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13話 結果 その1
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お父様とスコットによる挟撃……それによって、ジラーク国王陛下がどのような判断を下すのかが、非常に重要な焦点となっていた。
お父様だけの懇願では弱いと言えるけれど、隣国であるテスタメント王国の王子殿下の嘆願もあるのだ……いくら、ジラーク国王陛下といえども、無下には出来ない状況になっているようだった。
「なんとか、ご慈悲をいただけませんでしょうか!? 国王陛下! 我が娘、リドリーのご慈悲を……!」
「む、むう……アップル伯爵……」
「ジラーク国王陛下……ソドム・ゴーリキー公爵は明らかに無茶な要求をしております。いくら、貴族の中で最高峰の公爵家の当主とはいえ、国王陛下の配下であることには変わりないはず……この事態を何とか出来ないようであれば、周辺国家からの干渉を許す可能性がありますよ?」
「スコット殿……それは……」
ジラーク国王陛下も分かっているのか、明確な言葉を出せないでいるようだった。明らかに言葉を濁している。
お父様からの感情に訴えかける嘆願と、隣国の王子であるスコットからの正論にも近い発言……この二つを一度に浴びてしまっては、流石のジラーク国王陛下も頭を抱える状況に陥っているようだった。
何が国家にとって一番重要なことか? それを、ジラーク国王陛下は考えているのだと思う。
「そこのお前……」
「はい! 国王陛下、如何なされましたでしょうか!」
室内の警護に当たっていた専属護衛の一人が、ジラーク国王陛下の言葉に素早く反応した。専属護衛だけあって、どこかで見た顔だ……おそらくだけど、私よりも上の地位の貴族なんじゃないかしら?
「フィフスを呼んで来てもらえるか?」
「畏まりました、すぐに!」
ジラーク国王陛下は自分だけでの判断は難しいと悟ったのだと思う。国王陛下が発言した人物はフィフス・ネドリー大公殿下のことだ。王家の親族に当たり、大臣の地位に就いているお方になる。
ジラーク国王陛下はフィフス大臣の意見を参考にする気みたいね……これはつまり、私達の嘆願が通る可能性を示唆していた。
お父様だけの懇願では弱いと言えるけれど、隣国であるテスタメント王国の王子殿下の嘆願もあるのだ……いくら、ジラーク国王陛下といえども、無下には出来ない状況になっているようだった。
「なんとか、ご慈悲をいただけませんでしょうか!? 国王陛下! 我が娘、リドリーのご慈悲を……!」
「む、むう……アップル伯爵……」
「ジラーク国王陛下……ソドム・ゴーリキー公爵は明らかに無茶な要求をしております。いくら、貴族の中で最高峰の公爵家の当主とはいえ、国王陛下の配下であることには変わりないはず……この事態を何とか出来ないようであれば、周辺国家からの干渉を許す可能性がありますよ?」
「スコット殿……それは……」
ジラーク国王陛下も分かっているのか、明確な言葉を出せないでいるようだった。明らかに言葉を濁している。
お父様からの感情に訴えかける嘆願と、隣国の王子であるスコットからの正論にも近い発言……この二つを一度に浴びてしまっては、流石のジラーク国王陛下も頭を抱える状況に陥っているようだった。
何が国家にとって一番重要なことか? それを、ジラーク国王陛下は考えているのだと思う。
「そこのお前……」
「はい! 国王陛下、如何なされましたでしょうか!」
室内の警護に当たっていた専属護衛の一人が、ジラーク国王陛下の言葉に素早く反応した。専属護衛だけあって、どこかで見た顔だ……おそらくだけど、私よりも上の地位の貴族なんじゃないかしら?
「フィフスを呼んで来てもらえるか?」
「畏まりました、すぐに!」
ジラーク国王陛下は自分だけでの判断は難しいと悟ったのだと思う。国王陛下が発言した人物はフィフス・ネドリー大公殿下のことだ。王家の親族に当たり、大臣の地位に就いているお方になる。
ジラーク国王陛下はフィフス大臣の意見を参考にする気みたいね……これはつまり、私達の嘆願が通る可能性を示唆していた。
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