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18話

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「驚いたわ。まさか、王太子殿下に告白されるなんてね」

「私も驚きでしたよ。しかもシュノーマン教会の中でなんて」

「ロマンチックと言えばそうなるのだけど。ふふ、ラッド様もなかなか雰囲気を重視するのかもしれないわね」


 私は姉さまを連れて教会に来ていた。あの時の告白から10日経過し、その答えをラッド様に言う為に来ている。私だけだと緊張するのでクレア姉さまにも同行をお願いした。姉さまは喜んでついて来てくれた。


「私の知らない間に、ドルト様とエリーヌ様の一件が解決されたのには驚いたわ。もっと長引くかと思っていただけに」

「あれもラッド様のおかげです。私も長引くと踏んでいただけに、一瞬で解決して驚きました。内心では解決する時なんて来ないかもと思っていたくらいですから……」

「確かにそうね。ドルト様に出会う度にいびられ続ける可能性もあったわけだから。本当にラッド様には感謝しかできないわ。大切な妹を助けてくれて」

「私も同じ気持ちです、姉さま」


 ドルト様とエリーヌ様には、下手をすれば一生いじめられ続ける可能性だってあったわけだ。言葉による暴力を浴びせられ続ける……これがどのくらい辛いことなのかは、容易に想像できる。レストランで実際に起きたわけだから。あれがずっと続くのだ。私はもしかしたら、屋敷から出られなくなっていたかもしれないわね。

 引き籠り……私がそうなっていたかもしれないと考えると、本当にラッド様は救世主だったりする。


------------------------------


 さて、そんな話を姉さまとしていると……教会に訪れる人々の間を縫うように、ラッド様が現れた。少数の護衛と一緒に。


「待たせてしまったかな、シンディ」

「いえ、大丈夫です。ラッド様……時間どおりですね」

「なるほど、それなら良かった。それからクレア嬢もいるのか」

「はい、ラッド様。二人のこれからについて、見届け人として参加させていただきました」

「見届け人か、なるほど。そういう意味ではクレア嬢がピッタリだろうな。私とシンディを再び引き合わせてくれた張本人なのだから」

「そんなに良いものではありませんけど……そう言って貰えて嬉しいですわ」


 めずらしくクレア姉さまは照れているようだった。でも確かに見届け人として、姉さま以上の存在はない。そんな姉さまが見ている中、私は大きく深呼吸をした。


「ラッド様……あの」

「ああ、シンディ。このまえの教会での告白……私とともに歩んでいただけるか、答えを聞かせて貰えないか?」

「答えは最初から決まっていました。でも、少しだけ時間をいただくことで実感したかったんです」

「なるほど。それで……?」

「私もラッド王太子殿下とこれからを歩んで行きたいと思っています。よろしくお願いいたします」


 私は深々と頭を下げた。エンデバーと両想いだった。その嬉しさを噛みしめながら。


「ありがとう、シンディ」

「はい、ラッド様」


 姉さまが見届け人としていなかったら、このままキスをしていたかもしれない。そのくらいの良い雰囲気だった。私は王太子殿下とこれからを共にするのだ。それはきっと楽な道ばかりではないはず。私が……伯爵令嬢の私がラッド様に相応しくならないといけない。

「良かったわね、シンディ。私も応援するわ」

「ありがとうございます、クレア姉さま!」

「大変なことも多いと思うけれど、くじけずに頑張ってね。私も可能ならサポートもするから」


 姉さまのサポートがあれば100人力だ。私はとても嬉しかった。ラッド様と人生を共にできる。その嬉しさに比べれば、困難な道などないも同然だろう。頑張ってみせる……私の道は今、決定したのだから。


 おしまい
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感想 2

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みんなの感想(2件)

ぴ~助
2022.10.02 ぴ~助

おポンチ2人のその後が気になります!

解除
pajan
2022.09.29 pajan
ネタバレ含む
マルローネ
2022.09.29 マルローネ

ありがとうございます!
読んでいただいてとても嬉しいです
ざまぁの部分については今後に活かしていきたいと思います
ありがとうございました

解除

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