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4話 父親からの応援 その1
しおりを挟む「メイミーよ、少しよいかな?」
「あ、お父様! 如何なさいましたでしょうか?」
その日、私は部屋で静かに読書をしていた。近くでは専属執事のオーランが片付けをしてくれていたけれど。そこに入って来たのは、私の父であるデナム・シュバルツ侯爵だった。ニコニコと笑いながら入って来ているので、何か良いことがあったのかもしれない。
「メイミーよ、カルドーイ・マグスタ侯爵との一件なのだが、少しは落ち着いたかね?」
「お父様……」
落ち着いたというのは、何を持って言えば良いのだろうか? 最近はオーランと一緒に行動していることが多いので、彼のおかげで癒されているという気持ちにはなるけれど。答えが難しい質問だった。
「そうですね、お父様。専属執事をやってくれているオーランのおかげで、大分、マシにはなったと思います」
「なるほど……他の者からも聞いているが、オーランのおかげというわけか」
「はい、そうですね。オーランは本当に優しく接してくれていますので」
そう言いながら、私は彼の方向に視線を合わせた。オーランは少し照れたような表情になっているみたいね。
「本当にありがとう、オーラン。私になんかに付き添ってくれて」
「いえ、そんな……メイミー様に寄り添うことが私の使命のようなものですので……」
やや、顔を赤くしながらも、オーランはとても嬉しい言葉を掛けてくれた。彼には本当に助けられていると思うわ。
「ふむふむ……メイミーもまんざらでもない、ということだな……これはこれは」
「えっ、お父様……?」
なんだか、お父様の態度が不思議に思えた。何を言っているのだろうか? まんざらでもないって聞こえたけれど……。
「メイミーよ、これからもオーランと一緒に出掛けるのだぞ。彼は剣術に武術にも精通しているからな。魔法こそ使えないが、通常のボディガードとしては、かなりのレベルに達していると言えるだろう」
「は、はい……それは、存じ上げておりますが……」
なんだろう? 急に話の内容が変わったような気がするけれど……。お父様は最初、私が元気になったかの確認に来ていなかった? それが今は、オーランとの話になっている気がする。
「オーランと一緒に出掛け、どんどん癒されてくるがいいさ。それが一番、お前にとっても幸せなことだろうしな」
「は、はい……」
なんだか目的が変わっているような気がする。以前のお父様は、こんなにオーランとのお出かけを推奨していたかしら?
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