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4話 アリシアとレザード
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……アリシアの視点……
「それにしても面白かったですわね。レザード様」
「何の話だ? アリシア」
「ルアナ姉さんが婚約破棄をされると知った時の顔……しかも、レザード様の隣には私が居たんですもの」
私は姉さんの驚きを通り越した表情を思い出してみた。面白い……本当に面白かった。あの堅物で面白味のない姉さんの一世一代のギャグとても呼べばいいのか。とにかく私はあれから、笑いを堪えるのに必死だった。
屋敷内で顔を合わせないように、私を避けて歩く姉さん。食堂でも顔を合わせないように、わざわざ時間をずらしていたのも知っている。
「確かに面白い見世物だった。私としても、ルアナではなくアリシアと結ばれる方が、今後、楽しく過ごせるだろうという確信がある」
「ありがとうございます、レザード様。そう言っていただき、光栄ですわ」
寝室のベッドに座っていた私だけれど、立ち上がり、レザード様に頭を下げた。レザード様はさすがにどちらが女性として魅力的か、分かっていらっしゃるわね。それでこそ、第二王子殿下様だわ。
「しかし、分からないことがある」
「分からないこと……? 一体、何でございますか?」
「ルアナとの婚約時、お前たち二人は仲の良い姉妹だと聞かされていたが……そうでもなかったのか?」
「……それは」
ルアナ姉さんはそんなことを言っていたのね。本当に滑稽だわ。1歳違いの姉の存在……私にとっては非常に疎ましかった。あのバカな姉さえ居なければ、と何度思ったことか……。
「対外的には仲の良い姉妹で通っていましたわ。でも、内情としては色々ありまして」
「ふむ、そうだったか」
「美人でスタイルも上……人当たりだって私の方が上でした。それなのに、ルアナ姉さんを気に入る貴族令息の者達が多くて。姉さん自体は自覚がないようですけど……腹立たしかったですわ」
「ほう、それは興味深い話だな」
私にとっては苦い思い出話でしかない。姉さんは自分一人だけ、妹と仲良く過ごせていたと思っていたのだろうけど、それがまず間違いだ。空回りしていたどころか、滑稽ですらある。
私はレザード様を手に入れた。ふふふふ……完璧だったわ。ルアナを完璧に虐げてやった。そういえば、彼女は海岸線の視察に行く予定のはず。レザード様と一緒に押しかけて、より一層惨めな思いをさせてやろうかしら。とても楽しみだわ。
「それにしても面白かったですわね。レザード様」
「何の話だ? アリシア」
「ルアナ姉さんが婚約破棄をされると知った時の顔……しかも、レザード様の隣には私が居たんですもの」
私は姉さんの驚きを通り越した表情を思い出してみた。面白い……本当に面白かった。あの堅物で面白味のない姉さんの一世一代のギャグとても呼べばいいのか。とにかく私はあれから、笑いを堪えるのに必死だった。
屋敷内で顔を合わせないように、私を避けて歩く姉さん。食堂でも顔を合わせないように、わざわざ時間をずらしていたのも知っている。
「確かに面白い見世物だった。私としても、ルアナではなくアリシアと結ばれる方が、今後、楽しく過ごせるだろうという確信がある」
「ありがとうございます、レザード様。そう言っていただき、光栄ですわ」
寝室のベッドに座っていた私だけれど、立ち上がり、レザード様に頭を下げた。レザード様はさすがにどちらが女性として魅力的か、分かっていらっしゃるわね。それでこそ、第二王子殿下様だわ。
「しかし、分からないことがある」
「分からないこと……? 一体、何でございますか?」
「ルアナとの婚約時、お前たち二人は仲の良い姉妹だと聞かされていたが……そうでもなかったのか?」
「……それは」
ルアナ姉さんはそんなことを言っていたのね。本当に滑稽だわ。1歳違いの姉の存在……私にとっては非常に疎ましかった。あのバカな姉さえ居なければ、と何度思ったことか……。
「対外的には仲の良い姉妹で通っていましたわ。でも、内情としては色々ありまして」
「ふむ、そうだったか」
「美人でスタイルも上……人当たりだって私の方が上でした。それなのに、ルアナ姉さんを気に入る貴族令息の者達が多くて。姉さん自体は自覚がないようですけど……腹立たしかったですわ」
「ほう、それは興味深い話だな」
私にとっては苦い思い出話でしかない。姉さんは自分一人だけ、妹と仲良く過ごせていたと思っていたのだろうけど、それがまず間違いだ。空回りしていたどころか、滑稽ですらある。
私はレザード様を手に入れた。ふふふふ……完璧だったわ。ルアナを完璧に虐げてやった。そういえば、彼女は海岸線の視察に行く予定のはず。レザード様と一緒に押しかけて、より一層惨めな思いをさせてやろうかしら。とても楽しみだわ。
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