18 / 20
18話 グレス王子殿下とのデート その2
しおりを挟む
「グレス王子殿下……それはどういう意味なのでしょうか? その……大切な日というのは」
「ん? ああそれは……まあ、なんというか……」
「グレス王子殿下?」
彼は顔を赤らめながら、そっぽ向いてしまった。その態度だけでもなんとなく予想がついてしまう。そもそも、私は今デート中なのだから余計にだ。
デートをしているということは、少なからず、相手への好意があるということなので、お互いに……。私だってグレス王子殿下のことは好きだし、グレス王子殿下も私のことを好いてくれてはいると思う。その上で、大切な日なんて言われていまうと……期待感が増してしまうというか。
「ふふふ、グレス王子殿下?」
「ん、な、なんだい? ミレーヌ?」
「ここは森林公園で木々が多くございますね」
「そ、そうだな……それがどうかしたのか?」
もう一押ししてみよう……私はそう考えた。
「木々の影に隠れて……と、いうことも可能かと思われますよ?」
「ミレーヌ……なんだか、ジーンにみたいなことを言うな君は。本質的には似ているのかもしれないぞ」
「あ、なるほど……」
似ている部分があるからこそ、ジーン王女殿下と仲良くなれたのかもしれない。グレス王子殿下をいじめたくなる衝動……やり過ぎると不敬罪に問われかねないので、程々にしておかないといけないけれどね。グレス王子殿下の言葉は妙に納得できるものだった。
「こらこら、納得したような表情をするんじゃない。君はもっと素直で可愛いだろう?」
「そ、そんなことは……可愛いだなんて……!」
「ふふふ、とても可愛いさ、ミレーヌ」
「ぐ、グレス王子殿下!」
「はははははっ」
仕返しをされたのだろうか? グレス王子殿下にそんなことを言われると、やはり照れてしまう。この反応だけで、私の気持ちは筒抜けになっているでしょうね……。
本当に他愛もない話ではあるけれど、なんだかとても楽しいわ。ふふふ、と思わず笑顔が出てしまう。
「グレス王子殿下とこうして出かけられるだけで、私はとても幸せな気持ちになってしまいます。不思議なものですね……」
「確かにな……やはり、本日は私にとって大切な日になりそうだ」
「こうしたデートの日が大切、という意味ですか?」
「そうなるな。私としては君とこうして、大切な日を何度も作っていきたいと思っているよ。どうだろうか?」
何度も……それは今後も、グレス王子殿下と出掛けられることを意味していた。私に拒否権はないし、拒否をする必要もない。
「はい、私でよければ喜んでお供させていただきます」
「そうか……ありがとう、ミレーヌ。とても嬉しいよ」
「いえ、グレス王子殿下。私もとても幸せでございます」
バクラ様との一件が終了し、グレス王子殿下とはデートが出来る。こんな幸せなことがあって良いのだろうか、と疑ってしまうけれど……これはジーン王女殿下のおかげでもあったりする。彼女には本当に感謝しか出来ないわね。
「ん? ああそれは……まあ、なんというか……」
「グレス王子殿下?」
彼は顔を赤らめながら、そっぽ向いてしまった。その態度だけでもなんとなく予想がついてしまう。そもそも、私は今デート中なのだから余計にだ。
デートをしているということは、少なからず、相手への好意があるということなので、お互いに……。私だってグレス王子殿下のことは好きだし、グレス王子殿下も私のことを好いてくれてはいると思う。その上で、大切な日なんて言われていまうと……期待感が増してしまうというか。
「ふふふ、グレス王子殿下?」
「ん、な、なんだい? ミレーヌ?」
「ここは森林公園で木々が多くございますね」
「そ、そうだな……それがどうかしたのか?」
もう一押ししてみよう……私はそう考えた。
「木々の影に隠れて……と、いうことも可能かと思われますよ?」
「ミレーヌ……なんだか、ジーンにみたいなことを言うな君は。本質的には似ているのかもしれないぞ」
「あ、なるほど……」
似ている部分があるからこそ、ジーン王女殿下と仲良くなれたのかもしれない。グレス王子殿下をいじめたくなる衝動……やり過ぎると不敬罪に問われかねないので、程々にしておかないといけないけれどね。グレス王子殿下の言葉は妙に納得できるものだった。
「こらこら、納得したような表情をするんじゃない。君はもっと素直で可愛いだろう?」
「そ、そんなことは……可愛いだなんて……!」
「ふふふ、とても可愛いさ、ミレーヌ」
「ぐ、グレス王子殿下!」
「はははははっ」
仕返しをされたのだろうか? グレス王子殿下にそんなことを言われると、やはり照れてしまう。この反応だけで、私の気持ちは筒抜けになっているでしょうね……。
本当に他愛もない話ではあるけれど、なんだかとても楽しいわ。ふふふ、と思わず笑顔が出てしまう。
「グレス王子殿下とこうして出かけられるだけで、私はとても幸せな気持ちになってしまいます。不思議なものですね……」
「確かにな……やはり、本日は私にとって大切な日になりそうだ」
「こうしたデートの日が大切、という意味ですか?」
「そうなるな。私としては君とこうして、大切な日を何度も作っていきたいと思っているよ。どうだろうか?」
何度も……それは今後も、グレス王子殿下と出掛けられることを意味していた。私に拒否権はないし、拒否をする必要もない。
「はい、私でよければ喜んでお供させていただきます」
「そうか……ありがとう、ミレーヌ。とても嬉しいよ」
「いえ、グレス王子殿下。私もとても幸せでございます」
バクラ様との一件が終了し、グレス王子殿下とはデートが出来る。こんな幸せなことがあって良いのだろうか、と疑ってしまうけれど……これはジーン王女殿下のおかげでもあったりする。彼女には本当に感謝しか出来ないわね。
12
お気に入りに追加
2,535
あなたにおすすめの小説

