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37話 私の役目 その2

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 私の役目をシリカやアルゼイ様から教わって数日が経過していた。

 あれから私は、自分の役目に付いて考えつつ、これまでの堅く考え過ぎていた部分を見直し、出来るだけ柔軟な発想が出来るように努力していこうと思えた。シリカの自由に羽ばたけという発言は言わば、色々な物を見て見聞を広め、柔軟性に優れた人物になれと言っているのと変わらないわけだ。


 妹であるシリカにこんなことを言われるのは、やや悔しいけれど頷ける部分も大きいので特別な反論はしていない。私にはもっともっと柔軟な考え方が必要なのだと思う。私が何でもサポートをしなければならない、という考え方も既に柔軟性を失くしている考え方だったわけだ。


「王位継承争いに必要なのは、国民の信頼は当然として……」


 おっと、いけないいけない。今は、アルゼイ様と大事な話をしている最中だったわね。私は彼の部屋で王位継承争いについて話し合っていた。

「他には懇意にしてくれる貴族達への配慮も必要ということになる。我が国の王位継承については、その領地の代表である当主貴族の選挙制となっているからな」

「はい、アルゼイ様。そうなりますと、信頼できる貴族をどのくらい増やせるかがカギになると思われます。貴族当主を1人増やせば、その人物が管理している土地の国民全員からの支持を受けたも同然になりますので」

「ああ、そういうことだな」


 まあ、実際にそこまで単純にはいかないのが、歴代の王位継承争いになるのだけれどね。フリック様が消えた今、アルゼイ様とジェイド第二王子殿下の一騎打ちの様相を呈しているわけだ。本来であれば、親戚などを含めて王位継承権を持つお方は居るのだけれど、今回の王位継承争いに対して、不参加を表明していた。

 理由は、アルゼイ様とジェイド王子殿下と争っても勝ち目はないというのが大きいと思う。


「エリザ、君のサポート能力にはとても期待している。他の貴族との繋がりを強固にする為には、君の仲介が必要不可欠になりそうだからな」

「ありがとうございます、アルゼイ様。あまり固くなり過ぎず、柔軟に対応していきたいと思います。ですが、今後の舞踏会などでは全力でサポート致しますので、ご期待くださいませ」

「ああ、分かっているよ、エリザ。君の手腕に関して高く評価しているつもりだからな。今後の王位継承争いでも頼りにさせてもらおう」

「はい、アルゼイ様! 誠心誠意、頑張らせていただきます!」

「期待している」


 アルゼイ様からの大きな信頼が伝わってきた。これほど光栄で嬉しいことは、他にないかもしれない。柔軟性を持つことを忘れずに、しっかりとアルゼイ様のサポートを行っていかないとね。彼と彼を慕う貴族の抽出、利用する可能性のある貴族の抽出は急務と言えるだろう。その他の貴族達への配慮も忘れてはならない……仕事は山積みと言えるかしら。
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