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女装と復讐 -躍動編-
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タイミングが良かったというのか…美容院の玄関扉がゆっくりと静かに開いた。
『アンナさん、おはよーう。あー!菊江さーん!』
『あら、おはよう詩織ちゃん。明けましておめでとうよ!』
詩織はぴょんぴょん跳んで、対して落ち着いてる菊江さんと抱きしめ合った。
『菊江さーん。明けましておめでとうございまーす…♪』
そして…詩織も同じく、《おばタク》の岡本久子さんを発見して、分かり易く露骨にびっくりしてる。
菊江さんは詩織を一旦解放して離した。
『はじめまして。《おばタク》の運転手の岡本久子、67歳のAB型です』
『あ…こちらこそ、今日からお世話になります。岡本詩織、19歳のA型です』
ガァァーン!!
詩織も年齢と血液型を言っちゃった…。言ってないの僕だけじゃん…。
19歳のO型…あぁ。
『あら?お嬢さんも岡本!?』
『はい。一緒ですね。私も岡本です』
お嬢さん、お宅はどの辺り?岡本謙次郎って知ってる?じゃあ岡本長治右衛門は?…なんて、もしかしたら遠い親戚かも?って探り合ってるみたいだけど…苗字が同じだからといって、そんな偶然は世の中そんなに無い。
『岡ちゃん、今日からこの子たちを宜しく頼むわね!』
『任せておいて。大丈夫よー。菊ちゃん』
『この子たちは、私の大事な子どもたちなんだから!』
『はい。分かりましたよ』
菊江のおっさん…見た目は、お世辞抜きでは綺麗だとはとても言えないオカマの普通のおっさんだけど…気心は本当に優しい良い人なんだ。いつもいつも感謝。
『じゃあ、そろそろ時間だし…岡本さん、今日から私に代わって2人の送迎をお願いします』
『分かりました。じゃあ可愛いお嬢さんたち、行きましょうか?』
『はーい♪』
『はい』
僕は玄関扉に手を掛け、ゆっくりと開けた…。
『菊江さん…』
『なによ?詩織ちゃん』
『?』
僕はその詩織の声に、少し気になって振り向くと…詩織と菊江のおっさんはもう一度抱きしめ合っていた。
『いつもありがとう…菊江さん。私もアンナさんもまたこうして、菊江さんに助けられたことに感謝しなきゃ…』
『お止めなさい!私は可愛い娘のために、当然のことをしただけよ!詩織ちゃんは私にとって…』
『菊江さんは私の《2人目のパパ》だもんね…』
『止めて!私は詩織ちゃんの《2人目の高性能ママパパ》よ!オカマなんだから!』
『えっ?高性能…ママパパ?きゃははは♪』
久しぶりに再会した詩織と菊江のおっさん。
菊江のおっさんは、若い頃から少し体が弱いらしくて、去年末も春華さんの務める病院に1週間入院してた…って、詩織も僕もアンナさんから聞いてたから。だから詩織は本当に心配してたんだと思う…。
『優しい菊江さんのこと…私大っ好き』
『詩織ちゃんの優しさは私が1番よく知ってるから。だからそんなこと100年も前から知ってたわよ!』
『…うん。えっ?100年?きゃははは』
菊江さんは優しく詩織の後ろ髪を撫でてあげた。そして、再びそっと詩織を解放して離した。
『さぁ行ってらっしゃい!私の可愛い大事な詩織ちゃんたち!』
『うん。行ってくるね』
詩織は、玄関で待っていた僕に『待っててくれてありがとう。行こう金魚』と言って、玄関を出た…。
階段を下りて、駐車場に向か……はっ?なにこの…白い高級タクシーは!?
『あははは。驚いたでしょ。レクサスのLS500っていう車よー。今まで14年間乗ってた愛車のクラウンから、3年落ちの中古車だけど、思い切って元旦明けにね…583万円で買い替えたのよ』
ごぉ…583万円!!
『ハイブリッドカーよ。排気量なんて3.5リッターもあるんだから』
67歳にしてこの元気さ…凄い!
