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16話 罪と罰 その2
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「どのくらいの罪になるんでしょうか……ドキドキします」
「こらこら、テレーズ。小声でもそういうことは言うんじゃないぞ」
「あ、申し訳ありませんでした……」
「いや、わかってもらえればそれで良いよ。私の方こそ悪かった」
「いえ、カイン様が謝罪をなさることは一切ございません。今のは完全に私が悪かったのですから」
小声ながらも続けられている、私とカイン様の会話。その間にも、パーティーをそっちのけで国王陛下や王妃様の存在に関心を持つ貴族達は増えていった。
「こんなに間近で拝見できる日が来るなんて……! テレーズ様には申し訳ないことだけれど、カイン様との婚約以上のインパクトだわ!」
「確かリリアーヌ様が誘拐された時、ザルバック様は鬼神の如く戦われたと伺っているが……あの凛々しいお顔を拝見すると、情景が浮かんでくるというものだな……!」
流石はザルバック国王陛下とリリアーヌ王妃様だわ……人気度が違う。お二人と比較すると、カイン様と私の婚約が小さく見えてしまうのは仕方のないことよね。特に私の方が……。
しかし……こうして注目を集めてしまうと、ラゴウ様とマリア姉さまは完全な晒し者状態ね……。まあ、二人が行ったことを考えると自業自得でしかないんだけれど。
「ラゴウ、それから……マリア嬢よ」
「は、はい……!」
「お前達の無知さ加減……そして、数々の無礼の罪は重い。そして、私とリリアーヌに対する嘘の発言。議会での審議の元、罰については下されることになるだろう」
「えっ……? そ、そんな……お待ちください、陛下!」
「なんだ?」
議会での審議が入る……その言葉を聞いて、ラゴウ様はこの日一番の必死さを見せ始めた。
「謝罪いたします! 無礼をはたらいてしまったこと全てを……! ですから、議会の審議だけはお許しください!」
周囲にはラゴウよりも下の地位の貴族も居るというのに、彼はなりふりを構っていなかった。ようやく事の重大さに気付いたってところかしら。
「そ、そうですわ……!? 私達はあくまで、冗談のつもりでしたのに……! このパーティーに参加したのも全て、軽い気持ちで……」
「軽い気持ちだと……?」
「カイン……?」
「カイン様……?」
マリア姉さまの発言に一番最初に反応したのはカイン様だった。これには私以外に国王陛下も驚いている。
「あなた方二人は、軽い気持ちでパーティーに出席し、私の婚約者であるテレーズを笑いものにしたのだな? 笑止千万だ。ふざけるのも大概にしてもらいたい……!」
「か、カイン殿……?」
「カイン様……?」
カイン様がここまで感情を露わにするなんて……温厚なイメージが強かっただけにギャップが大きかった。案の定、ラゴウ様もマリア姉さまも震え上がっている。
「国王陛下、速やかに二人の処罰は必要だと思われます。議会への報告については、私にお任せください」
「うむ、そうだな。速やかに済ませるとしようか」
「はいっ」
「そ、そんな……国王陛下、カイン殿……! お待ちください!」
「い、いや……! 嫌よ、そんなの……!!」
ラゴウ様もマリア姉さまも、泣き叫ぶ子供のように喚いていた。そこには真摯な謝罪などは一切ない。ましてや、貴族には全く見えなくなっていた。ただの罪人が二人立っているだけのような……。
「こらこら、テレーズ。小声でもそういうことは言うんじゃないぞ」
「あ、申し訳ありませんでした……」
「いや、わかってもらえればそれで良いよ。私の方こそ悪かった」
「いえ、カイン様が謝罪をなさることは一切ございません。今のは完全に私が悪かったのですから」
小声ながらも続けられている、私とカイン様の会話。その間にも、パーティーをそっちのけで国王陛下や王妃様の存在に関心を持つ貴族達は増えていった。
「こんなに間近で拝見できる日が来るなんて……! テレーズ様には申し訳ないことだけれど、カイン様との婚約以上のインパクトだわ!」
「確かリリアーヌ様が誘拐された時、ザルバック様は鬼神の如く戦われたと伺っているが……あの凛々しいお顔を拝見すると、情景が浮かんでくるというものだな……!」
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しかし……こうして注目を集めてしまうと、ラゴウ様とマリア姉さまは完全な晒し者状態ね……。まあ、二人が行ったことを考えると自業自得でしかないんだけれど。
「ラゴウ、それから……マリア嬢よ」
「は、はい……!」
「お前達の無知さ加減……そして、数々の無礼の罪は重い。そして、私とリリアーヌに対する嘘の発言。議会での審議の元、罰については下されることになるだろう」
「えっ……? そ、そんな……お待ちください、陛下!」
「なんだ?」
議会での審議が入る……その言葉を聞いて、ラゴウ様はこの日一番の必死さを見せ始めた。
「謝罪いたします! 無礼をはたらいてしまったこと全てを……! ですから、議会の審議だけはお許しください!」
周囲にはラゴウよりも下の地位の貴族も居るというのに、彼はなりふりを構っていなかった。ようやく事の重大さに気付いたってところかしら。
「そ、そうですわ……!? 私達はあくまで、冗談のつもりでしたのに……! このパーティーに参加したのも全て、軽い気持ちで……」
「軽い気持ちだと……?」
「カイン……?」
「カイン様……?」
マリア姉さまの発言に一番最初に反応したのはカイン様だった。これには私以外に国王陛下も驚いている。
「あなた方二人は、軽い気持ちでパーティーに出席し、私の婚約者であるテレーズを笑いものにしたのだな? 笑止千万だ。ふざけるのも大概にしてもらいたい……!」
「か、カイン殿……?」
「カイン様……?」
カイン様がここまで感情を露わにするなんて……温厚なイメージが強かっただけにギャップが大きかった。案の定、ラゴウ様もマリア姉さまも震え上がっている。
「国王陛下、速やかに二人の処罰は必要だと思われます。議会への報告については、私にお任せください」
「うむ、そうだな。速やかに済ませるとしようか」
「はいっ」
「そ、そんな……国王陛下、カイン殿……! お待ちください!」
「い、いや……! 嫌よ、そんなの……!!」
ラゴウ様もマリア姉さまも、泣き叫ぶ子供のように喚いていた。そこには真摯な謝罪などは一切ない。ましてや、貴族には全く見えなくなっていた。ただの罪人が二人立っているだけのような……。
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