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女装と復讐 -発起編-
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『やっぱりね!うちらも《G.F.》は毎月見てるから、あ!詩織ちゃんだぁーってすぐ判っちゃった!』
詩織はまんざらでもない感じ…少し嬉しそう。
それで僕らの隣に座っていた、女の子2人のうちの1人がそう言ったあと、更にもう1人の女の子も詩織に《単刀直入》に訊く。
『あの…こっちの女の子は?』
『あー、私のお友達』
『金魚です…』
訊いてきた女の子は、まだ何か納得できないことがあるのか…更に不思議そうな顔をし、今度は上半身を乗り出し傾けて、また詩織に小声で訊いてきた。
『…ねぇ、金魚ちゃんが…あのカッコいい店員さんたちに、フルネームが教えられないってのは…何か言えない秘密とかあるの…?』
…まさに単刀直入だ。詩織が返事に詰まっていると、続けてヒソヒソと言う。
『もしかして…実は、もうすぐデビューを控えてる…アイドルの卵とかだったり…?』
『えーっ!?いやいやいや。私、そんなんじゃないよ…』
僕は慌てながら、その女の子に否定して返した。けれどその子たちはまだ、なにかスッキリしない様子…。
『えっ、そう…本当に?違うの?例えば鈴ちゃんと同じ芸能事務所から、とか…』
『きゃははは。そんなんじゃないよ。金魚はー』
詩織も笑ってフォローしてくれた。けど…。
『なぁんか怪しいけど…ま、いっか。変なこと訊いちゃってごめんねー』
謝る女の子。これでお喋りは終了…かと思いきや…一番初めに話し掛けてきた女の子が、もう一度僕らに言う。
『でも、金魚ちゃんってさぁ、他の女の子たちと全っ然雰囲気違うよねー』
『えっ!?』
…他の女の子らと全然雰囲気が違うって…まさか、もうバレた!?
その言葉に、僕の脳裏に不安がよぎる…。
『えーっ、どう違うの?』
すかさず、詩織がその子に訊いて返す。
『なんかぁ…なんって言うんだろう。入店直後から凄く目立ってた…っていうか、人目を引くっていうか…何だろう。人を惹きつける雰囲気的な?って言うのかなぁ…何って言うんだろう…こういうの…』
言葉に迷いながらも、そう説明してくれた女の子。
つまり…多分だけど…その女の子が言いたかったことをまとめると…。
僕をふと見たときから、ずっと気になって気になって仕方なくて、意識や集中力を奪われてずっと、僕と詩織を見てたみたい。
『…でね、金魚ちゃんは…あの、このお店ん中にも女の子はたくさん居るんだけど…』
…うんうん。
僕と詩織は、相槌を打つように頷きながら、あんまり話し上手じゃなさそうなその女の子の話を、ちゃんと聞いてあげてた。
『…普通じゃないくらい、その…誰よりも目立って、可愛いの…。それで、歩き方とか…ちょっとした身振り手振りとか…笑顔とかも…なんか、めちゃくちゃ本当に可愛いし…』
僕のことを語るその女の子の目が天井を仰ぎ…ヤバいんじゃないかと思ってしまうほどに、瞳はキラキラキラキラしている…。
詩織はまんざらでもない感じ…少し嬉しそう。
それで僕らの隣に座っていた、女の子2人のうちの1人がそう言ったあと、更にもう1人の女の子も詩織に《単刀直入》に訊く。
『あの…こっちの女の子は?』
『あー、私のお友達』
『金魚です…』
訊いてきた女の子は、まだ何か納得できないことがあるのか…更に不思議そうな顔をし、今度は上半身を乗り出し傾けて、また詩織に小声で訊いてきた。
『…ねぇ、金魚ちゃんが…あのカッコいい店員さんたちに、フルネームが教えられないってのは…何か言えない秘密とかあるの…?』
…まさに単刀直入だ。詩織が返事に詰まっていると、続けてヒソヒソと言う。
『もしかして…実は、もうすぐデビューを控えてる…アイドルの卵とかだったり…?』
『えーっ!?いやいやいや。私、そんなんじゃないよ…』
僕は慌てながら、その女の子に否定して返した。けれどその子たちはまだ、なにかスッキリしない様子…。
『えっ、そう…本当に?違うの?例えば鈴ちゃんと同じ芸能事務所から、とか…』
『きゃははは。そんなんじゃないよ。金魚はー』
詩織も笑ってフォローしてくれた。けど…。
『なぁんか怪しいけど…ま、いっか。変なこと訊いちゃってごめんねー』
謝る女の子。これでお喋りは終了…かと思いきや…一番初めに話し掛けてきた女の子が、もう一度僕らに言う。
『でも、金魚ちゃんってさぁ、他の女の子たちと全っ然雰囲気違うよねー』
『えっ!?』
…他の女の子らと全然雰囲気が違うって…まさか、もうバレた!?
その言葉に、僕の脳裏に不安がよぎる…。
『えーっ、どう違うの?』
すかさず、詩織がその子に訊いて返す。
『なんかぁ…なんって言うんだろう。入店直後から凄く目立ってた…っていうか、人目を引くっていうか…何だろう。人を惹きつける雰囲気的な?って言うのかなぁ…何って言うんだろう…こういうの…』
言葉に迷いながらも、そう説明してくれた女の子。
つまり…多分だけど…その女の子が言いたかったことをまとめると…。
僕をふと見たときから、ずっと気になって気になって仕方なくて、意識や集中力を奪われてずっと、僕と詩織を見てたみたい。
『…でね、金魚ちゃんは…あの、このお店ん中にも女の子はたくさん居るんだけど…』
…うんうん。
僕と詩織は、相槌を打つように頷きながら、あんまり話し上手じゃなさそうなその女の子の話を、ちゃんと聞いてあげてた。
『…普通じゃないくらい、その…誰よりも目立って、可愛いの…。それで、歩き方とか…ちょっとした身振り手振りとか…笑顔とかも…なんか、めちゃくちゃ本当に可愛いし…』
僕のことを語るその女の子の目が天井を仰ぎ…ヤバいんじゃないかと思ってしまうほどに、瞳はキラキラキラキラしている…。
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