはお酒の入ったオトナなチョコよ。抹茶チョコは…信吾くんってお友達の…』
『バレンタインチョコなのに抹茶味ってさ…なんか渋いなぁって思ったのよねー。変なこと訊いちゃってごめんね』
……渋いって…。
フルーツチョコのお店のなかで…なぜか隅っこに置いてあった抹茶味のチョコを発見。
『僕、詩織がくれるチョコ、これがいい』って詩織に言ったら『…えっ?ここ…フルーツチョコ屋さんだって解ってるよね?…なのに、それ選んじゃうわけ!?』って…困惑した表情で言われた…。
確かに渋いかもだけど…ほんとに美味しいんだよ?抹茶チョコ…?
それより…僕は…ほんとはチョコなんて買うつもりはなかったんだ…。
けど、泉美ちゃんと真穂ちゃんが…怪しむような目で僕を見て『…金魚ちゃん…チョコ買わないの…?』って言うもんだから…つい『あー、忘れてたぁ…』なんて誤魔化して…チョコ5個も買ってしまった。どうしよう…。
バレンタインチョコなんて…しかも女装して…買ったとか、生まれて初めて…あぁ。
午後6時17分。僕はアンナさんの美容院でクレンジングと着替えを済ませ、帰るためにお店を出た。空はもう真っ暗だ。
あ、そうそう。あの羽根のシルクハットは、ちゃんと返してもらったから大丈夫。
今から地下鉄に乗り、新井早瀬駅へ移動。あの美味しいラーメン屋で、ラーメンを食べてからアパートに帰るのが習慣。
改札口を通り、新井早瀬駅構内の西口へと向かう。いつ見てもこの駅構内は凄い混みようだ。気をつけてないと、向かって来る人とすれ違いざまに肩がぶつかりそうだ。
見えてきた…駅西口。そうだ…今日はラーメン、なに食べよ…あっ!!
『すみません!ついぼーっとしてて…』
…遂に誰かとぶつかってしまっ……えっ!?
僕の左腕を、男性の右手がしっかりと掴んでいる…!?
『顔にファンデーション、残ってるよ…』
『!!!!』
うそっ!?僕は反射的に、自分の頬に触れてしまった。
『…ってのは嘘だけどね』
『えぇっ!?』
なんで?…まさかバレた!?
僕はその男性を見上げた…若っ!
『…あのさ、詩織ちゃん』
『えっ?なに?』
泉美ちゃんの友達の真穂ちゃんが、ブルーベリーケーキを食べていた詩織に質問。
『さっき、抹茶のチョコ買わなかった?』
『うん。買ったよ』
『あれって…パパへのチョコ?』
『ううん。お父さんにはお酒の入ったオトナなチョコよ。抹茶チョコは…信吾くんってお友達の…』
『バレンタインチョコなのに抹茶味ってさ…なんか渋いなぁって思ったのよねー。変なこと訊いちゃってごめんね』
……渋いって…。
フルーツチョコのお店のなかで…なぜか隅っこに置いてあった抹茶味のチョコを発見。
『僕、詩織がくれるチョコ、これがいい』って詩織に言ったら『…えっ?ここ…フルーツチョコ屋さんだって解ってるよね?…なのに、それ選んじゃうわけ!?』って…困惑した表情で言われた…。
確かに渋いかもだけど…ほんとに美味しいんだよ?抹茶チョコ…?
それより…僕は…ほんとはチョコなんて買うつもりはなかったんだ…。
けど、泉美ちゃんと真穂ちゃんが…怪しむような目で僕を見て『…金魚ちゃん…チョコ買わないの…?』って言うもんだから…つい『あー、忘れてたぁ…』なんて誤魔化して…チョコ5個も買ってしまった。どうしよう…。
バレンタインチョコなんて…しかも女装して…買ったとか、生まれて初めて…あぁ。
午後6時17分。僕はアンナさんの美容院でクレンジングと着替えを済ませ、帰るためにお店を出た。空はもう真っ暗だ。
あ、そうそう。あの羽根のシルクハットは、ちゃんと返してもらったから大丈夫。
今から地下鉄に乗り、新井早瀬駅へ移動。あの美味しいラーメン屋で、ラーメンを食べてからアパートに帰るのが習慣。
改札口を通り、新井早瀬駅構内の西口へと向かう。いつ見てもこの駅構内は凄い混みようだ。気をつけてないと、向かって来る人とすれ違いざまに肩がぶつかりそうだ。
見えてきた…駅西口。そうだ…今日はラーメン、なに食べよ…あっ!!
『すみません!ついぼーっとしてて…』
…遂に誰かとぶつかってしまっ……えっ!?
僕の左腕を、男性の右手がしっかりと掴んでいる…!?
『顔にファンデーション、残ってるよ…』
『!!!!』
うそっ!?僕は反射的に、自分の頬に触れてしまった。
『…ってのは嘘だけどね』
『えぇっ!?』
なんで?…まさかバレた!?
僕はその男性を見上げた…若っ!
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