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女装と復讐 -発起編-
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ステージを降りようと、階段へと向かう彩乃に司会から一言。
『あの、丹波彩乃さーん。もう女の子の紹介は全員終わりましたので、ステージを降りないでくださーい…』
『…えぇっ!?』
慌てて足を止める彩乃。
『…それでは改めまして…ノミネートされた25名の女の子たち全員に、もう一度ステージに登場してもらいましょう!』
ステージに横一列になって並ぶ、25人の女の子たち。
僕の顔を心配そうに見ている詩織。僕はこれ以上詩織に心配掛けまいと、体が小さく震えていることを隠しながら…余裕有り気におどけた質問をしてみた。
『観客…こんなにいっぱい居るんだけど…これ、どうやって投票するの?』
今から投票…開票…集結からの発表って、それに何時間も掛けてはいられないはず。
『えっ?それは、自分のスマホで…』
…スマホで!?
『…えー。それでは、投票方法の再確認をしまーす。観客の皆さんは、今座っているベンチの脚に巻かれたビニールテープの色を見てください…』
…ビニールテープ?一応確認してみると…黄色だ。
ステージ上に2人の女性スタッフが、大きなホワイトボードのような掲示板を運んできた。
『それでは観客の皆さん。スマートフォンはお持ちですよね?…黒いテープの巻かれたベンチに座っている方は、このボードの一番上のURLにアクセスを…黄色の方は二番目を…赤色はその下を…緑色は一番下のURLにアクセスを…』
…なるほど。
サーバーの過剰負担を軽減するために観客を4つに分け、アクセスしたサイト内で投票させる。確かにこれだったら開票も集計も、あっという間に自動処理できるってわけだ。
『…観客席の後ろの方、ボードのURL見えてますかー?もしかしたら見えてないかもしれませんので、では確認を兼ねてURLを上から順に読んでいきますねー…』
僕は少し気になって、ふと詩織を見た。
『…あれ?詩織は投票しないの?』
…って、僕も実は投票してないけど。
詩織は黙って下を向いている。
『うん…なんかね、さっきの彩乃ちゃん見たら…もう投票とか、どうでも良くなっちゃって…』
『…。』
詩織の気持ち…僕も凄くよく分かる…。
…10分後。
特別審査員長である伊藤鈴により、アワード受賞者の名前が発表された。
『今年デビューし、そして今年を代表する《早瀬ヶ池 Girls File》の、最もお洒落な女の子である《G.F.アワード》に選ばれたのは…』
伊藤鈴が、手にしたハサミで白封筒を開ける。中から取り出した一枚の紙切れを見て…伊藤鈴は一瞬黙り込んだ…。
『…えーと…鈴ちゃん?発表…お願いします…?』
『あっ!…ごめんなさい…。選ばれたのは………丹波彩乃…さんです…』
『あの、丹波彩乃さーん。もう女の子の紹介は全員終わりましたので、ステージを降りないでくださーい…』
『…えぇっ!?』
慌てて足を止める彩乃。
『…それでは改めまして…ノミネートされた25名の女の子たち全員に、もう一度ステージに登場してもらいましょう!』
ステージに横一列になって並ぶ、25人の女の子たち。
僕の顔を心配そうに見ている詩織。僕はこれ以上詩織に心配掛けまいと、体が小さく震えていることを隠しながら…余裕有り気におどけた質問をしてみた。
『観客…こんなにいっぱい居るんだけど…これ、どうやって投票するの?』
今から投票…開票…集結からの発表って、それに何時間も掛けてはいられないはず。
『えっ?それは、自分のスマホで…』
…スマホで!?
『…えー。それでは、投票方法の再確認をしまーす。観客の皆さんは、今座っているベンチの脚に巻かれたビニールテープの色を見てください…』
…ビニールテープ?一応確認してみると…黄色だ。
ステージ上に2人の女性スタッフが、大きなホワイトボードのような掲示板を運んできた。
『それでは観客の皆さん。スマートフォンはお持ちですよね?…黒いテープの巻かれたベンチに座っている方は、このボードの一番上のURLにアクセスを…黄色の方は二番目を…赤色はその下を…緑色は一番下のURLにアクセスを…』
…なるほど。
サーバーの過剰負担を軽減するために観客を4つに分け、アクセスしたサイト内で投票させる。確かにこれだったら開票も集計も、あっという間に自動処理できるってわけだ。
『…観客席の後ろの方、ボードのURL見えてますかー?もしかしたら見えてないかもしれませんので、では確認を兼ねてURLを上から順に読んでいきますねー…』
僕は少し気になって、ふと詩織を見た。
『…あれ?詩織は投票しないの?』
…って、僕も実は投票してないけど。
詩織は黙って下を向いている。
『うん…なんかね、さっきの彩乃ちゃん見たら…もう投票とか、どうでも良くなっちゃって…』
『…。』
詩織の気持ち…僕も凄くよく分かる…。
…10分後。
特別審査員長である伊藤鈴により、アワード受賞者の名前が発表された。
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『…えーと…鈴ちゃん?発表…お願いします…?』
『あっ!…ごめんなさい…。選ばれたのは………丹波彩乃…さんです…』
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