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13話 協力 その2
しおりを挟む「アリッサ嬢、錬金レシピに記載されている素材のいくつかを持ってきた」
「アルバート王子殿下。王子殿下にわざわざ持ってきていただくなんて……ありがとうございます」
「はは、気にしないでくれ」
本日もパメラ屋を経営していると、アルバート様が素材を持ってきてくれた。それも大きな箱単位なのでかなりの量だ。これだけあれば既存の薬はもちろん、新しい薬の調合も可能になるだろう。
「売り上げは好調なのかな?」
「そうですね、順調にお客さんは増えていると思います」
「それはよかった。私の方からも宣伝をしておこう」
「アルバート様……すみません」
なんだかここまでやってくれると、本当に申し訳ない。私は気にしないようにはしているけれど、完璧に気にしないのは無理だ。こうしてアルバート様と話していると他のお客さんに混じってカインツさんがやって来た。
「おうおう、王子殿下もいたんか」
「カインツ殿」
「カインツさん、来てくれたんですか」
カインツさんも大きな袋を持っている。あれはもしかして……。
「私はアリッサ嬢に素材を届けにな」
「なるほど、そういうことかいな。俺も同じやけどな」
その大きな袋を開封して中から素材が出て来た。しかもこれは……。
「大回復薬の素材……それに他のレアな薬の素材も……これは一体どこで?」
「素材が豊富なダンジョンに入って取ってきたんや。モンスターがおるから危険な分、希少な素材が手に入るで」
凄腕冒険者のカインツさんにしかできない調達方法だった。
「これ、貰ってもいいんですか?」
「もちろん構わへんよ。その代わりまたオーダーメイドで薬作ってな」
「わかりました。ありがとうございます」
私はカインツさんにも頭を下げた。
「カインツ殿は希少な素材の供給。私は基本的な素材の大量供給。ふむ、差別化が出来ていて良いかもしれないな」
「そうやな。上手く流れになってる気がするわ」
その流れの行きつく先は私の店ということになる。なんだか良いとこ取りをしている気分だわ。
「ふふ、少しだけアリッサが羨ましいわ」
「えっ? どういうこと、姉さん?」
「いえ、なんでもないわ。ふふふ」
? 何を笑っているのだろうか。良く分からなかったけれど……姉さんの笑いは気味が悪い。その後もしばらくアルバート様とカインツ様と雑談を交わした。
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(トトメス視点)
「なに? 王家は大量生産体制に金を投じる気がないだと……?」
「そのような回答がありました。如何いたしましょうか?」
執事のエリックより聞かされた事実だった。結局、屋敷に国王陛下が来ることもないのだとか。くそ、どういうわけだ? なぜこんなことが……。
「仕方ない。費用はかかるが先に進めるか。どのみち利益は莫大だからな」
「大量生産体制についてのことなんですが……実は気になる報告がありまして」
「なんだ?」
「サーチによる検品が難しかった為、最小限にして出荷しましたよね?」
「ああ、そうだったな」
大量生産体制は第一陣が既に完成していた。そこで大量の薬を作り各地へ売りさばいていたのだが……。
「クレームが発生しております」
「なんだと……?」
クレームだと、そんなバカな……何が起きたというのだ?
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