33 / 40
33話 後悔
しおりを挟む
フリック王子殿下視点……。
「なんで……こんなことになってしまったんだ……」
私は現在、地下牢に幽閉されている……この第三王子殿下である私が、だ。国家反逆未遂罪とかいう罪に問われてるようだ。反逆未遂か……確かに言われてみればその通りかもしれないが。これには深い理由があるのだ。
キングダム侯爵は以前のパーティーの席で、私では次期国王の座は難しいことを告げた。そこから、今回の計画は始まったわけだが……隣国のエラルド王国の一部の貴族と共謀して、私はこの国から出て行くというものだった。
その際に運が悪ければ、サンマルト王国は大混乱に陥る可能性があったわけだが……何せ、王位継承争いの最中に行う計画だったからな。しかしそれは、キングダム侯爵がヘマをした形で終わりを告げたのだ。芋づる式に私にまで被害が及んでしまったということである。
「くそう……なぜ、こんなことに……私はただあの男の甘言に惑わされて、ただ、それだけなのに……! うわぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
これで何度目になるか分からない心の奥底からの叫びだ。地下牢中に響き渡っている。また、看守が私の元に来るかもしれない。今までは厳重注意だけで済んでいたが、もしかしたら今回は鉄格子を開けて殴られるかもしれないな。私に恨みを持つ臣下は多いはずだ……今の私は積極的に仕返しが出来る立場にまで降格してしまっている。もうどうでも良い……全てがどうでも良くなっていた。
「私の叫び声に反応して看守が来たか……いっそのこと殺して欲しいものだ」
私はどうせ死んだも同然なのだから……最早、この先の人生で楽しめることなど何一つ出て来ることはあるまい。
無期懲役とはそれほどの罰に値するのだ。
コッコッコッ……と歩く音が聞こえて来る。看守が来たか、しかし、いままでの足音とは異なっている……違う人物が来ているのか? それとも、履いている靴だけを変更したのか。どちらでも良いがな。
「フリック王子殿下……みっともない真似はお止めください……」
私の入っている牢屋の前に現れたのは……意外な人物だった。
「シャーリー……貴様、どの面を下げてここに来ている!?」
「あなた様のそんなお姿は見たくありませんでした……本当に残念でございます」
私に会いに来たのは、私を地の底に沈めた張本人……シャーリー・ウェンデル伯爵令嬢だったのだ。私は怒りの感情が込み上げて来た。この女だけは、許すわけにはいかん……! 必ず、復讐してやる……! 私の決心は確かなものになっている。
「なんで……こんなことになってしまったんだ……」
私は現在、地下牢に幽閉されている……この第三王子殿下である私が、だ。国家反逆未遂罪とかいう罪に問われてるようだ。反逆未遂か……確かに言われてみればその通りかもしれないが。これには深い理由があるのだ。
キングダム侯爵は以前のパーティーの席で、私では次期国王の座は難しいことを告げた。そこから、今回の計画は始まったわけだが……隣国のエラルド王国の一部の貴族と共謀して、私はこの国から出て行くというものだった。
その際に運が悪ければ、サンマルト王国は大混乱に陥る可能性があったわけだが……何せ、王位継承争いの最中に行う計画だったからな。しかしそれは、キングダム侯爵がヘマをした形で終わりを告げたのだ。芋づる式に私にまで被害が及んでしまったということである。
「くそう……なぜ、こんなことに……私はただあの男の甘言に惑わされて、ただ、それだけなのに……! うわぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
これで何度目になるか分からない心の奥底からの叫びだ。地下牢中に響き渡っている。また、看守が私の元に来るかもしれない。今までは厳重注意だけで済んでいたが、もしかしたら今回は鉄格子を開けて殴られるかもしれないな。私に恨みを持つ臣下は多いはずだ……今の私は積極的に仕返しが出来る立場にまで降格してしまっている。もうどうでも良い……全てがどうでも良くなっていた。
「私の叫び声に反応して看守が来たか……いっそのこと殺して欲しいものだ」
私はどうせ死んだも同然なのだから……最早、この先の人生で楽しめることなど何一つ出て来ることはあるまい。
