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24話 激昂のリードフ
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「ど、どういうつもりですか……セシル王太子殿下!」
「ん? なんだいきなり?」
舞踏会にはふさわしくない怒号がリードフ様から発せられた。彼は明らかに汗を流しながら焦っているのが伺える。自分の計画を踏みにじられたと考えているのだろうか……最初に踏みにじったのは、リードフ様達だけどね。
「落ち着け、リードフ殿。貴殿が開いた舞踏会内でみっともないぞ」
「そんなことは今はどうでも良いでしょう!?」
リードフ様は焦りからか、さらに声を荒げていた。いくら公爵家の当主とはいえ、セシル王太子殿下に対して失礼過ぎるような気がするけれど……不敬罪に問われないのかな? 私はハラハラしながら見ていた。
「ち、父上……! 落ち着いてください……! セシル王太子殿下に対して、そのような口の利き方は……」
「お前は黙っているんだ」
スタイン様がリードフ様を宥めようとしていたけれど、すぐに黙らされてしまった。スタイン様はリードフ様ほど強引に進めるつもりはないのだろうけれど、色々と情けないわね。本当に彼との関係が絶てて良かったと思う。マーシオ嬢も王家に味方しているし、さっさとハルベルト公爵家との関係を絶つべきね。
「それで、リードフ殿。貴殿は何が言いたいのだ?」
「マグレフ公爵に私達の国の状況を漏らすなど……何を考えているのですか? あなたは国家転覆を考えているのですか……?」
「ああ、そういうことか」
確かにマグレフ公爵には、王家とハルベルト公爵家の関係性が悪いことを悟られたと思う。さらに言えば、南のフォルブース公爵家との関係もゴタゴタしていることが分かっているだろう。でもそれは、セシル様の考えなわけで。
そもそもの問題として、マグレフ公爵との関係を強化しようと考えていた、リードフ様には言われたくない事柄だろう。
「国家転覆……? むしろお前が考えていたことだろう? その言葉、王家に対する挑戦と捉えて問題ないな?」
「なっ……そういうつもりでは!」
「マグレフ公爵の予想した通り、フォルブース家は私やネフィラ側に付いている。リードフ・ハルベルト公爵、お前はもう終わりだ」
「ふぉ、フォルブース家が……!? そんな……!」
リードフ様はセシル様の無慈悲な言葉に狼狽え、その場に崩れ落ちた。その姿は舞踏会内で非常に目立ち、あらゆる貴族から見られる結果となってしまったのだ。これは……ハルベルト家が完全に没落することを決定づけた瞬間ではないかしら?
例えこの後シラを切ったとしても、調べられれば色々と出て来るだろうしね……。
「ん? なんだいきなり?」
舞踏会にはふさわしくない怒号がリードフ様から発せられた。彼は明らかに汗を流しながら焦っているのが伺える。自分の計画を踏みにじられたと考えているのだろうか……最初に踏みにじったのは、リードフ様達だけどね。
「落ち着け、リードフ殿。貴殿が開いた舞踏会内でみっともないぞ」
「そんなことは今はどうでも良いでしょう!?」
リードフ様は焦りからか、さらに声を荒げていた。いくら公爵家の当主とはいえ、セシル王太子殿下に対して失礼過ぎるような気がするけれど……不敬罪に問われないのかな? 私はハラハラしながら見ていた。
「ち、父上……! 落ち着いてください……! セシル王太子殿下に対して、そのような口の利き方は……」
「お前は黙っているんだ」
スタイン様がリードフ様を宥めようとしていたけれど、すぐに黙らされてしまった。スタイン様はリードフ様ほど強引に進めるつもりはないのだろうけれど、色々と情けないわね。本当に彼との関係が絶てて良かったと思う。マーシオ嬢も王家に味方しているし、さっさとハルベルト公爵家との関係を絶つべきね。
「それで、リードフ殿。貴殿は何が言いたいのだ?」
「マグレフ公爵に私達の国の状況を漏らすなど……何を考えているのですか? あなたは国家転覆を考えているのですか……?」
「ああ、そういうことか」
確かにマグレフ公爵には、王家とハルベルト公爵家の関係性が悪いことを悟られたと思う。さらに言えば、南のフォルブース公爵家との関係もゴタゴタしていることが分かっているだろう。でもそれは、セシル様の考えなわけで。
そもそもの問題として、マグレフ公爵との関係を強化しようと考えていた、リードフ様には言われたくない事柄だろう。
「国家転覆……? むしろお前が考えていたことだろう? その言葉、王家に対する挑戦と捉えて問題ないな?」
「なっ……そういうつもりでは!」
「マグレフ公爵の予想した通り、フォルブース家は私やネフィラ側に付いている。リードフ・ハルベルト公爵、お前はもう終わりだ」
「ふぉ、フォルブース家が……!? そんな……!」
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例えこの後シラを切ったとしても、調べられれば色々と出て来るだろうしね……。
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