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4話 接触 その1
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「メリアドール、大丈夫か……?」
「えっ? あ、うん……大丈夫、だと思う」
「なんだそりゃ」
いけないけない、リクイドに余計な心配を掛けてしまったわ。新しいスキルが発現したみたいだけど、【上級アイテム生成】が無くなったわけでもない。これって……複数スキルが発現したってこと? そんな話、聞いたことがない。
「リクイド……悪いけれど、少し用事思い出したから、宿に戻ってもいいかな?」
「お、おう。それは構わないけど、本当に大丈夫かよ?」
「うん、大丈夫大丈夫。それじゃあね」
私は酒場での代金を支払ってすぐに宿に戻ることにした。パーティ追放をされたので、いつもの一軒家には戻れず、しばらくは宿暮らしになっている。
-------------------
それからしばらく時間を掛けて、私は自分の身に何が起きたのかを調査することにした。関係のありそうな文献なんかも読んだりしたけど、やっぱり複数のスキル発現について書かれている記事は見当たらなかった。
「上級アイテム生成とレアドロップ……二つのスキルが身についているという実感があるわ。まあ、ダンジョンに行って試してみないと確信は持てないけど」
調べた範囲では文献にも載っていないようなことが起きている……これはひょっとして、凄いことなんじゃ? この時の私は驚きと期待、恐怖が並行していたように思う。
その後も天の声は新たなスキル獲得を告げて来ていた。【トラップ発見】【隠し部屋発見】【サーチ】といったスキルだ。サーチというスキルは魔法でも同じ効果のものがあって、宝箱の中身などを事前に調査できたりする。
私は5つものスキルを獲得していた。これは驚愕と言えるだろうか。本当に信じられない……。
一人で抱えるのはとても無理だったので、とりあえずリクイドに相談することにした。すると……。
「普通に信じられないけど、知り合いの魔導士なら何か知ってるかもな。連絡取ってやるよ」
「知り合いの魔導士……?」
「ああ、ユナイトスペルに所属しているマリアーネって人物だ」
「マリアーネ……」
Sランクパーティの「ユナイトスペル」と言えば、有名な冒険者パーティだ。所属メンバー全てが魔導士で構成されている不思議さも兼ね備えているから、より目立っているのだとか。
なるほど、そんな高名な冒険者パーティの人だったら、何か知っているかもしれないわね。それにしても……私との1つ上の年齢のはずなのに、案外顔が広いのねリクイドって。
「えっ? あ、うん……大丈夫、だと思う」
「なんだそりゃ」
いけないけない、リクイドに余計な心配を掛けてしまったわ。新しいスキルが発現したみたいだけど、【上級アイテム生成】が無くなったわけでもない。これって……複数スキルが発現したってこと? そんな話、聞いたことがない。
「リクイド……悪いけれど、少し用事思い出したから、宿に戻ってもいいかな?」
「お、おう。それは構わないけど、本当に大丈夫かよ?」
「うん、大丈夫大丈夫。それじゃあね」
私は酒場での代金を支払ってすぐに宿に戻ることにした。パーティ追放をされたので、いつもの一軒家には戻れず、しばらくは宿暮らしになっている。
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それからしばらく時間を掛けて、私は自分の身に何が起きたのかを調査することにした。関係のありそうな文献なんかも読んだりしたけど、やっぱり複数のスキル発現について書かれている記事は見当たらなかった。
「上級アイテム生成とレアドロップ……二つのスキルが身についているという実感があるわ。まあ、ダンジョンに行って試してみないと確信は持てないけど」
調べた範囲では文献にも載っていないようなことが起きている……これはひょっとして、凄いことなんじゃ? この時の私は驚きと期待、恐怖が並行していたように思う。
その後も天の声は新たなスキル獲得を告げて来ていた。【トラップ発見】【隠し部屋発見】【サーチ】といったスキルだ。サーチというスキルは魔法でも同じ効果のものがあって、宝箱の中身などを事前に調査できたりする。
私は5つものスキルを獲得していた。これは驚愕と言えるだろうか。本当に信じられない……。
一人で抱えるのはとても無理だったので、とりあえずリクイドに相談することにした。すると……。
「普通に信じられないけど、知り合いの魔導士なら何か知ってるかもな。連絡取ってやるよ」
「知り合いの魔導士……?」
「ああ、ユナイトスペルに所属しているマリアーネって人物だ」
「マリアーネ……」
Sランクパーティの「ユナイトスペル」と言えば、有名な冒険者パーティだ。所属メンバー全てが魔導士で構成されている不思議さも兼ね備えているから、より目立っているのだとか。
なるほど、そんな高名な冒険者パーティの人だったら、何か知っているかもしれないわね。それにしても……私との1つ上の年齢のはずなのに、案外顔が広いのねリクイドって。
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