無期懲役とはそれほどの罰に値するのだ。
コッコッコッ……と歩く音が聞こえて来る。看守が来たか、しかし、いままでの足音とは異なっている……違う人物が来ているのか? それとも、履いている靴だけを変更したのか。どちらでも良いがな。
「フリック王子殿下……みっともない真似はお止めください……」
私の入っている牢屋の前に現れたのは……意外な人物だった。
「シャーリー……貴様、どの面を下げてここに来ている!?」
「あなた様のそんなお姿は見たくありませんでした……本当に残念でございます」
私に会いに来たのは、私を地の底に沈めた張本人……シャーリー・ウェンデル伯爵令嬢だったのだ。私は怒りの感情が込み上げて来た。この女だけは、許すわけにはいかん……! 必ず、復讐してやる……! 私の決心は確かなものになっている。
30
お気に入りに追加
5,590
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
【完結】地味で目立たない眼鏡っ子令嬢の可愛いところは王子様だけが知っている ~その求婚はお断りしたいのですが~
Rohdea
恋愛
「クリスティーナ嬢、申し訳ないが今回の君との婚約の話は無かった事にさせて欲しい」
──あぁ。また、ダメだったわ。
伯爵令嬢、クリスティーナは今日も婚約の打診を申し込んでいた男性にお断りされてしまっていた。
何とこれで3人目!
揃いも揃って口にするお断り理由が、
眼鏡、眼鏡、眼鏡……
ど近眼のクリスティーナには、この顔がよく分からなくなるほどの分厚い眼鏡が手放せないと言うのに。
これがダメなのだと言う。
そもそも最初の婚約者にも眼鏡が理由で逃げられた。
──こんな眼鏡令嬢でも良いと言ってくれる人はいないかしら?
新たな婚約者探しに難航し、半ば諦めかけていた頃、
クリスティーナは、王宮主催の舞踏会に参加する。
当日、不慮の事故で眼鏡を壊してしまい、仕方なくボンヤリした視界で過ごした舞踏会の後、
何故かクリスティーナは第3王子、アーネスト殿下に呼び出され求婚されてしまい……
──何で!? どうしてこうなったの!?
真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件
さこの
恋愛
好きな人ができたんだ。
婚約者であるフェリクスが切々と語ってくる。
でもどうすれば振り向いてくれるか分からないんだ。なぜかいつも相談を受ける
プレゼントを渡したいんだ。
それならばこちらはいかがですか?王都で流行っていますよ?
甘いものが好きらしいんだよ
それならば次回のお茶会で、こちらのスイーツをお出ししましょう。
断罪シーンを自分の夢だと思った悪役令嬢はヒロインに成り代わるべく画策する。
メカ喜楽直人
恋愛
さっきまでやってた18禁乙女ゲームの断罪シーンを夢に見てるっぽい?
「アルテシア・シンクレア公爵令嬢、私はお前との婚約を破棄する。このまま修道院に向かい、これまで自分がやってきた行いを深く考え、その罪を贖う一生を終えるがいい!」
冷たい床に顔を押し付けられた屈辱と、両肩を押さえつけられた痛み。
そして、ちらりと顔を上げれば金髪碧眼のザ王子様なキンキラ衣装を身に着けたイケメンが、聞き覚えのある名前を呼んで、婚約破棄を告げているところだった。
自分が夢の中で悪役令嬢になっていることに気が付いた私は、逆ハーに成功したらしい愛され系ヒロインに対抗して自分がヒロインポジを奪い取るべく行動を開始した。
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
悪役令嬢が行方不明!?
mimiaizu
恋愛
乙女ゲームの設定では悪役令嬢だった公爵令嬢サエナリア・ヴァン・ソノーザ。そんな彼女が行方不明になるというゲームになかった事件(イベント)が起こる。彼女を見つけ出そうと捜索が始まる。そして、次々と明かされることになる真実に、妹が両親が、婚約者の王太子が、ヒロインの男爵令嬢が、皆が驚愕することになる。全てのカギを握るのは、一体誰なのだろう。
※初めての悪役令嬢物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる