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女装と復讐 -発起編-
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12月25日、日曜日。時刻はただ今…えぇと、午前11時36分。
僕らの乗ったアンナさんの車は、瀬ヶ池の大通りを通過中。間もなく嘉久見大通りとの交差点近くに差し掛かろうとしている。
『ねぇ金魚、昨夜…家に帰ったあとね、私のノートパソコンで《カラフル》確認したら…私たち、もう撮られてトピックに貼られてた。ケンタのお店での…』
『えっ、本当?』
…って、実は僕も自分の部屋のパソコンで確認済みだったけど、僕が《カラフル》にアクセスして確認できることは、詩織には秘密だったから…そんな事は絶対言えない…。
『詩織、金魚…お喋りしてる途中、お邪魔して悪いんだけど…』
『なぁに?アンナさん』
『…私があなた達を車で送るのは、今日で最後よ』
…えっ!?最後!?…どういうこと!?
『アンナさん!なんで!?』
詩織もやっぱり、僕と同じ反応だった。
『…菊江さんがね、《アンナちゃん、今日まであの子たちの送り迎えやってて、ずっとお店の営業に差し支えてたでしょ?》って…』
…うん。それは僕らもなんとなく解ってた。申し訳ないなぁ…って。
アンナさんはずっと、店員のお姉さん2人にお店を一旦任せ、僕らを送迎してくれていた。
もしかしたら…そのことで、お店の売り上げや顧客、常連客の維持に確かに悪影響を与えていた…かもしれない。
僕らのせいで…。
『じゃあ…私たち、これからは電車とか…地下鉄使うことにするね…』
『詩織…なに言ってるの?』
…えっ?
『菊江さんが馴染みの《おばタク》って個人タクシーの方を、紹介してくれるって言ったの』
『おばタク?』
『…おばタク?』
僕と詩織は互いを見合った。
『えぇ。そうよ』
まさか…《おばさんが運転するタクシー》だから、略して《おばタク》なんて、そんな単純なネーミングなわけないよね…?
『個人タクシーで経営してる、66歳の《岡本久子》って人らしいわ。おばさんタクシーだから《おばタク》だって』
……まんま予想どおりだった…。
アンナさんの車は、嘉久見大通りを走行する車道の途中で、路肩に寄って停車。
その後も車内での会話は続く。
『アンナさん…66歳のおばさんが運転するタクシーって…大丈夫なの?』
『大丈夫よ。タクシーのキャリアは40年ほどあるから、安全運転についてはバッチリだって。菊江さんが』
確かに…菊江のおっさんが紹介してくれる方だから、信頼はできる気がする。
僕らの乗ったアンナさんの車は、瀬ヶ池の大通りを通過中。間もなく嘉久見大通りとの交差点近くに差し掛かろうとしている。
『ねぇ金魚、昨夜…家に帰ったあとね、私のノートパソコンで《カラフル》確認したら…私たち、もう撮られてトピックに貼られてた。ケンタのお店での…』
『えっ、本当?』
…って、実は僕も自分の部屋のパソコンで確認済みだったけど、僕が《カラフル》にアクセスして確認できることは、詩織には秘密だったから…そんな事は絶対言えない…。
『詩織、金魚…お喋りしてる途中、お邪魔して悪いんだけど…』
『なぁに?アンナさん』
『…私があなた達を車で送るのは、今日で最後よ』
…えっ!?最後!?…どういうこと!?
『アンナさん!なんで!?』
詩織もやっぱり、僕と同じ反応だった。
『…菊江さんがね、《アンナちゃん、今日まであの子たちの送り迎えやってて、ずっとお店の営業に差し支えてたでしょ?》って…』
…うん。それは僕らもなんとなく解ってた。申し訳ないなぁ…って。
アンナさんはずっと、店員のお姉さん2人にお店を一旦任せ、僕らを送迎してくれていた。
もしかしたら…そのことで、お店の売り上げや顧客、常連客の維持に確かに悪影響を与えていた…かもしれない。
僕らのせいで…。
『じゃあ…私たち、これからは電車とか…地下鉄使うことにするね…』
『詩織…なに言ってるの?』
…えっ?
『菊江さんが馴染みの《おばタク》って個人タクシーの方を、紹介してくれるって言ったの』
『おばタク?』
『…おばタク?』
僕と詩織は互いを見合った。
『えぇ。そうよ』
まさか…《おばさんが運転するタクシー》だから、略して《おばタク》なんて、そんな単純なネーミングなわけないよね…?
『個人タクシーで経営してる、66歳の《岡本久子》って人らしいわ。おばさんタクシーだから《おばタク》だって』
……まんま予想どおりだった…。
アンナさんの車は、嘉久見大通りを走行する車道の途中で、路肩に寄って停車。
その後も車内での会話は続く。
『アンナさん…66歳のおばさんが運転するタクシーって…大丈夫なの?』
『大丈夫よ。タクシーのキャリアは40年ほどあるから、安全運転についてはバッチリだって。菊江さんが』
確かに…菊江のおっさんが紹介してくれる方だから、信頼はできる気がする。
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