妹の婚約者自慢がウザいので、私の婚約者を紹介したいと思います~妹はただ私から大切な人を奪っただけ~

マルローネ

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10話 読書の話 その1

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「あ、あの……ゼラスト様!」

「どうしたんだ、カリファ嬢?」


 なんだか急にカリファが元気になったような気がする。私とゼラスト様が書斎で読書の話をしていたと言った後で。

「ゼラスト様は読書が趣味なんですよね?」

「ああ、それはさっき言ったと思うが……」

「そうでしたね、失礼致しました。でも実は、私も読書が趣味なんです!」


 カリファのその言葉にゼラスト様の表情が少し変化したように見えた。やっぱりゼラスト様は同じ趣味を持つ人には興味が行くのかな?

「ほう……そうだったのか。まあ、アメリアも読書が趣味なので、不思議ではないか」

「まあ、そうなりますね! ゼラスト様はどういう本に興味があるのですか?」

 これは……なんだか怪しい気がする。カリファは一体、何を企んでいるのか……話を趣味の読書にシフトさせたわ。

「そうだな……特に偏って好きな本というのはないが、経済系や歴史系の本は好きだな」

「なるほどなるほど……歴史系や経済系の本ですか」

「そうだな」


 カリファは隣に座っているラニッツ様など眼中にないように、ゼラスト様に夢中なようだ。本当に何を企んでいるのかしら……。


-------------------------

 カリファ視点……。


 経済系や歴史系の本か、ゼラスト様の読んでいる本が分かって良かったわ! あとは、この屋敷に置かれていた歴史系の本なんかを考えれば良いのよ。確か……。


「ファーブセン王国の歴史なんて私も好きですよ!」

「そうだな、王国で生まれた以上は歴史を学ぶというのは基本と言えるだろうか。私もこの国の成り立ちは好きだよ」

「はい、その通りだと思います!」


 よ~し、ここで有名な歴史書の名前を出して、一気にゼラスト様の興味を惹いてやるわ。


「アジラ・ドールの歴史書なんかとても参考になりますよね! 私はあの本でこの国の成り立ちを学びました! 読みやすくて最高ですね」

「アジラ・ドールか……なるほど」


 あの本は歴史書としては有名な本よ。私の読書力を見せつけるには最適な本と言えるわね。見ていなさい、アメリア姉さま! ゼラスト様の興味を私に惹いて悔しがらせてやるんだから!

「アジラ・ドールの歴史書はシリーズ化されているな」

「左様でございますね! 私、全巻読破しましたよ!」

「そうか……」

 あれ? なんだか、反応が薄いような気がする。あのシリーズ全部読むの、結構辛かったんだけど……。

「マルクス・ハントニウスの歴史書や経済書はどうだ? アジラ・ドールの本が入門編だとするなら、彼の本は応用編といった印象があるのだが」

「マルクス・ハントニウス……?」

 ええと、誰だっけそれ……マズイ、ゼラスト様はその人物の方に興味を示されているわ! なんとか思い出さないと……!
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