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11話 王子達 その2
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「王子という身分上、色々と時間が限られている。申し訳ないが、これで失礼させてもらうよ」
「失礼致します」
「本当にありがとうございました。キスク様、ヤンシャ様」
エネラ姉さまは王子二人に深々と頭を下げていた。それに合わせるように私とアンダルテも頭を下げる。王子二人からの協力が得られた瞬間となった。
「ふう、これで一安心ということが分かったかしら?」
王子二人が馬車で去ってから、エネラ姉さまが話し始めた。緊張感のある言葉遣いがなくなっているようだ。
「二人とも、どうだった?」
「姉さま……色々と心臓に悪かったです……本当に」
「それはあるね……エネラ姉さんは本当に人が悪いよ」
「うふふ、それだけ話せたなら大丈夫ね」
まさか、第一王子殿下と第二王子殿下から求愛されているなんて夢にも思わなかったわ。エネラ姉さまがどういう回答を出すのか非常に興味深いけれど……。
「でも、どうするのですか?」
「どういうことかしら?」
「ですから、王子達二人からの求愛についてです。とても信じられないことですが、どうやら本当みたいですので……どういう回答をするのかと思いまして」
「それについては、まだ考えている最中ね。どのような回答にするのか……う~ん」
エネラ姉さまは悩んでいる振りをしていた。表情が全く困っている様子ではなかったので、振りなのだと思う。流石だわ……。
「まあ、私のことはともかくとして、アーニーのことよ。ジルト様に対するとても頼りになる協力者だったでしょう?」
「は、はい……予想外過ぎましたが」
頼りになるという意味ではこれ以上はないかもしれない人達だ。これ以上となると国王陛下本人とかになってしまうし。
「私達も戻りましょうか。ここに居てもこれ以上は意味がないし」
「そうですね、姉さま」
「わかったよ、姉さん」
王子達も帰ったことだし、私達も屋敷に戻ることにした。それにしても強力すぎる協力者……ダジャレじゃないけれど、ジルト様の今後が心配だわ。まあ、そこを心配するのは変なのだけれどね。
「失礼致します」
「本当にありがとうございました。キスク様、ヤンシャ様」
エネラ姉さまは王子二人に深々と頭を下げていた。それに合わせるように私とアンダルテも頭を下げる。王子二人からの協力が得られた瞬間となった。
「ふう、これで一安心ということが分かったかしら?」
王子二人が馬車で去ってから、エネラ姉さまが話し始めた。緊張感のある言葉遣いがなくなっているようだ。
「二人とも、どうだった?」
「姉さま……色々と心臓に悪かったです……本当に」
「それはあるね……エネラ姉さんは本当に人が悪いよ」
「うふふ、それだけ話せたなら大丈夫ね」
まさか、第一王子殿下と第二王子殿下から求愛されているなんて夢にも思わなかったわ。エネラ姉さまがどういう回答を出すのか非常に興味深いけれど……。
「でも、どうするのですか?」
「どういうことかしら?」
「ですから、王子達二人からの求愛についてです。とても信じられないことですが、どうやら本当みたいですので……どういう回答をするのかと思いまして」
「それについては、まだ考えている最中ね。どのような回答にするのか……う~ん」
エネラ姉さまは悩んでいる振りをしていた。表情が全く困っている様子ではなかったので、振りなのだと思う。流石だわ……。
「まあ、私のことはともかくとして、アーニーのことよ。ジルト様に対するとても頼りになる協力者だったでしょう?」
「は、はい……予想外過ぎましたが」
頼りになるという意味ではこれ以上はないかもしれない人達だ。これ以上となると国王陛下本人とかになってしまうし。
「私達も戻りましょうか。ここに居てもこれ以上は意味がないし」
「そうですね、姉さま」
「わかったよ、姉さん」
王子達も帰ったことだし、私達も屋敷に戻ることにした。それにしても強力すぎる協力者……ダジャレじゃないけれど、ジルト様の今後が心配だわ。まあ、そこを心配するのは変なのだけれどね。
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