…って、僕は驚いてるのに…詩織は…。
『わぁーい。高級車に乗れるなんて、もうワクワクドキドキだね♪…ねぇ!金魚』
『……。』
もう長くタクシードライバーをやってるって聞いたから…車に関しては詳しいんだろうけど…。
菊江のおっさんには『大丈夫よー』なんて軽く言ってたけど…実はハンドルを握ると、性格が変わってスピード狂…だったりしないだろうか…少し不安。
前に…そんな外国の映画あったし…。
『じゃあお嬢さんたち、さぁさぁご遠慮なく乗って』
『はーい♪』
『は…はい…』
『アンナさん、おはよーう。あー!菊江さーん!』
『あら、おはよう詩織ちゃん。明けましておめでとうよ!』
詩織はぴょんぴょん跳んで、対して落ち着いてる菊江さんと抱きしめ合った。
『菊江さーん。明けましておめでとうございまーす…♪』
そして…詩織も同じく、《おばタク》の岡本久子さんを発見して、分かり易く露骨にびっくりしてる。
菊江さんは詩織を一旦解放して離した。
『はじめまして。《おばタク》の運転手の岡本久子、67歳のAB型です』
『あ…こちらこそ、今日からお世話になります。岡本詩織、19歳のA型です』
ガァァーン!!
詩織も年齢と血液型を言っちゃった…。言ってないの僕だけじゃん…。
19歳のO型…あぁ。
『あら?お嬢さんも岡本!?』
『はい。一緒ですね。私も岡本です』
お嬢さん、お宅はどの辺り?岡本謙次郎って知ってる?じゃあ岡本長治右衛門は?…なんて、もしかしたら遠い親戚かも?って探り合ってるみたいだけど…苗字が同じだからといって、そんな偶然は世の中そんなに無い。
『岡ちゃん、今日からこの子たちを宜しく頼むわね!』
『任せておいて。大丈夫よー。菊ちゃん』
『この子たちは、私の大事な子どもたちなんだから!』
『はい。分かりましたよ』
菊江のおっさん…見た目は、お世辞抜きでは綺麗だとはとても言えないオカマの普通のおっさんだけど…気心は本当に優しい良い人なんだ。いつもいつも感謝。
『じゃあ、そろそろ時間だし…岡本さん、今日から私に代わって2人の送迎をお願いします』
『分かりました。じゃあ可愛いお嬢さんたち、行きましょうか?』
『はーい♪』
『はい』
僕は玄関扉に手を掛け、ゆっくりと開けた…。
『菊江さん…』
『なによ?詩織ちゃん』
『?』
僕はその詩織の声に、少し気になって振り向くと…詩織と菊江のおっさんはもう一度抱きしめ合っていた。
『いつもありがとう…菊江さん。私もアンナさんもまたこうして、菊江さんに助けられたことに感謝しなきゃ…』
『お止めなさい!私は可愛い娘のために、当然のことをしただけよ!詩織ちゃんは私にとって…』
『菊江さんは私の《2人目のパパ》だもんね…』
『止めて!私は詩織ちゃんの《2人目の高性能ママパパ》よ!オカマなんだから!』
『えっ?高性能…ママパパ?きゃははは♪』
久しぶりに再会した詩織と菊江のおっさん。
菊江のおっさんは、若い頃から少し体が弱いらしくて、去年末も春華さんの務める病院に1週間入院してた…って、詩織も僕もアンナさんから聞いてたから。だから詩織は本当に心配してたんだと思う…。
『優しい菊江さんのこと…私大っ好き』
『詩織ちゃんの優しさは私が1番よく知ってるから。だからそんなこと100年も前から知ってたわよ!』
『…うん。えっ?100年?きゃははは』
菊江さんは優しく詩織の後ろ髪を撫でてあげた。そして、再びそっと詩織を解放して離した。
『さぁ行ってらっしゃい!私の可愛い大事な詩織ちゃんたち!』
『うん。行ってくるね』
詩織は、玄関で待っていた僕に『待っててくれてありがとう。行こう金魚』と言って、玄関を出た…。
階段を下りて、駐車場に向か……はっ?なにこの…白い高級タクシーは!?
『あははは。驚いたでしょ。レクサスのLS500っていう車よー。今まで14年間乗ってた愛車のクラウンから、3年落ちの中古車だけど、思い切って元旦明けにね…583万円で買い替えたのよ』
ごぉ…583万円!!
『ハイブリッドカーよ。排気量なんて3.5リッターもあるんだから』
67歳にしてこの元気さ…凄い!
…って、僕は驚いてるのに…詩織は…。
『わぁーい。高級車に乗れるなんて、もうワクワクドキドキだね♪…ねぇ!金魚』
『……。』
もう長くタクシードライバーをやってるって聞いたから…車に関しては詳しいんだろうけど…。
菊江のおっさんには『大丈夫よー』なんて軽く言ってたけど…実はハンドルを握ると、性格が変わってスピード狂…だったりしないだろうか…少し不安。
前に…そんな外国の映画あったし…。
『じゃあお嬢さんたち、さぁさぁご遠慮なく乗って』
『はーい♪』
『は…はい…』
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