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24話 アリッサの考え
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「さて、ここは俺の奢りやから、遠慮せんといてな」
「いいんですか? すみません」
アルバート様に続いてカインツさんからも食事を奢ってもらうことになった。なんだか悪い気がするけれど、気にしてもしょうがないわね。カインツさんの優しさを無下にするわけにもいかないし。
「市場の価格は大体わかったやろ?」
「そうですね、大体はわかりました」
「それでどないするんや?」
カインツさんは並べられた食事を食べながら聞いて来た。どうするのかっていうのは、私の店の価格をどうするのかってことだと思うけど。
「適正価格に直してもいいんですけど、しばらくは今のままで行こうと思います」
「大丈夫なんか? 5分の1の価格やねんで? もっと高くしても客は来ると思うよ」
「元々、気分転換のために始めたお店ですので。お客さんが喜んでくれるのを重視したいと思います。最終的にはアルバート様と相談して決める形にはなりそうですね」
カインツさんは納得しているという風ではなかった。なにやら考え事をしているみたいな。
「さっきも言うたけど、大量生産体制が整ったら潰れる店も出て来るやろ。その辺りは考えてあるんか? 王子様との契約は慎重に決めた方がいいと思うけどな」
確かにカインツさんの考えは的を射ていた。各地に大量に薬が出回れば市場価格は落ちてしまうだろう。そうなれば薬屋をしている店には打撃になってしまう。
でも……私は薬が出回って助かる人が増える方が重要だと思えたのだ。パメラ屋の5倍の価格はいくらなんでも高すぎる。今までに買えなかった人は相当数いるはずだ。
「アルバート様と相談してみます。私は薬をより多くの人に届けたいと思っていますので」
「そうか。そういう考えで決まってるんなら、俺から言うことはもうないんや。後悔のないようにしたらええと思うわ」
「ありがとうございます。心配してくれたんですね」
「そんな格好いいもんじゃないけどな」
カインツさんは窓の方を見ているようだった。私からは視線を逸らした感じだ。大丈夫、最良の答えはきっと見つかるはずだから。私は信じた道を進めばいい。
「いいんですか? すみません」
アルバート様に続いてカインツさんからも食事を奢ってもらうことになった。なんだか悪い気がするけれど、気にしてもしょうがないわね。カインツさんの優しさを無下にするわけにもいかないし。
「市場の価格は大体わかったやろ?」
「そうですね、大体はわかりました」
「それでどないするんや?」
カインツさんは並べられた食事を食べながら聞いて来た。どうするのかっていうのは、私の店の価格をどうするのかってことだと思うけど。
「適正価格に直してもいいんですけど、しばらくは今のままで行こうと思います」
「大丈夫なんか? 5分の1の価格やねんで? もっと高くしても客は来ると思うよ」
「元々、気分転換のために始めたお店ですので。お客さんが喜んでくれるのを重視したいと思います。最終的にはアルバート様と相談して決める形にはなりそうですね」
カインツさんは納得しているという風ではなかった。なにやら考え事をしているみたいな。
「さっきも言うたけど、大量生産体制が整ったら潰れる店も出て来るやろ。その辺りは考えてあるんか? 王子様との契約は慎重に決めた方がいいと思うけどな」
確かにカインツさんの考えは的を射ていた。各地に大量に薬が出回れば市場価格は落ちてしまうだろう。そうなれば薬屋をしている店には打撃になってしまう。
でも……私は薬が出回って助かる人が増える方が重要だと思えたのだ。パメラ屋の5倍の価格はいくらなんでも高すぎる。今までに買えなかった人は相当数いるはずだ。
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「そうか。そういう考えで決まってるんなら、俺から言うことはもうないんや。後悔のないようにしたらええと思うわ」
「ありがとうございます。心配してくれたんですね」
「そんな格好いいもんじゃないけどな」
カインツさんは窓の方を見ているようだった。私からは視線を逸らした感じだ。大丈夫、最良の答えはきっと見つかるはずだから。私は信じた道を進めばいい。
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