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女装と復讐 -憧憬編(序章)-
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『先生…じゃあ僕、どうすれば!』
『待って!岩塚くん!今、考えてるから…』
先生は自分の額を、キャップをした赤ボールペンの先で軽く何度も何度も突きながら…何かを考えていた。今は高校3年生の6月中旬…美波経済産業大学は9月から本格的に大学入学共通テストの出願受付期間に入るし、宮端学院大学の出願受付期間は、12月から来年1月まで。
僕にはもう、そんなに余裕な時間もなかった…。
『………!』
小林先生は、目をまん丸にして僕を見た…!?
『そ、そうだ…そうだよ!岩塚くん!』
『は、はい?』
『あなた…来週から私の家に下宿しなさい!』
『あー…?えっ?』
『そういうことで決まりね!』
小林先生の家は、緑川北高校から車で約5分のところに家があった…近っ。先生はそのほうが登下校の計2時間以上を、もっと勉強時間と学力アップに有効活用できるし…と提案。
しかも…なんと、先生と結婚した旦那さんも、実は他の近くの高校の先生をしてるんだとか。
『琢ちゃんと私の両方が、あなたの勉強を見てあげれば、これはもう最っ強の助っ人よ!絶対合格できる!』
琢ちゃん、とは…小林先生と結婚した男性…旦那さまのことらしい。
小林先生はその日のうちに、母さんの岩塚美穂に電話をし、その日のうちに《来週から下宿させる》ことを合意させてしまった…。
…そして、本当に翌週から小林先生の家に下宿することに…。
『下宿は今日からだけど…今夜、初めてのお泊まりね』
『はい…よろしくお願いします』
…僕は全校生徒が帰っていくのを職員室の窓から眺めていて…その1時間後に小林先生と、先生の車で下校し、先生の家に着いたんだった。
『私、今から夕食の準備をするけど…夕食ができるまでの時間、お風呂に入って…』
『はい』
先生と話しながら、キッチンへと向かう。
『…うちの子たちと』
『…えっ?一緒に!?』
小林先生の家には、中学2年生と小学5年生の2人の男の子がいた。
『えぇ。何か問題でも?』
『な、ないです…』
『…ね。それから、お風呂から出たら19時30分からスタートして、23時まで…岩塚くんの勉強を見てあげるから』
『ありがとうございます』
3時間30分かぁ。それくらいなら余裕かも。
『勉強が終わったらすぐ寝るのよ。あと深夜にゲームとかは無しよ』
『はい』
…《スパルタ教育》という言葉さえ驚くほど…この下宿での"夜間授業"は手厳しかった…。
愛美先生は僕の下宿部屋の、机に座る僕の隣で《毎日テスト》に寄り添い、指導してくれた。
そしてそのあいだ、先生の旦那さんの琢流先生は、隣の部屋で僕のテストの解答を直ぐに採点し、僕の弱点などを分析して…パソコンで次のテスト問題をまた直ぐに素早く作成…これぞ!毎日テストの無限ループ!!
『愛美…はい』
『ありがとう』
僕の部屋の扉は開いたまま。これで先生同士のテストの手渡しはとてもスムーズにできてる…。
琢流先生は《答え合わせしたさっきの答案用紙》と《次の新しいテスト》の2枚を愛美先生に手渡した。
『えぇと…あ!岩塚くん、見てこれ』
『はい』
愛美先生が赤ペンで、机に置いた答案用紙の間違った箇所を指した。
『ここ。凄く惜しかった。これは…なぜ間違えたか解る?』
『…えっと…あ!』
『解った?だよね。けど一応、解説しておくね』
『…はい』
夏休みは、午前は9時から11時30分まで…午後は2時から4時30分まで…夜は8時から10時30分まで…つまり1日の"下宿授業"は7時間30分…かなり疲れた…。
けれど、夏休み中でも下宿授業が行われなかった日はあった。それは…愛美先生も琢流先生も学校へ行った勤務日。そんな日は先生の家で《3時間分の宿題テスト》と《自主学習》をやって過ごした…。
『待って!岩塚くん!今、考えてるから…』
先生は自分の額を、キャップをした赤ボールペンの先で軽く何度も何度も突きながら…何かを考えていた。今は高校3年生の6月中旬…美波経済産業大学は9月から本格的に大学入学共通テストの出願受付期間に入るし、宮端学院大学の出願受付期間は、12月から来年1月まで。
僕にはもう、そんなに余裕な時間もなかった…。
『………!』
小林先生は、目をまん丸にして僕を見た…!?
