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12話
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クラレンス第四王子殿下と知り合って、それなりの時間が経過した。時間にして3週間以上になると思う。
「私は第四王子と言うだけあって、兄上達のように忙しくはない。よければ話し相手として、付き合っていかないか?」
「は、はい! それはもちろんでございます!」
と以前のレベル5の舞踏会の最後に言われたのだ。私としてはびっくりする内容ではあったけれど、願ったり叶ったりだったので、すぐにOKした。ソアラ姉さまがやけにニヤニヤしていたのが気になったけれど……。
まあ、とにかくクラレンス様と仲良く? なれたというわけである。
「クラレンス様が私の屋敷に来られると、なんだか身が引き締まる思いです」
「そうかな? それほど、特別なことでもないような気がするが……」
「いえいえ、そんなことは絶対にないと思います……」
もしかしたら、クラレンス様は自分の身分の高さをまだ分かっていないのかもしれない。第四王子とはいえ、その権力は相当なものだ。普通に考えれば貴族の誰よりも偉い。
貴族階級は王家の配下という位置付けなのだから。話す内容にもよるだろうけれど、公爵家でも基本的にはクラレンス様には逆らえないはず。
そういう意味では、ソアラ姉さまの婚約者であるフォックス・マゼラン大公殿下よりも権力が上かもしれない。いや、流石にそこまではいかないのかな……?
「でも、不思議な感じですね。私とクラレンス様がこうして、部屋でお話をしているというのは……」
「それはそうかもしれないな。まだ知り合って、それほど経過していないのに」
なにせ本格的に知り合えた、と言えるのは3週間前だし……クラレンス様のおっしゃった言葉に私も頷いた。
「ソアラ姉さまのかなり強引な行為がありましたので……」
「ははは、あの人は凄いな、色々と……」
「はい……私もそう思います」
「しかし、頼れる姉さんと言ったところか」
「そうですね。それは間違いございません、私も将来はソアラ姉さまのような人物になりたいと思っています」
ソアラ姉さまに追いつくのは、なかなか道が険しいけれどね……精神からして違うものを感じるし。
クラレンス様との会話は本当に些細なことの繰り返しだった。特別面白い話をしているわけではないけれど、不思議と私は心地よかった。やっぱり、彼に惹かれているような気がする。なにか特別なことが起きてもいいような……とか、邪なことを考えていると。
「失礼いたします、レミュラ様、クラレンス王子殿下」
「ライザ、どうしたの?」
私の部屋にメイドのライザが入って来た。少し焦っているようにも見受けられるけど……。
「はい……実は、ボイド・カーティス様がお見えになっておられまして……」
「ええっ!? ボイド様が……?」
こんな時に一体何の用件なんだろう。慰謝料関係のことかしら? でも、あの方がそんな簡単に支払うとは思っていないけれど。クラレンス様との平穏な会話は一時、中断という形になってしまった。
「私は第四王子と言うだけあって、兄上達のように忙しくはない。よければ話し相手として、付き合っていかないか?」
「は、はい! それはもちろんでございます!」
と以前のレベル5の舞踏会の最後に言われたのだ。私としてはびっくりする内容ではあったけれど、願ったり叶ったりだったので、すぐにOKした。ソアラ姉さまがやけにニヤニヤしていたのが気になったけれど……。
まあ、とにかくクラレンス様と仲良く? なれたというわけである。
「クラレンス様が私の屋敷に来られると、なんだか身が引き締まる思いです」
「そうかな? それほど、特別なことでもないような気がするが……」
「いえいえ、そんなことは絶対にないと思います……」
もしかしたら、クラレンス様は自分の身分の高さをまだ分かっていないのかもしれない。第四王子とはいえ、その権力は相当なものだ。普通に考えれば貴族の誰よりも偉い。
貴族階級は王家の配下という位置付けなのだから。話す内容にもよるだろうけれど、公爵家でも基本的にはクラレンス様には逆らえないはず。
そういう意味では、ソアラ姉さまの婚約者であるフォックス・マゼラン大公殿下よりも権力が上かもしれない。いや、流石にそこまではいかないのかな……?
「でも、不思議な感じですね。私とクラレンス様がこうして、部屋でお話をしているというのは……」
「それはそうかもしれないな。まだ知り合って、それほど経過していないのに」
なにせ本格的に知り合えた、と言えるのは3週間前だし……クラレンス様のおっしゃった言葉に私も頷いた。
「ソアラ姉さまのかなり強引な行為がありましたので……」
「ははは、あの人は凄いな、色々と……」
「はい……私もそう思います」
「しかし、頼れる姉さんと言ったところか」
「そうですね。それは間違いございません、私も将来はソアラ姉さまのような人物になりたいと思っています」
ソアラ姉さまに追いつくのは、なかなか道が険しいけれどね……精神からして違うものを感じるし。
クラレンス様との会話は本当に些細なことの繰り返しだった。特別面白い話をしているわけではないけれど、不思議と私は心地よかった。やっぱり、彼に惹かれているような気がする。なにか特別なことが起きてもいいような……とか、邪なことを考えていると。
「失礼いたします、レミュラ様、クラレンス王子殿下」
「ライザ、どうしたの?」
私の部屋にメイドのライザが入って来た。少し焦っているようにも見受けられるけど……。
「はい……実は、ボイド・カーティス様がお見えになっておられまして……」
「ええっ!? ボイド様が……?」
こんな時に一体何の用件なんだろう。慰謝料関係のことかしら? でも、あの方がそんな簡単に支払うとは思っていないけれど。クラレンス様との平穏な会話は一時、中断という形になってしまった。
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