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女装と復讐 -発起編-
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アンナさんは『あなたは意外と、決心したら頑固者だものね』と僕に言った。
僕もそれに逆らわず『はい』と一言で答えた。
『でもね、今の髪の長さでは《女の子らしく可愛く》は纏まらないから』
『じゃあもう少し髪を伸ばします。十分に伸びたその時に…アンナさん。改めてカットをお願いします』
『うん。分かったわ』
メイクアップも済み、今日のところは仕方なくウィッグを装着。
そして真白い兎毛のショートコートを羽織って店内に戻った。
『おはよ…うわーぁ!噂どおり信吾く…じゃなくて金魚ちゃん!細身でスタイル良くて、凄く可愛いー!』
店内のロングソファーに座る詩織の隣に、寄り添うように春華さんが座っていた。
…ん?噂どおり?…まぁいいや。
『あ…春華さん、おはようございます』
『あらぁ!着替えると声まで可愛い女の子になっちゃってる!凄ーい!あはははは』
春華さん…なんだか嬉しそう…?
んまぁ…それで詩織と春華さんは、今は2人でノートパソコンを見てた様子。
秋良さんは立ち話…秋良さんの隣には、アンナさんの彼氏の…中澤雄二さんがいる。
『よぉ。信吾だっけか?久しぶりだな』
『あ…どうも。お久しぶりです…』
雄二さんが、僕の金魚の姿を頭の先から足の先まで…チェックするかのように、まじまじと見た。
『お前の女装は本当に凄ぇな』
『あ…あはは…ありがとうございます…』
僕は詩織に『ねぇ金魚、そのラビットファーのコート超可愛い♪私欲しいなー♪』とか…理解不能なことを言われながら…耳はアンナさんと雄二さんの会話に向いていた。
『なぁ杏菜…そろそろ俺じゃなくても、他のカメラマンでも良いんじゃねぇのか?』
『雄二じゃなきゃ駄目よ。このお店のオーナーは誰だか分かってるでしょ?』
…このお店のオーナー?ってアンナさんじゃないの?
『まぁ…そうだけどよ。しかしなぁ…フランスの一流モデルの撮影と、この店の格安広告撮影と、どっちが』
『私だって解ってるわ。あちらの国の一流モデルを撮影してたほうが、収入だって良いことは。だけど、自分のお店だって大切に想って!』
アンナさんの彼氏の雄二さん…カメラマンとして海外で活躍してるんだ…凄いな。
2人の会話の内容身体すると…雄二さんがこの美容院の《本当のオーナー》で、アンナさんは店長…って感じだろうか。
『このお店には…雄二との忘れられない大切な思い出や歴史が』
『あー…分かった分かった。俺が悪かったって』
『…ねぇ!金魚ってば!!』
『えっ!?…あ、なに?』
『だからぁ…私と春華さんがノートパソコンで、なにを真剣に見てたか…見たくないの?』
あ…そうだった。僕もノートパソコンを覗こうと、詩織の隣に座ろうとした。
『ちょっと待って!金魚ちゃんは私の隣に…こっちに座って。ほらぁ早く!』
……えっ?
僕もそれに逆らわず『はい』と一言で答えた。
『でもね、今の髪の長さでは《女の子らしく可愛く》は纏まらないから』
『じゃあもう少し髪を伸ばします。十分に伸びたその時に…アンナさん。改めてカットをお願いします』
『うん。分かったわ』
メイクアップも済み、今日のところは仕方なくウィッグを装着。
そして真白い兎毛のショートコートを羽織って店内に戻った。
『おはよ…うわーぁ!噂どおり信吾く…じゃなくて金魚ちゃん!細身でスタイル良くて、凄く可愛いー!』
店内のロングソファーに座る詩織の隣に、寄り添うように春華さんが座っていた。
…ん?噂どおり?…まぁいいや。
『あ…春華さん、おはようございます』
『あらぁ!着替えると声まで可愛い女の子になっちゃってる!凄ーい!あはははは』
春華さん…なんだか嬉しそう…?
んまぁ…それで詩織と春華さんは、今は2人でノートパソコンを見てた様子。
秋良さんは立ち話…秋良さんの隣には、アンナさんの彼氏の…中澤雄二さんがいる。
『よぉ。信吾だっけか?久しぶりだな』
『あ…どうも。お久しぶりです…』
雄二さんが、僕の金魚の姿を頭の先から足の先まで…チェックするかのように、まじまじと見た。
『お前の女装は本当に凄ぇな』
『あ…あはは…ありがとうございます…』
僕は詩織に『ねぇ金魚、そのラビットファーのコート超可愛い♪私欲しいなー♪』とか…理解不能なことを言われながら…耳はアンナさんと雄二さんの会話に向いていた。
『なぁ杏菜…そろそろ俺じゃなくても、他のカメラマンでも良いんじゃねぇのか?』
『雄二じゃなきゃ駄目よ。このお店のオーナーは誰だか分かってるでしょ?』
…このお店のオーナー?ってアンナさんじゃないの?
『まぁ…そうだけどよ。しかしなぁ…フランスの一流モデルの撮影と、この店の格安広告撮影と、どっちが』
『私だって解ってるわ。あちらの国の一流モデルを撮影してたほうが、収入だって良いことは。だけど、自分のお店だって大切に想って!』
アンナさんの彼氏の雄二さん…カメラマンとして海外で活躍してるんだ…凄いな。
2人の会話の内容身体すると…雄二さんがこの美容院の《本当のオーナー》で、アンナさんは店長…って感じだろうか。
『このお店には…雄二との忘れられない大切な思い出や歴史が』
『あー…分かった分かった。俺が悪かったって』
『…ねぇ!金魚ってば!!』
『えっ!?…あ、なに?』
『だからぁ…私と春華さんがノートパソコンで、なにを真剣に見てたか…見たくないの?』
あ…そうだった。僕もノートパソコンを覗こうと、詩織の隣に座ろうとした。
『ちょっと待って!金魚ちゃんは私の隣に…こっちに座って。ほらぁ早く!』
……えっ?
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