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2話

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「な、なんだと……! それは本当なのか、パウナ!」

「は、はい……お父様。事実でございます……」


 ウィンド様の屋敷を追放された私は自分の屋敷に戻り、お父様であるロイド・メロスに事の顛末を話していた。お父様に話すのは迷惑になるけれど、隠すことなんて全く出来ないのだから。


「私はウィンド・ゴーリキー伯爵の趣味に付き合わされていました……最初は合わせていたのですが、だんだんと我慢できなくなってしまいまして……」

「拘束されて家畜のように扱われるか……確かに我慢できなくなるだろうな。それはもっともなことだ」

「ありがとうございます、お父様……」


 ウィンド様の行為の愚劣さにお父様も納得してくれているようだった。まあ、流石に納得してくれるとは思っていたけれど。良かった……。


「ウィンド・ゴーリキー伯爵の行い……信じられないことだ。人間を家畜扱いして優越感を得るのが目的だろう無粋な趣味……本当に信じられないといったところか」

「はい……お父様」


 私も最初は信じられないと思っていた。でも、ウィンド様の行いであればそれは正しいのではないかと思ってしまったわけで……。まあ、最初の方は夜の拘束などは従ってしまっていたので、私も悪かったのかもしれないけれど。

 運が悪ければウィンド様の行為に精神的にも支配されてしまっていたのかもしれない。そう考えると恐怖しかないのだけれど……閉鎖空間での行為というのは、しばしばそういう感情を芽生えされるのだろうか。偶には外に出ないといけないわね。

「しかし、お前が拒否をしてくれて本当に良かった。ウィンド様の行為を受け入れてしまってからでは、私達は何も言い返せなかったからな」

「いえ、行為受け入れるなんて、そんなことは……」


 そんなことは決してないとは言いたかったけれど、意外とそうでもないのが怖かった。ウィンド様は結婚まで私の身体を奪うつもりはなかったみたいだけれど、それでも私がもう少し受け入れていれば大変なことになっていたかもしれないわけで……。

 夜の行為に疑問を感じて反論したのは良いタイミングだったのかもしれない。それと同時に婚約破棄をされたのも結果的には良かったのかも……。

「ウィンド様にはしっかりと罪を償ってもらおうか。慰謝料を支払わないと言っているみたいだが、そんなことは許されない」

「で、でもお父様……子爵家である、我がメロス家にそんな力があるでしょうか?」


 メロス家は子爵家でしかない。ウィンド・ゴーリキー様は悔しいけれど伯爵家だ。その地位の差は明らかであって……私達では何も言うことができないかもしれなかった。

「もちろん、私達だけでどうこうするつもりはないさ。強力な味方の援護が必要にはなるだろう」

「えっ……味方ですか?」

「うむ、その通りだ」


 お父様は勝ちを確信しているような目つきだった。強力な援護……それはどういうものだろうか?
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