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18話 マグレフ公国を呼び出す舞踏会 その1
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「リードフ・ハルベルト公爵がマグレフ公国のお方を呼び出しているのですか?」
「ああ、詳細を聞くとそのようだ。ハルベルト家で1週間後に行われる舞踏会。そこにマグレフ公国の重鎮であるセルゲイ・マグレフ公爵が訪れるようだ。既に王家や議会にて承認の手続きが進められている」
「その承認は通るのでしょうか?」
「流石に通さない理由がないからな」
「そうですよね……」
なんだか私の知らないところで、話が大きくなっているような気がするわ。そもそも、スタイン様とマーシオ様の婚約話がこの前あったばかりなのに。今度はマグレフ公国を呼び出す舞踏会だなんて……。
「それにしても、セルゲイ・マグレフ公爵と言えば……」
「ああ、ネフィラの想像通り、マグレフ公国の中での最高権力者だ。我が国で言えば、ジルカド国王と同じ立ち位置になるな」
やはり……貴族のトップがそのまま王様をしている国だから、セルゲイ・マグレフ公爵は当然その位置になるわよね。私としては信じられなかった。他国の王様を呼び出せるなんて……リードフ様は本当に凄い権力を持っているのね。まあ、あの状態からマーシオ様との婚約を成立させたのだから、分からなくはないけれど。
「その舞踏会なのですが……侯爵令嬢である私も出席は出来ないのでしょうか?」
「ネフィラもやはり気になるか?」
「はい、私もスタイン様と婚約をしていた経験のある身ですので。出来ることなら、ハルベルト家がどうなるのかを見届けたいと思っています」
こういった話を私にして、まさかセシル様達が何の作戦も考えていないとは思えなかった。だからこそ、舞踏会への出席を打診してみたのだ。
「ネフィラならそう言ってくれると思っていたよ。ただ、今回は状況が状況だから……私と婚約をしているということになるが、構わないかな?」
「婚約……セシル様とでしょうか?」
「そういうことになる。勿論、後で失くすことは可能なので安心してくれ」
「……分かりました、そういうことでしたら」
「よし、それでは決まりだな」
「はいっ」
私としてはセシル様が相手であれば、婚約をOKしたいのだけれど。まあ、それを口にするのは恥ずかし過ぎるので、今は黙っておくことにした。
北のマグレフ公国を巻き込んだ舞踏会……果たしてどんな展開が待ち受けているのだろうか? 私は今から緊張していた。
「ああ、詳細を聞くとそのようだ。ハルベルト家で1週間後に行われる舞踏会。そこにマグレフ公国の重鎮であるセルゲイ・マグレフ公爵が訪れるようだ。既に王家や議会にて承認の手続きが進められている」
「その承認は通るのでしょうか?」
「流石に通さない理由がないからな」
「そうですよね……」
なんだか私の知らないところで、話が大きくなっているような気がするわ。そもそも、スタイン様とマーシオ様の婚約話がこの前あったばかりなのに。今度はマグレフ公国を呼び出す舞踏会だなんて……。
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「ああ、ネフィラの想像通り、マグレフ公国の中での最高権力者だ。我が国で言えば、ジルカド国王と同じ立ち位置になるな」
やはり……貴族のトップがそのまま王様をしている国だから、セルゲイ・マグレフ公爵は当然その位置になるわよね。私としては信じられなかった。他国の王様を呼び出せるなんて……リードフ様は本当に凄い権力を持っているのね。まあ、あの状態からマーシオ様との婚約を成立させたのだから、分からなくはないけれど。
「その舞踏会なのですが……侯爵令嬢である私も出席は出来ないのでしょうか?」
「ネフィラもやはり気になるか?」
「はい、私もスタイン様と婚約をしていた経験のある身ですので。出来ることなら、ハルベルト家がどうなるのかを見届けたいと思っています」
こういった話を私にして、まさかセシル様達が何の作戦も考えていないとは思えなかった。だからこそ、舞踏会への出席を打診してみたのだ。
「ネフィラならそう言ってくれると思っていたよ。ただ、今回は状況が状況だから……私と婚約をしているということになるが、構わないかな?」
「婚約……セシル様とでしょうか?」
「そういうことになる。勿論、後で失くすことは可能なので安心してくれ」
「……分かりました、そういうことでしたら」
「よし、それでは決まりだな」
「はいっ」
私としてはセシル様が相手であれば、婚約をOKしたいのだけれど。まあ、それを口にするのは恥ずかし過ぎるので、今は黙っておくことにした。
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