141 / 490
女装と復讐 -躍動編-
page.130
しおりを挟む
アンナさんたち4人は、赤い鳥居の下で僕らを待ってくれていた。
『す、すみません…お待たせしました…』
僕がそうみんなに謝ると、みんな笑って許してくれた。
『じゃあ、全員揃ったところで…まずは手水舎で手と口を漱ぎ清めましょう』
…手水舎で清めをすませて、やっと全員で拝殿での参拝。
みんな、それぞれが五円玉を3つ(十分ご縁)を投げ入れ、アンナさんが代表して吊るされた鈴をガランガランと鳴らして《二礼二拍手一礼》で願い事をする…。
僕の願いはもちろん《復讐成就》。他人が聞いたら物騒なお願い事みたいに聞こえるだろうけど…。
今年の詩織のお願い事は…って、アンナさんがアンナさんが言ってたには…。
でも、まさか…。だって、ちゃんと詩織には歳上の…。
「…今年こそ…素敵な彼氏と運命的に出逢えますように…本当に本当に…神さまお願いしまーす…」
…そうそう。アンナさんは、詩織は素敵な彼が欲しいって、神さまにお願いす……えぇぇっ!!?
詩織…自分のお願い事を自分の口で、微かに言っちゃってるの…気付いてない!!
本当に詩織の切実なお願い事なんだ…ってのは分かったけど!それ、みんなに聞こえてるから!!
秋良さんが小刻みに肩を振るわせて、クスクスと笑ってるのを見て…僕は詩織がそれに気付かないかとハラハラドキドキした…。
ちなみに、そのあとに引いたお神籤は…僕は《半吉》で、詩織は《大吉》…いいな。
半吉…名前からして微妙…。
『ねぇ金魚。お参りすると学業に良いってご拝殿、向こうにあるんだって!私たちまだ学生なんだし、あっちも参拝しようよ』
《んじゃ、俺らは別に学生じゃねーから》という秋良さんの提案で、アンナさんたちは神社の入り口前にあった《お団子茶屋》で休憩…そこで僕らを待つこととなった。
…で、学業拝殿の参拝もひと通り済み…!?
僕はなんだか違和感ある気配を感じて、急にビクッ!と振り向いた。
『えっ?…なに?どうしたの!?金魚』
少し離れた境内の向こうには…男子3人、女子2人の中学生らしきグループがいた。そして僕が振り向いたことで、男子の1人が慌てて上着の左ポケットに何かを隠したのを僕は見た!?…たぶん。
『ちょっと!そこの君たち!』
『えっ!?何がどうしたっての!?』
僕を見る詩織に答えず、拝殿の石造りの階段を急いで下りる…って、気が焦るだけで…下りる足はおぼつかないんですけど…。
『…君たち!…う、動かないでよ!!…ちょっと待ってなさいね…』
中学生グループは、少し引きつった表情で僕を注視している。そんな状況で、僕が慌てて階段を踏み外し、地べたにべちゃっと転倒したんじゃ…痛々しくて、笑える冗談にもならない…。
そして…ようやく中学生グループのところへ辿り着いた。
『ねぇ、そこの男子!今何か隠したでしょ!…スマホ』
確信はない…けど、そう見えたんだ。ポケットに隠したのは…スマホ?
それは僕の、自信のない直感…。
『上着の左ポケットに隠すの、私ちゃんと見てたんだから!』
『す、すみません…お待たせしました…』
僕がそうみんなに謝ると、みんな笑って許してくれた。
『じゃあ、全員揃ったところで…まずは手水舎で手と口を漱ぎ清めましょう』
…手水舎で清めをすませて、やっと全員で拝殿での参拝。
みんな、それぞれが五円玉を3つ(十分ご縁)を投げ入れ、アンナさんが代表して吊るされた鈴をガランガランと鳴らして《二礼二拍手一礼》で願い事をする…。
僕の願いはもちろん《復讐成就》。他人が聞いたら物騒なお願い事みたいに聞こえるだろうけど…。
今年の詩織のお願い事は…って、アンナさんがアンナさんが言ってたには…。
でも、まさか…。だって、ちゃんと詩織には歳上の…。
「…今年こそ…素敵な彼氏と運命的に出逢えますように…本当に本当に…神さまお願いしまーす…」
…そうそう。アンナさんは、詩織は素敵な彼が欲しいって、神さまにお願いす……えぇぇっ!!?
詩織…自分のお願い事を自分の口で、微かに言っちゃってるの…気付いてない!!
本当に詩織の切実なお願い事なんだ…ってのは分かったけど!それ、みんなに聞こえてるから!!
秋良さんが小刻みに肩を振るわせて、クスクスと笑ってるのを見て…僕は詩織がそれに気付かないかとハラハラドキドキした…。
ちなみに、そのあとに引いたお神籤は…僕は《半吉》で、詩織は《大吉》…いいな。
半吉…名前からして微妙…。
『ねぇ金魚。お参りすると学業に良いってご拝殿、向こうにあるんだって!私たちまだ学生なんだし、あっちも参拝しようよ』
《んじゃ、俺らは別に学生じゃねーから》という秋良さんの提案で、アンナさんたちは神社の入り口前にあった《お団子茶屋》で休憩…そこで僕らを待つこととなった。
…で、学業拝殿の参拝もひと通り済み…!?
僕はなんだか違和感ある気配を感じて、急にビクッ!と振り向いた。
『えっ?…なに?どうしたの!?金魚』
少し離れた境内の向こうには…男子3人、女子2人の中学生らしきグループがいた。そして僕が振り向いたことで、男子の1人が慌てて上着の左ポケットに何かを隠したのを僕は見た!?…たぶん。
『ちょっと!そこの君たち!』
『えっ!?何がどうしたっての!?』
僕を見る詩織に答えず、拝殿の石造りの階段を急いで下りる…って、気が焦るだけで…下りる足はおぼつかないんですけど…。
『…君たち!…う、動かないでよ!!…ちょっと待ってなさいね…』
中学生グループは、少し引きつった表情で僕を注視している。そんな状況で、僕が慌てて階段を踏み外し、地べたにべちゃっと転倒したんじゃ…痛々しくて、笑える冗談にもならない…。
そして…ようやく中学生グループのところへ辿り着いた。
『ねぇ、そこの男子!今何か隠したでしょ!…スマホ』
確信はない…けど、そう見えたんだ。ポケットに隠したのは…スマホ?
それは僕の、自信のない直感…。
『上着の左ポケットに隠すの、私ちゃんと見てたんだから!』
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる