婚約破棄されたけど、どうやら私は隣国の最強国家の王家の血筋だったようです

マルローネ

文字の大きさ
上 下
10 / 10

10話 驚愕のダルク その1

しおりを挟む
 ダルク・ハウーム侯爵令息視点……。


「こ、これは……!!」

「ダルク・ハウームよ、久しぶりであるな」

「ゼラニス国王陛下……! は、はい! お久しぶりでございます……!」


 玄関先でまさか国王陛下とお会いすることになるとは……! セルフィが訪れるとは聞いていたが、明らかにおかしいぞ? セルフィも居るには居るのだが……。


「お久しぶり……というほど時間は経っていませんね、ダルク様」

「せ、セルフィ……久しぶりだな……」


 気のせいか、セルフィの態度が強気に見えてしまうぞ? それは当然か……ゼラニス国王陛下だけでなく、彼女の隣に立っているのは、グラボイド王国のアイル・グラボイド王子殿下だからだ。

 ど、どういう繋がりでこんな権力の方々がセルフィに同行しているのだ!?


「ダルク・ハウーム侯爵令息、私はアイル・グラボイドと申します。グラボイド王国の第一王子を務めております」

「ダルク・ハウームと申します……アイル様、以後お見知りおきを……」


 アイル様は私に握手を求めて来た。ある意味ではゼラニス国王陛下以上に地位の高い相手だ。私は恐れ多かったが、握手に応じることにした。


「ダルクよ。ゼブラは居ないのか?」

「は、はい……国王陛下。父は外出しております。代わりに私が応接室までご案内いたします」

「ん、では早くするのだ」

「か、畏まりました……こちらになります!」


 くそう……まさかこの私がセルフィの見ている前でこんな失態を受けることになるとは……! セルフィの奴、私をどういう目で見ているのか、手に取るように分かるぞ! ふん、どういう手品を使ったのかは分からないが、ゼラニス国王陛下とアイル様がいなければお前など……!

 私の足元にも及ばないのだからな! 覚えておけよ!

 私はそのまま応接室に3人を通すことになった。護衛なども一緒に付いて来たがその辺りは数に数えないいいだろう。どういう話になるのだ……? 想像が付かないな。

 父上が不在なのは非常に困るな……なんとか適当に話を繋いでお帰りいただかなくては。
しおりを挟む
感想 17

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(17件)

坂神ユキ
2021.12.24 坂神ユキ

なるほど、これが世に言う【お前の死が来たぞ!!】って奴ですな!!
主人公ちゃんとそのまま仲良しこよししてれば、(権力が)ヤバい国の王様の義弟になれたのに…………
まあ、不誠実な奴はそのまま首落ちて死ね!!
そして、女の敵も死ね!!
頑張れー主人公ちゃーん!!
最強(最恐とも言う)お兄ちゃん(鬼いちゃんとも言う)が味方にいるぞ~!!

マルローネ
2021.12.30 マルローネ

兄上が最強すぎますからね。相手方はビビる以外に何も出来ない状態かと思われます

解除
太真
2021.12.14 太真

お父さんの居ない時に来たのは慈悲か果たして❓(゚∀゚*)(*゚∀゚)ワクワク

マルローネ
2021.12.15 マルローネ

逆にダルクの味方がいない時を狙ったのかもしれませんね

解除
おゆう
2021.12.13 おゆう

もうじきダルクの絶望の時が(笑)。

マルローネ
2021.12.15 マルローネ

ダルク完全に詰んでますからね……史上最大にマズイ相手が来ているので

解除

あなたにおすすめの小説

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

婚約破棄のその先は

フジ
恋愛
好きで好きでたまらなかった人と婚約した。その人と釣り合うために勉強も社交界も頑張った。 でも、それももう限界。その人には私より大切な幼馴染がいるから。 ごめんなさい、一緒に湖にいこうって約束したのに。もうマリー様と3人で過ごすのは辛いの。 ごめんなさい、まだ貴方に借りた本が読めてないの。だってマリー様が好きだから貸してくれたのよね。 私はマリー様の友人以外で貴方に必要とされているのかしら? 貴方と会うときは必ずマリー様ともご一緒。マリー様は好きよ?でも、2人の時間はどこにあるの?それは我が儘って貴方は言うけど… もう疲れたわ。ごめんなさい。 完結しました ありがとうございます! ※番外編を少しずつ書いていきます。その人にまつわるエピソードなので長さが統一されていません。もし、この人の過去が気になる!というのがありましたら、感想にお書きください!なるべくその人の話を中心にかかせていただきます!

嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした

基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。 その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。 身分の低い者を見下すこともしない。 母国では国民に人気のあった王女だった。 しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。 小国からやってきた王女を見下していた。 極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。 ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。 いや、侍女は『そこにある』のだという。 なにもかけられていないハンガーを指差して。 ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。 「へぇ、あぁそう」 夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。 今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。

あなたがわたしを本気で愛せない理由は知っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。

ふまさ
恋愛
「……き、きみのこと、嫌いになったわけじゃないんだ」  オーブリーが申し訳なさそうに切り出すと、待ってましたと言わんばかりに、マルヴィナが言葉を繋ぎはじめた。 「オーブリー様は、決してミラベル様を嫌っているわけではありません。それだけは、誤解なきよう」  ミラベルが、当然のように頭に大量の疑問符を浮かべる。けれど、ミラベルが待ったをかける暇を与えず、オーブリーが勢いのまま、続ける。 「そう、そうなんだ。だから、きみとの婚約を解消する気はないし、結婚する意思は変わらない。ただ、その……」 「……婚約を解消? なにを言っているの?」 「いや、だから。婚約を解消する気はなくて……っ」  オーブリーは一呼吸置いてから、意を決したように、マルヴィナの肩を抱き寄せた。 「子爵令嬢のマルヴィナ嬢を、あ、愛人としてぼくの傍に置くことを許してほしい」  ミラベルが愕然としたように、目を見開く。なんの冗談。口にしたいのに、声が出なかった。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

手放したくない理由

ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。 しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。 話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、 「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」 と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。 同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。 大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

婚約破棄だと言われたので喜んでいたら嘘だと言われました。冗談でしょ?

リオール
恋愛
いつも婚約者のそばには女性の影。私のことを放置する婚約者に用はない。 そう思っていたら婚約破棄だと言われました。 やったね!と喜んでたら嘘だと言われてしまった。冗談でしょ?

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。