女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -発起編-

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更に時は流れて…今日は12月第4週の金曜日。時刻は午後7時48分。
もうそろそろ、僕のアパートに春華さんが来る。

なんの為に来るのか?…って、それは僕の左耳のピアスの穴の、傷の状態を定期検診してくれる為だ。






《コンコンコン♪》

ノックに応え、僕は玄関のドアをガチャリと開ける。


『こんばんは。信吾くん』

『こんばんは。どうぞ』

『お邪魔しまぁす』


廊下を進んで僕の部屋に入り、春華さんは早速発見。


『おーっ!凄ーい!この前、雄二さんが撮ってくれた写真じゃーん!』


この手作りポスターを見て、僕のことを器用だと褒めてくれた。






『…痛かったり、痒かったりしない?』


僕の左耳のファーストピアスを、指でツンツンしている春華さん。


『はい。しないです』

『じゃあ大丈夫そう。ピアス穴の安定化は順調に進んでるね』

『あ、ありがとうございます』


僕は、ひとつ気になることを訊いてみた。


『秋良さん…遅いですね…』

『なんで?今夜は来ないよ』

『えっ!?』


僕の部屋に春華さんと2人だけ…久しぶりのドキドキ。


『秋良くん…昨夜からもう、金魚ちゃんの春の洋服デザインを考えるの、啓介くんと意欲的に始めたみたい』


えっ?もう!?…金魚のために…?
それを聞いたら秋良さんと啓介さんに、凄く申し訳なく感じてしまう…。


『…あの、もうひとつ訊いてもいいですか?』

『うん。なに?』


僕はパソコンの電源を入れた。完全に立ち上がったら《カラフル》と呼ばれていた、瀬ヶ池の女の子らの集まる情報サイトにアクセス。


『このサイトのページを開くための、パスワードなんですけど…』

『うん。《rainbow》がどうかしたの?』


…そう。《このinternet siteを開くにはpasswordが必要です》ってメッセージが表示されるんだけど…詩織が『男子には見せられない、女の子の秘密のトピックとかあるから、絶対ダメッ!』とか言って教えてくれな………えっ!?

《rainbow》!?


『あー…あはは。そのレインボーって単語、どうやって書くんでしたっけ…?』

『何言ってんの。頭のいい大学に通ってるくせに。レインボーくらい解らない?』

『あ!…今、思い出しました…』

『あはは。もぅ、ちゃんとしてよね』


…なんて言って、実はパスワードを知らなかったことを、こんな訊き方で誤魔化した…。
早速、パスワード欄に《rainbow》と入力してみる…あ!本当に《カラフル》が開いた。

詩織の言ってた女の子の秘密のカテゴリーだかトピックだか知らないけど、僕はそんなのには目もくれず《☆★瀬ヶ池のうわさ検証★☆》のカテゴリー内の《この子の情報募集》ってトピックをダブルクリック…。




















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