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7話
しおりを挟む「デトロイ様、テレサ様……お久しぶりでございます」
「ええ、マーク様。お久しぶりです」
「マーク殿、お元気そうで」
「はい」
私とお父様はマーク様を応接室に通していた。彼は王子殿下の護衛をしているマーク・エッセンバル様。位としては伯爵令息に該当している。伯爵家でありながら、王子様の護衛も行っているすごい方だった。急に来た理由はまだ聞いていないけれど……。一体なんなんだろうか。
「本日は一体、どうされたのですか?」
「はい、デトロイ様。本日の用件はハリア・クレセント王子殿下とレックス・クレセント王子殿下に使わされたという形になります」
「ハリア王子とレックス王子に使わされた? それって……」
驚きのことだった。まさかハリア王子とレックス王子の名前が出て来るなんて思ってなかったから……。
「ええ、最近の噂に関連することなのですが、ほら、テレサ様の……」
「あ、そのことですか」
マーク様はやはり知っている様子だった。ということは、ハリア王子とレックス王子にも知られているのだろうか。
「恥ずかしい話です……」
「テレサ様のことを知っている私としては信じられません。ハリア王子とレックス王子も同じ気持ちだとおっしゃっていました。あんな噂はあり得ない」
「嬉しいことです。ありがとうございます」
マーク様や王子殿下達は私を信じてくれているようだ。他の貴族達とは違う、ということだろうか。
「近い内にハリア王子とレックス王子がこの屋敷に来られます。それは構いませんか?」
「なんと……! 王子殿下が来られる? そ、それは構いませんが……はい」
「ありがとうございます、デトロイ様」
嘘でしょ……? 王子殿下が二人もミリオン家に来るなんて……信じられないことだった。でも、味方が来てくれるのは心強いかもしれないわね。
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