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20話 詰み
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「申し訳ありませんでした……キース王子殿下」
「謝罪をする相手は私ではないだろう? ギゼフ殿」
「そ、そうですね……申し訳ない、シェイナ嬢」
ギゼフ様はやや不満気にしていたけれど、私に対して頭を下げた。
「謝罪をしていただけるのでしたら、身勝手に徴収した絵は全て返却していただけますね?」
「い、いや、それは……!」
ギゼフ様は返却に関しては嫌がっているようだ。信用問題に繋がるから困るのだろうけれど、それに関してはギゼフ様の自業自得ね。不当なな方法で集めた絵を他国の貴族に売る方が、後で問題になるケースもあるだろうし……。
「嫌がったところで無駄だぞ、ギゼフ殿。調べは既についているのだから、屋敷を捜索して不当な方法で入手した絵に関しては元の持ち主に返却する」
「キース王子殿下、そんな……! それをされては、私が請け負った他国の貴族に絵を売ることが出来なくなってしまいます……!」
「そのことに関しては、ギゼフ殿の方でなんとかするのだ。自分で蒔いた種なのだからな」
「うう……」
ギゼフ様はかなり落ち込んでいるようだけれど、全く同情する気にはなれなかった。むしろ、彼のやったことを考えれば、他国の貴族に説明するのは当然だと言える。そのくらいで済ませられるのは、相当に優しい対応だと思うしね。
「素直に返却に応じた方が良いぞ? なあ、ライズ?」
「左様でございますね。今の段階でギゼフ様は横領罪や脅迫罪の罪に科せられると思いますので。出来るだけ素直になった方が良いでしょう」
「く、くく……!! 私がこんな屈辱を……!」
ライズはの言葉はとても1メイドのものとは思えなかった。彼女は一体、何者なんだろうか。ギゼフ様は既に全く言い返せなくなっているし。
「さて、兵士を屋敷内に呼ぶとしようか。ランバル侯爵家の屋敷だけあり、相当な広さだからな。私達だけでは、とても探し切れないだろう」
ギゼフ様の返答に関係なく、キース様はどんどん話を進めて行った。確かに私達と護衛の人だけで、この屋敷内を探すのは難しいと思うけれど、仮にも侯爵家の屋敷を強制的に捜索できるなんて、流石は王子殿下といったところかしら。
「……」
「お、終わった……私はこれから、どうすれば良いのだ……?」
詰み、を感じ取ったのか、ギゼフ様はとても憔悴しているようだった。気持ちは分からなくはないけれど、そこまで人生終了にはなっていない気がするけれど。
ギゼフ様の中では人生終了なのかもしれない。彼は侯爵という肩書きを持つにはメンタルが弱かったみたいね。
「謝罪をする相手は私ではないだろう? ギゼフ殿」
「そ、そうですね……申し訳ない、シェイナ嬢」
ギゼフ様はやや不満気にしていたけれど、私に対して頭を下げた。
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ギゼフ様は返却に関しては嫌がっているようだ。信用問題に繋がるから困るのだろうけれど、それに関してはギゼフ様の自業自得ね。不当なな方法で集めた絵を他国の貴族に売る方が、後で問題になるケースもあるだろうし……。
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「キース王子殿下、そんな……! それをされては、私が請け負った他国の貴族に絵を売ることが出来なくなってしまいます……!」
「そのことに関しては、ギゼフ殿の方でなんとかするのだ。自分で蒔いた種なのだからな」
「うう……」
ギゼフ様はかなり落ち込んでいるようだけれど、全く同情する気にはなれなかった。むしろ、彼のやったことを考えれば、他国の貴族に説明するのは当然だと言える。そのくらいで済ませられるのは、相当に優しい対応だと思うしね。
「素直に返却に応じた方が良いぞ? なあ、ライズ?」
「左様でございますね。今の段階でギゼフ様は横領罪や脅迫罪の罪に科せられると思いますので。出来るだけ素直になった方が良いでしょう」
「く、くく……!! 私がこんな屈辱を……!」
ライズはの言葉はとても1メイドのものとは思えなかった。彼女は一体、何者なんだろうか。ギゼフ様は既に全く言い返せなくなっているし。
「さて、兵士を屋敷内に呼ぶとしようか。ランバル侯爵家の屋敷だけあり、相当な広さだからな。私達だけでは、とても探し切れないだろう」
ギゼフ様の返答に関係なく、キース様はどんどん話を進めて行った。確かに私達と護衛の人だけで、この屋敷内を探すのは難しいと思うけれど、仮にも侯爵家の屋敷を強制的に捜索できるなんて、流石は王子殿下といったところかしら。
「……」
「お、終わった……私はこれから、どうすれば良いのだ……?」
詰み、を感じ取ったのか、ギゼフ様はとても憔悴しているようだった。気持ちは分からなくはないけれど、そこまで人生終了にはなっていない気がするけれど。
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