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15話

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 レストランの一件からしばらく時間が経過した。現在、私はとあるパーティーに出席している。


「ラッド様と性に関しての話しをしたのは、本当に思い出に残りました……もう一生、そんな人物は現れないでしょうから」

「ははは、確かにそうかもしれないな。非常に刺激的な期間だったよ、あの時は」


 隣にはラッド様がいてくださる。なんだか信じられないことだけれど、あのレストランでの一件を機に私達の仲は近づいているのであった。

「シンディは婚約などはまだ考えていないのか?」

「そうですね。あのようなことがあったばかりですし、しばらくは考えないと思います」

「そうか……」

「ラッド様はどうなんですか?」

「ん? 私か?」


 ラッド様の現在の恋模様は気になるところだ。彼は王太子殿下であることを抜きにしても、モテる要素は多き気がするし。


「以前の婚約者の者とは別れたのでな。今はフリーという立場さ」

「そうだったんですね……では、私と同じということでしょうか?」


 これは意外な発言だった。ラッド様も現在はフリー。なんだか運命的なものを感じてしまう。王太子殿下相手に運命的なものって、失礼かもしれないけれど……。


「まあ、見てください。あの二人は……」

「本当だ。ドルト様とエリーヌ様ですよ」

「ん?」


 そんな時、パーティー会場が騒がしくなっていた。私とラッド様もその方向に目をやると……そこにはドルト様とエリーヌ様の姿があった。


「……!」

「……!」


 周囲からの視線にさらされているようだ。明らかに歓迎されているものではない。ドルト様もエリーヌ様も過去のわがままな態度は消えており、小動物のように縮こまっている様子だ。

「あの二人か……レストランでの一件が広まっているようだな」

「そのようですね。なんだか意外な展開です」

「まあ、自業自得だしそちらは問題ないだろう」

「そうですね」


 自業自得……まさにドルト様とエリーヌ様の二人に設けられたような言葉となっている。あれだけ酷い婚約破棄をして、私に対しての暴言をレストランで言ったのだから、こういうパーティーで白い目で見られるのは当然のことだった。

 白い目で見られる最大の要因は、ラッド王太子殿下に叱責されたことだけれど。あれがなかったら、噂の矛先は私に向いていただろう。

 私は二人を見ながらそんなことを考えていた。でも、同情はまったくしていない。それ以前に彼らのことを余計に考えないようにしているので。自分達の責任なんだから、せいぜい頑張ってくださいとしか言えないわね。

 私はラッド様との会話をしながら、パーティーを楽しむことにするわ。それじゃあね。
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