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女装と復讐 -躍動編-
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『…そんな凄い《おばタク》なのに、私たちなんかが乗っても良かったの?…大丈夫なの?』
僕もだけど、詩織だってそう心配してる。
そろそろ新井早瀬駅も近くなってきた。あの先に見える次の交差点を左に曲がれば、もう駅前の大通……えっ!?
『そんな心配はいいのよ。菊ちゃんからのご紹介だったし、それに私の方から《請けさせて》って、反対にお願いしたんだもの』
『……あの…』
『え?』
一瞬…車内の会話が途切れて静まった。
『…瀬ヶ池の大通りの交差点…もう過ぎちゃったんだけど…』
『えぇっ!?』
詩織はびっくりしてる。けど岡ちゃんは落ち着いてる。
『うん。いいのよ。私はあなた達を直接、ハイカラ通りまで送っていくつもりだったから』
さっきの交差点から幾つ目だろうか…。
《おばタク》は、とある交差点をやっと左折した。
更に、今見えるあの交差点から向こう…あの繁華街ゲートを潜れば《ハイカラ通り》だ。
…ゲートを潜った《おばタク》は、すぐに適当な場所を見付け、路肩に寄せて停車。ハイカラ通りの入り口…既に目の前は女の子だらけ。
『岡ちゃん、料金は今いくら払えばいいの?』
詩織がそう訊く。
『この車は、外観はタクシーに偽装してるけど、さっき言ったとおり私は《ハイヤー》なんだから、利用料金は後払いでいいのよ』
『あ、そうなんだぁ。じゃあ…岡ちゃん、どうもありがとう』
そう言って、詩織はドアのオープナーに手を掛け、開けようとした。
『待って!詩織ちゃん!』
『!?』
詩織が驚き余って、慌てて手を離し、引っ込める。
『降りる前に…私の電話番号を登録しておいてもらえる?』
『あー。はーい』
…考えればそうだ。帰りも岡ちゃんに迎えに来てもらわなければならないんだから。
岡ちゃんは自分のスマホを上着の内ポケットから出し、詩織もiPhoneをバッグから取り出した。
『じゃあ…詩織ちゃん、いい?』
『はい。準備OK』
『えぇと…090の…』
『…詩織ちゃん、番号の間違いはない?』
『と思うけど…じゃあ岡ちゃん、再確認のために、もう一回番号言ってみて』
『うん。090…』
…長くなりそうだ。そう思いながら窓から外をチラリと見た。
まだ疎らだけど、少しずつ…女の子たちが足を止め、集まりはじめてる…。
《集まる》というより、クルマの周りをぐるりと《囲まれてる》って感じ…。
僕もだけど、詩織だってそう心配してる。
そろそろ新井早瀬駅も近くなってきた。あの先に見える次の交差点を左に曲がれば、もう駅前の大通……えっ!?
『そんな心配はいいのよ。菊ちゃんからのご紹介だったし、それに私の方から《請けさせて》って、反対にお願いしたんだもの』
『……あの…』
『え?』
一瞬…車内の会話が途切れて静まった。
『…瀬ヶ池の大通りの交差点…もう過ぎちゃったんだけど…』
『えぇっ!?』
詩織はびっくりしてる。けど岡ちゃんは落ち着いてる。
『うん。いいのよ。私はあなた達を直接、ハイカラ通りまで送っていくつもりだったから』
さっきの交差点から幾つ目だろうか…。
《おばタク》は、とある交差点をやっと左折した。
更に、今見えるあの交差点から向こう…あの繁華街ゲートを潜れば《ハイカラ通り》だ。
…ゲートを潜った《おばタク》は、すぐに適当な場所を見付け、路肩に寄せて停車。ハイカラ通りの入り口…既に目の前は女の子だらけ。
『岡ちゃん、料金は今いくら払えばいいの?』
詩織がそう訊く。
『この車は、外観はタクシーに偽装してるけど、さっき言ったとおり私は《ハイヤー》なんだから、利用料金は後払いでいいのよ』
『あ、そうなんだぁ。じゃあ…岡ちゃん、どうもありがとう』
そう言って、詩織はドアのオープナーに手を掛け、開けようとした。
『待って!詩織ちゃん!』
『!?』
詩織が驚き余って、慌てて手を離し、引っ込める。
『降りる前に…私の電話番号を登録しておいてもらえる?』
『あー。はーい』
…考えればそうだ。帰りも岡ちゃんに迎えに来てもらわなければならないんだから。
岡ちゃんは自分のスマホを上着の内ポケットから出し、詩織もiPhoneをバッグから取り出した。
『じゃあ…詩織ちゃん、いい?』
『はい。準備OK』
『えぇと…090の…』
『…詩織ちゃん、番号の間違いはない?』
『と思うけど…じゃあ岡ちゃん、再確認のために、もう一回番号言ってみて』
『うん。090…』
…長くなりそうだ。そう思いながら窓から外をチラリと見た。
まだ疎らだけど、少しずつ…女の子たちが足を止め、集まりはじめてる…。
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