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8話 対面 その2
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「お初にお目にかかります。西の国境線を含めた地方を収めております、カイン・サンタローズと申します」
「ほう、これはご丁寧に。私はラゴウ・ジェシスと申します」
「マリア・クルシスですわ。カイン様、以後お見知りおきを……」
「こちらこそよろしくお願い致します。ラゴウ・ジェシス伯爵にマリア・クルシス子爵令嬢」
特に問題なく姉さま達とカイン様の挨拶は終わった。ここまでで、何か大きな変化はないようだけれど。先ほどの姉さま達の辺境伯軽視の態度が非常に気になるところだ。
「マリア嬢、ラゴウ殿。今回はささやかな婚約パーティーを開かせていただいております」
「ええ、その通りでしょうな。なかなか、質素な規模で私は嫌いではありませんぞ」
「ただ、婚約パーティーという名目にしては、やや質素過ぎませんか?」
「確かにそうだな。辺境伯殿の財政規模が出てしまっているのか……地方領主というのは大変ですな」
ラゴウ様とマリア姉さまは明らかに失礼な態度を取っている。話し方としては問題ないのかもしれないけれど……。目線が完全に上からになっている。
もしかして、本当にカイン様の権力の高さを知らないんじゃ……。
「はははっ、これは手厳しい。確かに開拓地なども管理しておりますので、予算が飛んでいくのは否めないですね。ですので、テレーズ嬢にも規模の小さいパーティーで迷惑を掛けております」
「いえ、そんなカイン様……規模が小さいなんてことは……」
特別に大きくはないかもしれないけれど、普通レベルの規模は十分に誇っていた。
「いや、テレーズ。規模が小さいことは間違いないさ。君への配慮が行き届いていなかった……婚約者としては反省点だと思う」
「カイン様……」
ラゴウ様達の意見を素直に取り入れているカイン様。その態度にはまったく変化を感じさせない。軽く流している節さえある。
「分かっているんじゃありませんか、カイン様。仮にも妹との婚約を祝うパーティーなんですから、盛大にやってもらいたいものですわ」
「そうだな、マリア。お前の立場からすればそうなるだろう。ただ、一介の地方領主に望んでも仕方ないことだと思うぞ?」
「……!」
聞き捨てならない言葉が放たれた気がする。周囲の貴族も二人の態度に怪訝な様子を見せている。話し声が聞こえたのだろう。流石にこれは指摘した方が良いかもしれない……そんな風に考えていると、カイン様が先に発言した。
「パーティー規模については反省点だと思っています。その代わりと言ってはなんですが……懇意にさせていただいている方々にもお越しいただいております」
「懇意にしている方々? ほう、それは楽しみですな」
「ええ、そのとおりです。そろそろ、来ていただけるかと思いますが……ああ、丁度お見えになられましたね」
「えっ……? ラゴウ様、あの方は……」
「い、いや……何かの間違いだろう? そんなはずは……」
「こ、国王陛下……それに、王妃様まで……」
信じられない。マリア姉さまやラゴウ様は目を疑っていたけれど、私も開いた口が塞がらなかった。本来であれば、サイドル王国の首都アルスターレにあるマグナ宮殿内でしか、お会い出来ないであろう最高権力者のお二人がお見えになっていたのだから。
侯爵様などがお越しになっていたのは分かっていたけれど、まさか国王陛下や王妃様までお越しになるなんて。辺境伯カイン様の権力の高さを改めて思い知った瞬間だった。
「ほう、これはご丁寧に。私はラゴウ・ジェシスと申します」
「マリア・クルシスですわ。カイン様、以後お見知りおきを……」
「こちらこそよろしくお願い致します。ラゴウ・ジェシス伯爵にマリア・クルシス子爵令嬢」
特に問題なく姉さま達とカイン様の挨拶は終わった。ここまでで、何か大きな変化はないようだけれど。先ほどの姉さま達の辺境伯軽視の態度が非常に気になるところだ。
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もしかして、本当にカイン様の権力の高さを知らないんじゃ……。
「はははっ、これは手厳しい。確かに開拓地なども管理しておりますので、予算が飛んでいくのは否めないですね。ですので、テレーズ嬢にも規模の小さいパーティーで迷惑を掛けております」
「いえ、そんなカイン様……規模が小さいなんてことは……」
特別に大きくはないかもしれないけれど、普通レベルの規模は十分に誇っていた。
「いや、テレーズ。規模が小さいことは間違いないさ。君への配慮が行き届いていなかった……婚約者としては反省点だと思う」
「カイン様……」
ラゴウ様達の意見を素直に取り入れているカイン様。その態度にはまったく変化を感じさせない。軽く流している節さえある。
「分かっているんじゃありませんか、カイン様。仮にも妹との婚約を祝うパーティーなんですから、盛大にやってもらいたいものですわ」
「そうだな、マリア。お前の立場からすればそうなるだろう。ただ、一介の地方領主に望んでも仕方ないことだと思うぞ?」
「……!」
聞き捨てならない言葉が放たれた気がする。周囲の貴族も二人の態度に怪訝な様子を見せている。話し声が聞こえたのだろう。流石にこれは指摘した方が良いかもしれない……そんな風に考えていると、カイン様が先に発言した。
「パーティー規模については反省点だと思っています。その代わりと言ってはなんですが……懇意にさせていただいている方々にもお越しいただいております」
「懇意にしている方々? ほう、それは楽しみですな」
「ええ、そのとおりです。そろそろ、来ていただけるかと思いますが……ああ、丁度お見えになられましたね」
「えっ……? ラゴウ様、あの方は……」
「い、いや……何かの間違いだろう? そんなはずは……」
「こ、国王陛下……それに、王妃様まで……」
信じられない。マリア姉さまやラゴウ様は目を疑っていたけれど、私も開いた口が塞がらなかった。本来であれば、サイドル王国の首都アルスターレにあるマグナ宮殿内でしか、お会い出来ないであろう最高権力者のお二人がお見えになっていたのだから。
侯爵様などがお越しになっていたのは分かっていたけれど、まさか国王陛下や王妃様までお越しになるなんて。辺境伯カイン様の権力の高さを改めて思い知った瞬間だった。
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