女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

文字の大きさ
上 下
128 / 490
女装と復讐 -発起編-

page.117

しおりを挟む
ステージを降りようと、階段へと向かう彩乃に司会から一言。


『あの、丹波彩乃さーん。もう女の子の紹介は全員終わりましたので、ステージを降りないでくださーい…』

『…えぇっ!?』


慌てて足を止める彩乃。







『…それでは改めまして…ノミネートされた25名の女の子たち全員に、もう一度ステージに登場してもらいましょう!』


ステージに横一列になって並ぶ、25人の女の子たち。

僕の顔を心配そうに見ている詩織。僕はこれ以上詩織に心配掛けまいと、体が小さく震えていることを隠しながら…余裕有り気におどけた質問をしてみた。


『観客…こんなにいっぱい居るんだけど…これ、どうやって投票するの?』


今から投票…開票…集結からの発表って、それに何時間も掛けてはいられないはず。


『えっ?それは、自分のスマホで…』


…スマホで!?


『…えー。それでは、投票方法の再確認をしまーす。観客の皆さんは、今座っているベンチの脚に巻かれたビニールテープの色を見てください…』


…ビニールテープ?一応確認してみると…黄色だ。
ステージ上に2人の女性スタッフが、大きなホワイトボードのような掲示板を運んできた。


『それでは観客の皆さん。スマートフォンはお持ちですよね?…黒いテープの巻かれたベンチに座っている方は、このボードの一番上のURLにアクセスを…黄色の方は二番目を…赤色はその下を…緑色は一番下のURLにアクセスを…』


…なるほど。
サーバーの過剰負担を軽減するために観客を4つに分け、アクセスしたサイト内で投票させる。確かにこれだったら開票も集計も、あっという間に自動処理できるってわけだ。


『…観客席の後ろの方、ボードのURL見えてますかー?もしかしたら見えてないかもしれませんので、では確認を兼ねてURLを上から順に読んでいきますねー…』


僕は少し気になって、ふと詩織を見た。


『…あれ?詩織は投票しないの?』


…って、僕も実は投票してないけど。
詩織は黙って下を向いている。


『うん…なんかね、さっきの彩乃ちゃん見たら…もう投票とか、どうでも良くなっちゃって…』

『…。』


詩織の気持ち…僕も凄くよく分かる…。







…10分後。
特別審査員長である伊藤鈴により、アワード受賞者の名前が発表された。


『今年デビューし、そして今年を代表する《早瀬ヶ池 Girls File》の、最もお洒落な女の子である《G.F.アワード》に選ばれたのは…』


伊藤鈴が、手にしたハサミで白封筒を開ける。中から取り出した一枚の紙切れを見て…伊藤鈴は一瞬黙り込んだ…。


『…えーと…鈴ちゃん?発表…お願いします…?』

『あっ!…ごめんなさい…。選ばれたのは………丹波彩乃…さんです…』





















しおりを挟む
感想 224

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...