婚約破棄されたので貴族街で薬屋を始めました

マルローネ

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16話 アルバートとのデート その1

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「お待たせいたしました、アルバート様」

「私も今来たところだよ、アリッサ嬢。よく来てくれた」

「いえ」


 私はアルバート様を貴族街の教会で待ち合わせをした。他の人達もデートの待ち合わせに使っているという噂の場所だ。ここで祈りを済ませてからデートが上手く行くように、というわけだ。

 アルバート様とのデート……いよいよその日がやってきたのである。今日はパメラ屋は休みにした。


「さて、行くとしようか」

「はい、アルバート様」


 事前に特に行く場所を相談などはしなかった。アルバート様が決めてくれたからだ。今回のデートは私の休憩という意味合いも強いので。

 アルバート様の周囲には護衛の人達も多く存在していた。流石は王家の人間といったところかな。しかし、彼らは一言も話さない。幽霊のような存在なのかもしれないわね。


「まずは食事を済ませるか? それとも宝石店に行こうか?」

「本日は宝石店へ連れて行っていただけるのですか?」

「そういうことになる。私のプランではな」


 なるほど宝石店か……貴族用の宝石ということでかなりの価格が当たり前の店だ。子爵令嬢の私ではなかなか買えない物も多いだろうけど。食事の前に行った方が良さそうね


「それでは宝石店へ行きましょう」

「よし、決まりだな」


 私達は宝石店へと向かった。


----------------------------


 宝石店へ向かう間にも私達は他愛もない会話で盛り上がった。最初にアルバート様と出会った頃よりも打ち解けている気がするわ。アルバート様は1週間に1回は来てくれていたし、仲良くなるのも必然だった。

 アルバート様が選んでくれた宝石にそのまま入っていく。中にお客さんはほとんどいなかった。まあ、職種的には当たり前か。

「はあ~~~、やっぱり高い商品が多いですね」

「この真珠のネックレスなんかは手頃な価格と言えるかな?」

「どうでしょうか」

 それでも10万ゴールドだった。生活必需品でないことを考えると、贅沢以外で付ける必要のない物だ。それに10万ゴールドか……う~ん。まあ、貴族は外見を整えないといけないというのは分かるんだけど。難しい問題ね。


「向こうにはさらに高い商品もあるようだ。少し店主と話しをつけてくるよ。ガラスのショーケースから出してもらうようにね」

「あ、わかりました。それでは待ってます」


 店内で私はアルバート様と別れた。必然的に私とその護衛だけになってしまう。適当に商品棚を見て回る。


「綺麗だけれどどれも高い商品ばかりね。この店は私には合わないかもしれないわ」

「……」


 商品を見ていると何かの視線を感じた。自然とそちらに目をやるとそこには……。


「アリッサか? どうしてこんなところに……」

「トトメス様?」


 意外な人物と会ってしまった。トトメスがなんと来店していたのだ。大量生産体制の件で忙しいはずなのに、どうしてこんなところに来ているの?
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