女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

文字の大きさ
上 下
135 / 490
女装と復讐 -躍動編-

page.124

しおりを挟む
2人の声にびっくりして、僕も慌ててドアを閉めた。
ほんの一瞬、ドアの隙間から…詩織の白くて綺麗な素肌の、首筋から肩の辺りが…白色の肩紐が…肩に垂れた長い髪が…ちょっとだけ見えてしまった…。ごめん。詩織…。


「信吾くん?どうかしたの?」


ドアの向こうから…アンナさんの声だ。


『いえ…ただ、朝の挨拶を…と…』

「…挨拶?ごめんね信吾くん。詩織の振袖の着付け、今始めたばっかりだったから…」

『あ!…こちらこそ。すみません…』


もし今ドアを開けてたら完全に見…かもしれない。危ない危ない。
あとで詩織にグーで殺されかけるところだった…。


「ねぇ、私たちもう先にシャワー浴びたんだけど、信吾くんも振袖着る前に、シャワー浴びてきたら?」

『シャワーですか?あ、はい』


ボディーソープは白のポンプ…シャンプーは青紫、コンディショナーは…って、僕は使わないけど赤紫…新しい青色の歯ブラシ…バスタオルは緑色のを使って…。

アンナさんから一通りの説明を聞いて浴室へ。


僕は大抵いつも、10分もあればシャワータイムは終了。髪と体をささっと洗って、ついでに浴室内で歯磨き。老廃物の溜まり易いピアス穴も丁寧に優しく洗い流して…さっと浴室から出て着替える。






『アンナさーん、シャワーありがとうございました』

「もう出たの?早いわね」


…まだ詩織の振袖の着付けは終わってないらしい…って当然か。15分程しか経ってないんだから。


「…じゃ、テレビでも見てゆっくりしてて」

『あ、はい』






…今見てるテレビの番組内では、お正月特番らしくお笑い芸人が次々と登場し、漫才やコントをやっている。
あ!そういえば…あとで押木町のお父さんとお母さんに、ちゃんと忘れず年明けの《あけおめ電話》しとかないと…。


《ピンポーン♪》


えっ?…もう秋良さんたち来た!?だってまだ8時20分頃なんだけど。


《ピンポーン♪》


玄関のドアチャイムがまた鳴った。僕は立ち上がって寝室のドアへと急ぐ。


『アンナさん、秋良さんたち、もう来たみたいなんですけど…』

「えっ?もう?…ちょっと私、手が離せないから、信吾くん代わりに玄関出てくれる?」

『あ、分かりました』


…ってことで僕は玄関へと急いで…玄関扉のロックを解除し、ゆっくりと開けた。


『アンナおはよっ!明けましておめでー…………えっ?』


えっ!?…なのは僕も同じだ。ドアチャイムを押していたのは、秋良さんたちではなかった。

明るい栗色の、緩やかにカールした長い髪…目がパッチリ、綺麗な整った顔…細くて背が高くて、スタイルも綺麗。


『あの…私、お家間違えたかしら…?』


その綺麗な女の人は、一旦玄関を出て再確認…。


『あ…いえ!ここ、間違いなく篠崎杏菜さんの家です!』





















しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

笑わない妻を娶りました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:313

いじめ物語 美花学園

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

悪役令嬢に腐女子が転生した結果

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:861

古の物語

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

一般人がゆく!一年間のまったりVtuberスローライフ。

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

処理中です...