一度腹を壊しただけで婚約破棄された令嬢は相手を絶対許しません!
常野夏子
恋愛
婚約者アルバートに裏切られ、心を深く傷つけられた令嬢イリス。彼女は、ただ一度の腹の不調が理由で婚約破棄を突きつけられるという無念の状況に直面する。だが、イリスはその屈辱を決して忘れなかった。
王太子様に婚約破棄されたけど、私はあなたの婚約者ではないのですが
ぬぬぬ木
恋愛
貧乏男爵令嬢であるキャノンは、王太子様の婚約者であるセレナーデ令嬢の使用人をしている。美しい彼女だが、性格は恐ろしい程酷くって……
いつも命じれらるのは無茶な"お仕事"。そして勤務最終日の今日、命じられたのは卒業パーティに代わりに参加しろというもの!
そこで王太子様から告げられる婚約破棄。……でもなんで私に言ってくるの!? 私あなたの婚約者じゃないんですけど!?


公爵令嬢は運命の相手を間違える
あおくん
恋愛
エリーナ公爵令嬢は、幼い頃に決められた婚約者であるアルベルト王子殿下と仲睦まじく過ごしていた。
だが、学園へ通うようになるとアルベルト王子に一人の令嬢が近づくようになる。
アルベルト王子を誑し込もうとする令嬢と、そんな令嬢を許すアルベルト王子にエリーナは自分の心が離れていくのを感じた。
だがエリーナは既に次期王妃の座が確約している状態。
今更婚約を解消することなど出来るはずもなく、そんなエリーナは女に現を抜かすアルベルト王子の代わりに帝王学を学び始める。
そんなエリーナの前に一人の男性が現れた。
そんな感じのお話です。

他人の婚約者を誘惑せずにはいられない令嬢に目をつけられましたが、私の婚約者を馬鹿にし過ぎだと思います
珠宮さくら
恋愛
ニヴェス・カスティリオーネは婚約者ができたのだが、あまり嬉しくない状況で婚約することになった。
最初は、ニヴェスの妹との婚約者にどうかと言う話だったのだ。その子息が、ニヴェスより年下で妹との方が歳が近いからだった。
それなのに妹はある理由で婚約したくないと言っていて、それをフォローしたニヴェスが、その子息に気に入られて婚約することになったのだが……。

婚約破棄された令嬢は、それでも幸せな未来を描く
瑞紀
恋愛
伯爵の愛人の連れ子であるアイリスは、名ばかりの伯爵令嬢の地位を与えられていたが、長年冷遇され続けていた。ある日の夜会で身に覚えのない婚約破棄を受けた彼女。婚約者が横に連れているのは義妹のヒーリーヌだった。
しかし、物語はここから急速に動き始める……?
ざまぁ有の婚約破棄もの。初挑戦ですが、お楽しみいただけると幸いです。
予定通り10/18に完結しました。
※HOTランキング9位、恋愛15位、小説16位、24hポイント10万↑、お気に入り1000↑、感想などなどありがとうございます。初めて見る数字に戸惑いつつ喜んでおります。
※続編?後日談?が完成しましたのでお知らせ致します。
婚約破棄された令嬢は、隣国の皇女になりました。(https://www.alphapolis.co.jp/novel/737101674/301558993)

妹に婚約者を奪われたので妹の服を全部売りさばくことに決めました
常野夏子
恋愛
婚約者フレデリックを妹ジェシカに奪われたクラリッサ。
裏切りに打ちひしがれるも、やがて復讐を決意する。
ジェシカが莫大な資金を投じて集めた高級服の数々――それを全て売りさばき、彼女の誇りを粉々に砕くのだ。

あなたに婚約破棄されてから、幸運なことばかりです。本当に不思議ですね。
香木陽灯(旧:香木あかり)
恋愛
「今まではお前が一番美人だと思っていたけれど、もっと美人な女がいたんだ。だからお前はもういらない。婚約は破棄しておくから」
ヘンリー様にそう言われたのが、つい昨日のことのように思い出されます。別に思い出したくもないのですが、彼が我が家に押しかけてきたせいで思い出してしまいました。
婚約破棄されたのは半年も前ですのに、我が家に一体何の用があるのでしょうか。
「なんでお前なんかが……この数ヶ月の出来事は全て偶然なのか?どうしてお前ばかり良い目にあうんだ!」
「本当に不思議ですねー。あなたに婚約を破棄されてから、良いことばかり起きるんですの。ご存じの通り、我が領地は急激な発展を遂げ、私にも素敵な婚約話が来たのです。とてもありがたいですわ」
子爵令嬢のローラ・フィンレーは、第三王子のヘンリーに婚約を破棄されて以来、幸運なことばかり起きていた。
そして彼女が幸運になればなるほど、ヘンリーは追い詰められていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる