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4話 連絡
しおりを挟む「エンブリオ侯爵は身勝手な婚約破棄をしただけでなく、慰謝料すら払わないと言ったのか?」
「左様でございます。慰謝料は支払わないと……」
「なんということだ。まさか、侯爵の立場にある者がそんな基本的なことを疎かにするとは……」
マークス様はクロッセ様の身勝手な振る舞いをとても残念に思っているようだった。まあ、普通に考えればおかしなことだ。
「アルド殿が対策を練っているようだが、それでも無理な場合は私が何とかしてみよう」
「マークス様、よろしいのですか?」
「ああ、大船に乗ったつもりでいてくれ」
「わ、分かりました……ありがとうございます」
これは驚いた……慰謝料の問題について、王子殿下が助けになってくれるとは。これ以上ない程に頼りになる存在なのだから。
「しかし、マークス様。どうして私の為にそこまでしてくれるのですか?」
「ん? まあ、その辺りは追々説明しよう」
あれ? なんだかマークス様の顔が赤いような……それにはぐらかされてしまったわ。
「私も意外と忙しい身なのでな。カミーユの様子も見れたことだし、私はそろそろ失礼させてもらおうか」
「あ、畏まりました。その……わざわざ、来ていただいて本当にありがとうございます!」
私は精一杯頭を下げてお礼を言った。こんな言葉では言い表せない程に嬉しいけれど、今の私に出来ることはこれくらいだ。
「はは、本当なら気にするなと言いたいところだが、せっかくのカミーユからのお礼だ。ありがたく受け取っておくよ」
「はい、マークス様。あの……また、会えるでしょうか?」
「ああ、そうだな。私もカミーユの様子は定期的に見たいと思っているし……こちらに居る、ゼランと相談してくれ」
マークス様がそう言うと、ゼラン様が前に出て来た。彼と相談すれば良いのかしら?
「私はマークス様の付き人として同行しております。マークス様への連絡係も行っておりますので……必要な場合は私にご連絡くださいませ。マークス様とお会いになられる際の日程調整など、ご相談させていただきますので……」
「畏まりました。よろしくお願いいたしますね、ゼラン様」
「こちらこそよろしくお願い致します、カミーユ様」
マークス様に会いたければ、まずは子爵令息のゼラン様を通せば良いわけね。これは嬉しいことを聞いたわ。
その後、私はゼラン様から連絡先を教わった。宮殿に直接連絡しても良いし、ゼラン様の屋敷に連絡しても良いとのことだった。これからはゼラン様と会うことが多くなりそうね。
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指摘や誤字報告にのみの返事になるのが申し訳無いのですが、全て目を通し、反映させて頂いております。
稚拙な文でご不快に思われる方もいるかと思いますが、モチベーションのやりくりをしながら完結まで書きたいと思っておりますので、引き続きご覧頂ければ幸いです。
読んでくださる皆様に心からの感謝を。
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