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22話 パーティーへ その1
しおりを挟む「ギゼフ様のパーティーなんですが、本当に出席して大丈夫だったのでしょうか?」
「そうだな、正式に許可も下りているし、父上からも様子を見て来るように言われた。もちろん、シェイナ嬢の出席の許可も下りている。何も心配することはないさ」
「それなら、良いのですが……」
私はキース様と並んで、再びギゼフ様の屋敷へと来ていた。この前の絵画の捜索は一通り終えたタイミングだ。ギゼフ様への罰に関しては、裁判所の判断に委ねるとしている。私やキース様の発言もかなり考慮されるようだけれど……。
「コホン、失礼ながら申し上げます……」
「ライズ……」
そして、私の隣にはお付きとしてメイドのライズが立っていた。スパイのような雰囲気を醸し出すライズだけれど、最近は違和感を感じなくなってきたのよね。慣れって恐ろしいわ……彼女の正体については未だに不明なんだけれど。いえ、そもそも正体があるかどうかが分からないけれどね。
「どうかしたのか、ライズ」
「はい、キース王子殿下。ギゼフ様に関することですが、今はまだ拘束などを行っていないと聞いておりますが」
「まあ、即時拘束をするほどの罪ではないからな。ただし、屋敷には私達の兵士が常駐しており、反乱や逃亡はできないようにしている」
「なぜ、そのようなことをなさったのでしょうか? やはり、今回のパーティー開催に原因があるのでしょうか?」
「……」
なんだか蚊帳の外感が拭えないわね……普通にキース様と重要事項について話し合っているライズは凄かった。ただのメイドのはずなのに……。
「まあ、そういうことになるな。ギゼフ殿が他国の者にどのような言い訳をするか、というのも見物ではあったし」
「まあ、それはそれは……」
この前のライズと同じ考えだ……キース様もやはり楽しみにしていたのね。
「何よりもパーティーの開催が急に中止になれば、我が国全体の信用度が下がる可能性もあったからな。どのみち、ギゼフ殿は逃げ場はないのだし予定通り開催しても大丈夫だろうという、王家の判断だ」
「とても賢明はご判断かと存じます」
「ありがとう、ライズ」
キース様とライズ……なんだか漫才を見ているような雰囲気だった。ちょっとだけモヤモヤが生まれたりなんかして……て、違う違う。
「さて、シェイナ嬢。手を差し出してくれないか?」
「は、はい。キース様」
私は彼の前に右手を差し出した。その手をキース様は左手で優しく握ってくれる。なんだか幸せを感じた瞬間だったけれど、私達はそのままパーティー会場へと入ることになった。
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