『そ、そうだ…そうだよ!岩塚くん!』
『は、はい?』
『あなた…来週から私の家に下宿しなさい!』
『あー…?えっ?』
『そういうことで決まりね!』
小林先生の家は、緑川北高校から車で約5分のところに家があった…近っ。先生はそのほうが登下校の計2時間以上を、もっと勉強時間と学力アップに有効活用できるし…と提案。
しかも…なんと、先生と結婚した旦那さんも、実は他の近くの高校の先生をしてるんだとか。
『琢ちゃんと私の両方が、あなたの勉強を見てあげれば、これはもう最っ強の助っ人よ!絶対合格できる!』
琢ちゃん、とは…小林先生と結婚した男性…旦那さまのことらしい。
小林先生はその日のうちに、母さんの岩塚美穂に電話をし、その日のうちに《来週から下宿させる》ことを合意させてしまった…。
…そして、本当に翌週から小林先生の家に下宿することに…。
『下宿は今日からだけど…今夜、初めてのお泊まりね』
『はい…よろしくお願いします』
…僕は全校生徒が帰っていくのを職員室の窓から眺めていて…その1時間後に小林先生と、先生の車で下校し、先生の家に着いたんだった。
『私、今から夕食の準備をするけど…夕食ができるまでの時間、お風呂に入って…』
『はい』
先生と話しながら、キッチンへと向かう。
『…うちの子たちと』
『…えっ?一緒に!?』
小林先生の家には、中学2年生と小学5年生の2人の男の子がいた。
『えぇ。何か問題でも?』
『な、ないです…』
『…ね。それから、お風呂から出たら19時30分からスタートして、23時まで…岩塚くんの勉強を見てあげるから』
『ありがとうございます』
3時間30分かぁ。それくらいなら余裕かも。
『勉強が終わったらすぐ寝るのよ。あと深夜にゲームとかは無しよ』
『はい』
…《スパルタ教育》という言葉さえ驚くほど…この下宿での"夜間授業"は手厳しかった…。
愛美先生は僕の下宿部屋の、机に座る僕の隣で《毎日テスト》に寄り添い、指導してくれた。
そしてそのあいだ、先生の旦那さんの琢流先生は、隣の部屋で僕のテストの解答を直ぐに採点し、僕の弱点などを分析して…パソコンで次のテスト問題をまた直ぐに素早く作成…これぞ!毎日テストの無限ループ!!
『愛美…はい』
『ありがとう』
僕の部屋の扉は開いたまま。これで先生同士のテストの手渡しはとてもスムーズにできてる…。
琢流先生は《答え合わせしたさっきの答案用紙》と《次の新しいテスト》の2枚を愛美先生に手渡した。
『えぇと…あ!岩塚くん、見てこれ』
『はい』
愛美先生が赤ペンで、机に置いた答案用紙の間違った箇所を指した。
『ここ。凄く惜しかった。これは…なぜ間違えたか解る?』
『…えっと…あ!』
『解った?だよね。けど一応、解説しておくね』
『…はい』
夏休みは、午前は9時から11時30分まで…午後は2時から4時30分まで…夜は8時から10時30分まで…つまり1日の"下宿授業"は7時間30分…かなり疲れた…。
けれど、夏休み中でも下宿授業が行われなかった日はあった。それは…愛美先生も琢流先生も学校へ行った勤務日。そんな日は先生の家で《3時間分の宿題テスト》と《自主学習》をやって過ごした…。
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